自費出版の選択肢の1つとして電子書籍があります。電子書籍には多くのメリットがあるため、自費出版する際には電子書籍を検討してみると良いでしょう。ただし、電子書籍にはデメリットもあります。本記事では自費出版で電子書籍を選ぶメリット・デメリットについて解説します。

電子書籍とは

電子書籍とは書籍の内容を電子データ化してディスプレイ上で読めるようにしたものです。電子書籍の中でも有名なものはKindleであり、多くの人が利用しています。電子書籍はインターネット上で購入できるため、直接書店まで足を運ぶ必要がありません。普段利用しているパソコンやスマホからいつでも読めるため、本を持ち運ぶ手間もかからないです。拡大縮小やメモなどの機能があり、電子書籍を便利に活用している人はたくさんいます。

電子書籍を選ぶメリット

自費出版で電子書籍を選ぶメリットを紹介します。

費用を抑えることができる

電子書籍であれば印刷する必要がなく、用紙代や印刷代などが不要になります。また、裏表紙を作る必要もないため、デザイン料を節約することが可能です。本を流通させる配送費用もかからないため、電子書籍であれば自費出版の費用を抑えられます。

(電子書籍の流通に対し、各電子書籍配信スタンドの手数料はかかります。)

在庫の心配がない

電子書籍は電子データを提供する形式のため、在庫を用意する必要はありません。そのため、仮に電子書籍が売れなかったとしても、在庫が残る心配はないです。また、たくさん売れたとしても、増刷する必要はなく追加で費用がかかりません。当然、在庫切れの心配もありません。

簡単に出版ができる

電子書籍は紙媒体よりも文字数が少なくても出版できます。ページ数の少ない作品でも電子書籍として出版可能です。ページ数が少ない分だけ価格を低く設定できるため、誰でも気軽に作品を出版できます。

また、出版社を介さなくても電子書籍を販売できるのもメリットです。作品を用意できれば、電子書籍の出版サイトに登録して簡単な審査を受けることですぐに販売できます。

海外へ販売できる

電子書籍は世界中の人達に販売できるのがメリットです。そのため、紙の書籍よりも利益を上げやすくなっています。より多くの人に本を販売できる可能性があり、紙の書籍よりもヒットの可能性があります。

印税率が高い

電子書籍は印税率が高くなっています。紙の書籍よりもコストがかからないため、出版社を利用したとしても著者の取り分が多くなります。具体的には35~70%ほどの印税に期待できます。

電子書籍を選ぶデメリット

自費出版で電子書籍を選ぶデメリットについて紹介します。

装丁にこだわることができない

電子書籍では装丁にこだわることができない点がデメリットです。電子書籍にも表紙を設定できるのですが、画面上に絵が表示されるだけで紙の質感などの要素はありません。装丁にこだわりたい方にとって電子書籍は不満を感じやすいです。

インターネット限定の販売となる

電子書籍はインターネット限定の販売となり、インターネットに疎い人に購入される可能性は低くなります。たとえば、高齢者など電子書籍を扱うのが困難な人をターゲットにできないです。紙の書籍と比べるとターゲット層が狭まるのが電子書籍のデメリットといえます。

誰でも出せる分、貴重さに欠ける

紙の書籍と比較し、パーソナルブランディングに活用するには不十分です。電子出版は手軽である分、誰でも容易に出版でき特別感を感じにくいでしょう。

電子書籍出版のやり方

電子書籍出版のやり方を具体的に紹介します。

電子書籍配信サイトを選ぶ

まずはどの電子書籍配信サイトで電子書籍を出すのか選びましょう。たとえば、Kindleや楽天koboといった選択肢があります。有名なサイトであれば、サービスの内容が充実しており、利用者も多いです。契約内容やサポート内容などをよく確認して選びましょう。

サイト毎に印税率が違い、設定できる売価のレンジも異なっています。事前に複数サイトに出すか、どちらかひとつに出すかを決めておきます。

サイトに登録する

自分で電子書籍の出版を進めるならば、サイトの登録から始めましょう。ただし、電子書籍の出版に対応している出版社もあります。出版社に依頼すれば、サイトの登録からデータ作成、公開まですべて代行してくれるのが特徴です。ただし、出版社に依頼すると費用がかかります。

ファイル形式を変更する

それぞれの電子書籍配信サイトごとにファイル形式やフォーマットが定められています。事前にフォーマットを確認して、ファイル形式を変更しておきましょう。

入稿・審査

ファイルを入稿すると審査が実施されます。審査ではファイル形式や内容が公序良俗に反するものかといった点が確認されます。内容の面白さなどを評価されるわけではありません。ただし、すでにネット上で公開されている文章や他者の権利侵害の可能性がある原稿は、審査落ちするケースがあるため注意しましょう。たとえば、ブログの内容をそのまま転載した内容では審査落ちの可能性が高くなります。

発売

審査に通れば、電子書籍配信サイト上で電子書籍を販売できるようになります。販売が開始すれば、後は購入してもらえるのを待つだけです。書籍の販売はサイト側のシステムで自動的に処理されます。一定金額に達すれば支払いが行われるシステムが多いです。事前に支払い方法を指定しておきましょう。

出版に必要な費用は?

電子書籍を出版するために必要な費用は電子書籍配信サイトにより異なります。サイトの中には0円で電子書籍を販売できるサイトも多くあります。

出版社など外部に依頼する場合は、最初に数万円程度の費用がかかります。事前に見積もりをもらい、費用の内訳など疑問点の説明を受けましょう。

電子書籍配信サイトの選び方

電子書籍配信サイトの選び方を紹介します。

得意ジャンル

これから自費出版で出したいジャンルを扱っている電子書籍配信サイトを選びましょう。そのサイトが得意としているジャンルであれば、多くの人の目に触れる可能性があります。自費出版で儲けたいならば、サイトの得意ジャンルに注目することは大切です。

サイトの知名度

自費出版物を手に取ってくれる母数を増やすためにも、電子書籍配信サイトは知名度の高さを重視しましょう。Kindleや楽天koboなど有名サイトであれば、注目度が上がります。また、有名サイトであれば、詐欺の被害の防止にもつながるのです。

利用費用

電子書籍配信サイトを利用する際にかかる費用や印税率など金銭関係のすべてをしっかりチェックしておきましょう。サイト内の説明をよく確認しておき、不明点があれば問い合わせをすることも大切です。どのくらいの費用がかかり、手数料をどれだけ請求されるのか細かく確認しておきましょう。

絵本や写真集も電子出版できる?

電子書籍では絵本や写真集などの出版も可能です。ただし、すべての電子書籍配信サイトで対応しているわけではないため注意しましょう。また、画像のサイズやファイル形式などのルールが細かく定められている場合が多いため、事前の確認が大事です。

まとめ

電子書籍で自費出版すれば、あまり費用がかからず、在庫の心配がないなどメリットが多いです。ただし、多くの電子書籍配信サイトがあり、サイトごとに費用や得意ジャンルなどは異なっています。よく調べた上でサイトを選び、電子書籍で自費出版しましょう。