雑誌が休刊されることがあります。一方で廃刊という言葉もあり、2つの意味の違いについて何となくイメージはつくけど明確な違いはわからないという方も多いのではないでしょうか。本記事では休刊の意味や廃刊との違いについて説明します。
休刊とは
休刊とは定期的に出版されている雑誌や新聞の発行が停止することです。ただし、新聞の休刊日のように一時的に発行を停止する場合にも休刊と表現される場合はあります。
休刊されれば、雑誌や新聞は発行されなくなります。ただし、休刊は一時的に発行を休んでいるだけであり、将来的に復刊する可能性はあります。
休刊と廃刊の違い
休刊は、売上不振や経営上の理由などから継続的に刊行するのが難しくなった場合の措置で、一時的に刊行を停止することを指します。そのため、休刊には復刊する可能性が残されています。
一方、廃刊の場合は将来的に復刊する予定がないケースを指します。そのため、休刊とは異なり、廃刊は二度と復刊しないことを前提としている点が休刊との大きな違いになります。
出版業界では廃刊が使われない?
ただし、出版業界の慣習として廃刊という言葉は使われずに休刊とされるケースが多く、実質的には廃刊しているケースでも休刊と称することがよくあります。
雑誌を廃刊するためには雑誌コードを返上しなければいけません。雑誌コードとは雑誌を管理するためのコードであり、雑誌コード管理センターから付与されるものです。雑誌コードを返上した後で再取得するのはとても手間がかかるため、雑誌を廃刊する場合でも、雑誌コードの返上を避けるために休刊として扱うケースがあります。
また、同じ雑誌コードを活用して別の雑誌を創刊することもできるので、別の雑誌の創刊で雑誌コードを再利用するために廃刊にせず休刊にするという考え方もあります。
ただし、出版社が倒産する場合は、休刊していた雑誌でも廃刊扱いになることがあります。
休刊にできる期間は?
雑誌を休刊として扱える期間は、商標権が関係してきます。雑誌のタイトルは商標登録されているため、その商標権を基準に考える必要があります。商標権の有効期間は10年とされています。そのため、雑誌のタイトルの商標権を維持するためには10年ごとに更新しなければいけません。
また、休刊してから3年以内に1度も発行されなかった場合は、自動的に商標権は消滅します。そのため、休刊できる期間は基本的に3年と考えましょう。商標権が消滅してしまえば、同じタイトルで雑誌を発行することが難しくなるため、事実上廃刊したといえます。
休刊から復刊することはあるの?
休刊された雑誌が復刊するケースがあります。
たとえば、以下の雑誌は実際に休刊から復刊されました。
- andGIRL
- LARME
- 学研の科学
andGIRLは2012年に創刊して2020年まで継続して刊行されてきたアラサー女子向けのファッション誌です。2023年3月から季刊誌として復刊しています。
LARMEは2012年に創刊したファッション誌です。2020年3月に休刊したのですが、発行元を新たにして2020年9月から季刊誌として復刊しています。
学研の科学は兄弟誌である学習と合わせると月670万部も発行していたことがある人気雑誌だったのですが2010年に休刊しました。それが2022年に12年ぶりに復刊したのです。学研の科学は組み立てキットや漫画などがセットになった雑誌であり、子どもたちに本物の科学体験を提供する雑誌として評価されています。
新聞における休刊について
新聞業界では新聞が休刊するケースは珍しくありません。雑誌の場合とは異なり、新聞の休刊は一時的なものであり、後に復刊するケースが多いです。新聞が休刊するのは従業員の休暇や印刷機器のメンテナンスなどが主な理由とされています。
まとめ
雑誌が休刊になることは、事実上の廃刊である場合がほとんどです。ただ、中には復刊されるケースもあります。出版社が倒産してしまえば、ほぼ廃刊と考えて間違いありません。また、出版業界において雑誌の休刊は珍しいことではありませんが、その分復刊をする雑誌もあるということになります。この記事をきっかけに雑誌が復刊したら少し注目して見てみてください。