本記事ではパターン配本とはなにか、仕組みや問題点を紹介します。

パターン配本とは

パターン配本とは、取次店から書店へ何を何冊配本するか選定する仕組みの一つです。データ配本やランク付け配本とも呼ばれます。
取次点はシステム管理によって、各書店にどの本を何冊配本するか決めています。過去の各書店における本の売上データを収集・分析し、各書店ごとに売れやすい本の傾向を把握した上でパターンを決めて、配本する仕組みです。

過去のデータに加えて、書店の立地条件や土地柄なども配本の際に考慮します。たとえば、学生街にある書店であれば就職関連の本は需要が高いです。住宅街の中にある書店では、育児や母親向けの本は売れるでしょう。ビジネス街であれば、ビジネス書は人気を集めます。

現在の出版物の流通は、パターン配本が主流となっているため、出版社や書店の希望は確認しつつ、配本の最適化がなされています。

パターン配本をする理由

パターン配本が採用される理由は、効率的な配本を実現するためです。すべての書店の希望を把握した上で配本を決めるのは現実的に難しいとされています。毎日数百タイトルの新刊が発売され、全国各地の書店にどれくらいの数を配本するか決めなければいけません。人力で配本を決めるのはとても労力がかかり現実的ではありません。そこで、過去のデータや書店の立地条件から配本のパターンを決めます。パターン配本によって、取次の負担を減らせるのが大きなメリットです。

パターン配本であれば、システムによって自動的に配本する書店と部数を決められます。書店を規模ごとにランク付けして、ランクに従って配本する量を振り分けていく作業をすることが特徴の一つで、大型の書店であれば多くの部数が配本され、小さな書店の場合は1冊や2冊と少数部数のみが配本されます。

パターン配本の基準

パターン配本では、ジャンルや書店の規模などを基準としてパターン分けをします。実際に使われる基準としては、上記以外にも売上や返品率、入金率なども考慮されます。

パターン配本では、各項目についてランク付けをするのが特徴です。ランクに従って、書店ごとに何冊配本をするのか決めます。

たとえば、ビジネス本の新刊が出た場合は、ビジネス街の大型書店には多くの部数が配本されるでしょう。ランクの高い書店に優先的に配本されるため、小さな書店は後回しにされてしまいます。そのため、新刊を大きな規模の書店でしか買えないケースが出てくる現状があります。

パターン配本の問題点

パターン配本については、いくつかの問題点が指摘されています。一つは、似通った配本がなされ、似た陳列の書店が生まれる点が指摘されています。独自性のない書店が量産されてしまうという問題です。
小さな書店の場合(フロア面積の小さな店)、人気の新刊が希望数入荷できない問題もあります。利用者にすると、お目当ての本が入荷されないわけですから、他店へ流れてしまう原因になります。

ただし、各書店が取次に個別に本を注文するケースもあります。(発注作業の大変さは想像しきれません。)
独自の仕入れをすることで、書店の独自性をアピールすることが可能です。
直接出版社と交渉をして本の買付をする書店もあります。書店が出版社と直接契約をして本を仕入れる場合は返品ができないケースもありますが、本のラインナップを充実させられるのがメリットです。

出版社の中には、書店からの注文に応じて出荷することに力を入れているケースがあります。売りたいと思い仕入れてくださる書店を大切にしたいと思うことは分かりやすいでしょう。
出版業界でこのパターン配本は問題視されているところもあり、今後AIの登場もあって変化があるかもしれません。

(弊社はパターン配本を肯定も否定もする意図を持たずに、当記事を公開しています。)

まとめ

新刊が出るとパターン配本により各書店に配本される部数が決まります。過去のデータをもとに得られたパターンに従って配本するのは合理的ですが、配本のパターンが固定される点が問題です。今後はパターン配本に頼らない方法が模索されるでしょう。