書店の種類の1つとして新古書店があります。新古書店という言葉は聞きなれず、知らない人も多いのではないでしょうか。本記事では新古書店の特徴や問題点などを紹介します。

新古書店とは

新古書店とは古書の中でも状態の良い品や発売から期間の経っていない書籍を中心に扱っている書店のことです。

一般的に古書(古本)とされている本は古い本であり、状態が悪いものが多いです。一方、新古書店で扱われている書籍は、比較的最近になって発売された本であり、状態もあまり悪くなく、新品同然で売られているものもあります。

(後ほど紹介がありますが、新古書店の代表格はブックオフ、古書店というのは数十年前の希少な本などを売る書店です。)

新古書店の特徴

新古書店で販売されている本はあくまでも古本扱いです。ほとんど読まれておらず新品と状態が変わらないものであっても、新古書店が買取したものは古本扱いです。古本であれば再販制度の対象外となるため、新古書店では自由に本の値段をつけることができます。

新古書店で扱っている本の多くは、発売されてあまり期間が経っていないものばかりです。新品同然のものでも定価より安い価格で販売されています。状態の良い本を安い価格で購入できるのが新古書店の大きな特徴です。

新古書店と古書店の違い

新古書店では販売する本の人気(売れ行き)や本の状態から機械的に判断して価格設定をするのが特徴です。それぞれの新古書店では価格設定について独自にマニュアル化しています。一般的には定価の半額が上限となっていて、100円や200円、300円など単純化した価格設定になっているケースが多いです。

一方、古書店では絶版本など希少価値の高い本を主に扱っています。そのため、古書店での価格設定はプレミア価値を見込んだものとなっており、定価の何倍や何十倍の値がつくケースも珍しくありません。

新古書店は流通量が多くて比較的最近に刊行された本を主に扱っています。一方、古書店では残存冊数が少ない昔の本を主に扱っているのが新古書店との大きな違いです。

新古書店でも古い本を扱うケースはあります。ただし、新古書店は絶版本などプレミア価値のある本を専門的に扱っているわけではないため、マニュアルに従って古書店よりも低価格で販売するケースが多いです。

主な新古書店

日本にある新古書店として有名な店舗にブックオフやまんだらけなどがあります。

新古書店の中でも日本最大手とされているのがブックオフです。ブックオフが設立されたのは1991年でした。それから従来の古書店の常識を打ち破るビジネスモデルで人気を集めていき、現在では全国に1,000店舗以上を展開しています。価格システムをマニュアル化することで、パートやアルバイトでも本の買取価格を簡単に決められるようにしたのが画期的でした。また、明るいお店づくりにこだわっており、老若男女が気軽に入れるお店を目指したことも人気の理由です。

まんだらけは漫画を専門とした新古書店です。1980年からの長い歴史があります。現在では漫画だけではなく音楽・映像ソフトやアニメグッズ、同人誌、コスプレ衣装など多様な商品を扱うお店になりました。全国の政令指定都市に店舗を展開しています。

新古書店が普及することによる問題

新古書店で扱われる書籍は新品同然のものであっても、あくまでも古本扱いです。そのため、新古書店で本が売れても著者の利益にはなりません。また、新古書店における販売の傾向を出版社は調べられないため、出版社が売れ行きを把握できない点も問題です。新古書店が普及したことが出版業界を衰退させた原因ともいわれています。

まとめ

新古書店は比較的最近に発売された本をキレイな状態で安く買えるのが魅力です。しかし、新古書店の存在が出版業界に悪影響を及ぼしています。今後は新古書店の存在が出版業界にとって大きな課題となるでしょう。