自費出版は明示的に応募できないとしているコンテストは意外に少なく、あくまで一般流通している書籍であるか、初版部数等の制限、発売時期、ジャンルで絞るケースが中心です。ここでは自費出版本が応募できるコンテストや大賞をご紹介します。コンテストで入賞した場合のメリットなどもあわせて確認しましょう。

自費出版とは

自費出版とは自己資金で作成した本を出版することです。商業出版ではなく、あくまでも個人的に執筆した本を出版します。ただし、個人が自分の力だけで出版をして書店に並べるのは困難なため、出版社や印刷会社などのサポートを受けるケースが多いです。ある程度の費用をかければ、誰でも自費出版できます。小説や写真集、自分史などさまざまな分野で自費出版が行われています。

コンテストや大賞に入賞するメリット

自費出版本をコンテストに応募し、入賞した場合のメリットを紹介しましょう。

賞金がもらえる

コンテストは入賞者に対して賞金を与えるものが多いです。最優秀賞の場合は100万円以上の賞金を与えてくれるコンテストもあります。趣味として作成した自分の創作物が大金になる可能性があります。有名なコンテストであれば応募数はかなりの数に達するため、入賞するのは簡単なことではありません。だからこそ高額な賞金が設定されているのでしょう。

出版のオファーがある

出版社などがコンテストを行うのは、新人を発掘するためです。新しい才能を常に出版社は求めていて、そのためにコンテストを実施しています。コンテストに応募された作品をチェックして、商業作品として通用するレベルの作家を見つけることができれば、出版のオファーを行います。

知名度が上がる

コンテストで入賞すれば、知名度を上げることができます。コンテストのウェブサイトには入賞者の作品や名前が公開されるからです。知名度の高いコンテストの場合は、新聞などメディアで取り上げられることもあります。創作活動をしている人にとってコンテストの入賞は自分の実力をアピールする手段になります。知名度を上げることができれば、自費出版した本の売上を伸ばすことにつながるでしょう。

コンテストに応募できるジャンルは?

コンテストはあらゆるジャンルで開催されています。基本的には自費出版で扱っているほぼすべてのジャンルにコンテストがあるといえるでしょう。たとえば、小説やエッセイ、詩などのコンテストは有名です。他にも、個人史や装丁といったジャンルでも多くのコンテストがあります。そのため、あなたが自費出版で出したいと考えている本のジャンルに関連するコンテストをきっと見つけられるでしょう。

代表的なコンテスト

日本にある自費出版と関連した代表的なコンテストを紹介しましょう。

日本自費出版文化賞

日本自費出版文化賞はNPO法人日本自費出版ネットワークが開催しているコンテストです。自費出版物の文化振興を目的として実施されています。募集部門は多岐に渡り、郷土史や自分史、小説、エッセイ、現代詩、研究、写真集などあらゆるジャンルが用意されているのが特徴です。大賞には賞状と賞金20万円が与えられます。部門賞や特別賞もあり、賞金や記念品を受け取れます。

ふるさと自費出版

ふるさと自費出版は2005年から続いているコンテンストです。主に小説やノンフィクション、詩などを扱っています。自費出版への関心を高めることを目的として開始されているものです。大賞には賞金30万円、特別賞や最優秀賞には賞金5万円が与えられます。

毎日出版文化賞

毎日新聞が主催しているのが毎日出版文化賞です。文学・芸術部門や人文・社会部門、自然科学部門、企画部門の4部門を扱っています。そのため、小説やエッセイなどだけではなく、人文科学や自然科学など研究に関するものも応募できるのが特徴です。本賞には賞金100万円が与えられます。特別賞を選ぶこともあり、賞金10万円と記念品が授与されます。

主な応募条件

コンテストによって応募条件は大きく異なるため、それぞれのコンテストのウェブサイトをチェックしましょう。

基本的には日本語で書かれた一般的な書籍を対象とします。制作費用は全額あるいは一部を著者が負担していることが条件です。著者本人が応募しなければいけません。コンテストによっては、専門性の高いものは審査できない場合もあります。

電子書籍をコンテストへ応募するには

最近は電子書籍の応募を受け付けているコンテストが増えています。データを送信できる場合はフォーマットやファイルサイズなどに注意しましょう。プリントアウトし紙で送付すれば応募を受け付けてくれるケースもあります。

まとめ

自費出版物であっても受け付けてくれるコンテストは多くあります。ただし、コンテストごとに募集ジャンルや応募フォーマットなどには違いがあるため注意しましょう。コンテストに興味を持った方はぜひとも応募を検討してください。

コンテスト商法と呼ばれる営業方法をとる出版社もあるため、未発表原稿を集めるコンテストには注意が必要です。