出版物の種類の1つに分冊百科があります。さまざまな種類の分冊百科が出ていて人気の高い出版物です。本記事では分冊百科とは何なのか、過去に打ち切りになった分冊百科があるのか解説します。

分冊百科とは

分冊百科とは、あるテーマやジャンルについて記述した出版物を定期的に刊行する方式です。全冊揃えることでテーマを網羅したり、完成したりする特性を持ったものもあります。

週刊で刊行される分冊百科は週刊誌に、月刊で刊行される場合は月刊誌に分類されます。

世界で初となる百科事典は分冊百科として販売されたものと言われています。(1700年代にフランスで発売された百科全書というもの。全てが発行され揃うまでに約20年かかったそうです。)
日本では1970年に創刊された「週刊アルファ大世界百科」が分冊百科の最初とされています。1990年代には次々と出版社の参入が続き、市場規模は約300億円まで拡大します。
(デアゴスティーニなど、プラモデルやCDを揃えるものがよく売れたようです。)

現在は4~5割減程度まで市場規模は縮小しています。

本来の分冊百科は、すべてを揃えることで百科事典や全集などを完成させるものです。しかし、現在の分冊百科は特定の主題やテーマに絞った内容を分冊形式で刊行していて、分冊百科という名称は形骸化しています。(趣味の領域などで、終わりなく出続ける分冊百科が増えています。)

分冊百科にするメリット

分冊百科として出版するメリットは定期購読を期待できる点です。消費者側にとっては、安く購入して長く楽しめる点がメリットといえます。出版社と消費者の双方にメリットがあるため、分冊百科は人気が高いです。

分冊百科にはどのような種類があるの?

分冊百科はさまざまなジャンルで出版されています。主な種類としては鉄道やキャラクター、園芸などがあります。ドラマや映画のDVDが付属したシリーズとして分冊百科形式で出版されるものも多いです。模型のパーツが付属した分冊百科のシリーズも多くあります。

たとえば、模型のパーツが付いた分冊百科であれば、すべてを揃えることで最終的に1つの大型模型を完成させられるのが特徴です。DVDのシリーズであれば、すべてを揃えて特定のシリーズ作品をコンプリートできるといったものもあります。

分冊百科の中でも有名なものはデアゴスティーニです。CDやDVD、模型などが付録になる分冊百科のシリーズを出版しています。

分冊百科が打ち切りになる可能性は?

過去に打ち切りになった分冊百科があるのか、途中で打ち切りになる可能性があるのか紹介します。

打ち切りになった分冊百科もある

分冊百科のシリーズが途中で打ち切りになったケースはあります。たとえば、デアゴスティーニなど大手のシリーズであれば、完結するケースが多いです。しかし、分冊百科を出す出版社の中には経営が危ないところもあり、打ち切りになった事例はあります。

たとえば、デル・プラド・ジャパンが刊行していた「マイドリーム ドールハウス」「クラシック・カフェ」など7シリーズが2004年に廃刊になりました。

また、先行販売の段階で休刊になるケースはよくあります。先行販売で売上不振であれば、全国販売で売れる見込みがないからです。

打ち切りの場合は返金してもらえる?

仮に分冊百科のシリーズが途中で打ち切りになった場合には、返金されるケースがあります。たとえば、デアゴスティーニの場合は、全巻揃って1つの商品が完成するビルドアップ品に限り打ち切りによる返金が可能です。ただし、1号ずつ完成するタイプのシリーズについては返金されません。

分冊百科は全巻揃えるといくらになる?

分冊百科のシリーズを全巻揃えるといくらになるのかは、作品によります。

シリーズをコンプリートして1つの模型が完成するタイプのシリーズについては平均15~20万円程度かかるでしょう。たとえば、デアゴスティーニの週刊アイアンマンはすべてを揃えると162,551円になります。

付属のコレクションを集めるタイプについては、20~35万円程度が多いです。たとえば、デアゴスティーニの隔週刊ラリーカーコレクションはすべてを揃えると261,600円かかります。

まとめ

シリーズを揃えていく楽しみがある分冊百科は人気の高い出版方式です。基本的には打ち切りになるケースは少なく、万が一打ち切りになっても返金される場合があります。興味のある方は分冊百科の購読を検討してみましょう。