書店で欲しい本を購入したいと思っても品切れになっていることがあります。それでは品切れとは具体的にどのような状況を指すのでしょうか。本記事では品切れの意味や品切れの商品でも注文が可能なのかどうかについて説明します。

品切れとは

品切れとは商品が全部売り尽くされていて、店頭にない状態を指します。品切れは出版業界に限らずさまざまな業界において使われる用語です。

書店で新刊本を購入したいと思っても、人気が高いためにすでに店頭で売り切れてしまうケースは珍しくありません。店頭に該当する書籍がないだけではなく、バックヤードにも在庫がない状態が品切れです。また、出版社に在庫がないことを品切れと呼ぶケースもあります。

書店は需要の高い本が品切れで売れなくなる状況を避けるために、少し多めに在庫を注文しておくケースがあります。例えば30冊は売れそうだと思えば50冊位はバックヤードを含めて在庫を確保しておくこともあり、これが返本に繋がり、最終的には不稼働在庫になってしまう場合もあります。ただ、品切れになり販売の機会を逃すよりは1冊でも多く売りたいと書店も出版社も思う為、出版業界の抱える返本の問題に繋がります。

不稼働在庫や返本の問題については別記事を参考にしてみてください。

品切れでも在庫はある?

品切れとは、書店や出版社に該当する書籍のストックがないことを指します。ただし、別の書店や取次にストックのあるケースは少なくありません。たとえば、チェーン店であれば、在庫を抱えている別の書店から取り寄せが可能であったり、取次にストックがある場合は、発注すれば書店に送ってもらうことが可能です。

また、出版社で品切れになっていたとしても、返本があれば再生処理をすることで在庫として使用可能です。出版業界は書店に本を委託販売する制度を採用しているため、一定期間で売れ残った本については出版社に返本されてきます。返本された本を出版社は取次を経由して別の書店に本を流通させることができます。

品切れ重版未定と絶版について

品切れの書籍を書店が出版社に注文した際に、出版社に在庫がないだけではなく重版未定の場合は、書籍を購入することができません。この状態を品切れというケースもあります。今後売れる見込みが無いと判断した本は、出版社は重版を行わず重版未定になり最終的には絶版となります。

品切れ重版未定も絶版も、新しく本が印刷されず、入手が困難である点は共通しています。ただし、絶版は、著者と出版社との出版契約が終了して出版権が消失していることを表すのに用いられる表現です。

絶版になったことは取次にも通知されて、取次も該当する書籍の扱いを終了します。取次のデータベースから該当する本のデータが削除されることもあります。

品切れ重版未定については、重版の予定がないだけであり、将来的には重版される可能性は残っています。また、品切れ重版未定でも、書店から返本されることで再度販売をすることが可能です。市場の本の在庫が0になるわけではないため、絶版とは異なり品切れ重版未定であれば本を入手できる可能性があります。

まとめ

品切れとは書店や出版社から本の在庫がなくなることです。ただし、品切れでも別の書店や市場に流通していれば、出版社に返本されるため、取り寄せが可能になります。

また、書籍が品切れなのか重版未定なのか絶版なのかといった違いにも注目してみてください。