生涯一冊でいいから本を出版したいと思ったことはないでしょうか。
最近では、電子書籍による出版も浸透し、一昔前に比べると出版することのハードルが低くなってきています。

電子書籍といえば、Amazonが展開しているKindleダイレクトパブリッシングが有名ですが、実は楽天でも電子書籍を出版できる仕組みがあります。

この記事では、楽天Koboとは何か、どんな特徴があるのか、その使い方はどうなのかなどについて解説していきます。

この記事を読めば、楽天Koboの概要を理解することができるでしょう。
ぜひ最後までご覧ください。

楽天Koboとは

楽天Koboとは、楽天グループが展開している電子書籍を扱ったサービスを意味します。
楽天ブックスとよく混同されますが、楽天ブックスは、ネット書店の一つで本(実物)やDVDやCDやゲームソフトなどのメディア全般を扱っています。
それと比較して、楽天Koboは電子書籍のみを扱っています。

楽天Koboの特徴

楽天Koboの特徴は、とにかく多彩なジャンルを取り扱っていることです。
コミックスや、小説、ノンフィクションなどその内容はさまざまです。
操作もシンプルで、Koboを開いて、検索し電子書籍データをダウンロードすれば、すぐに読めます。

AmazonのKindleと比較すると、その品揃いは劣っており、Kindleが700万冊の品揃えに対して、楽天Koboには400万冊と約300万冊の差があります。

ただ、無料で読める電子書籍に関しては、楽天Koboの方が上回っており、Kindleが5万冊なのに対して、楽天Koboは14万冊程度となっています。
このように無料電子書籍においては、楽天Koboが品揃いが多いと言えます。

自費出版に必要な費用

楽天Koboを利用して出版する場合の費用は無料です。
編集、校正から楽天Koboへのデータアップロードなどを自力で行う必要があります。

それでも、無料で利用できる有益な仕組みであることは、著者にとって大きなメリットであると言えるでしょう。

これら作業を代行する出版社もあります。
1万円程度の安価な作業費で代行するサービスから数十万円までと価格帯は多様です。

楽天Koboの使い方

楽天Koboの使い方は、とても簡単です。利用でつまずくことは少ないと思いますが、ここでは楽天Koboの使い方を解説します。

登録

まず、楽天Koboライティングライフに登録します。
楽天Koboライティングライフとは、楽天Koboにおけるセルフ出版を一元管理できるシステムです。
そのシステムに登録しアカウントを作ることで、無料で楽天Koboを利用した自費出版本を発行できます。
登録時には、個人情報や銀行口座を入力します。

データを作成

次に電子書籍のデータを作成します。
本の中身となるデータはもちろんのこと、表紙のイメージも作成します。
また、本のタイトルや目次などもこの時点で作成します。

アップロード

電子書籍のデータ作成が完了したら、楽天Koboライティングライフに書籍データをアップロードします。
手順としては、著者名、本のタイトル、表紙のイメージ、を順番にアップロードしていきます。
ここでつまずくポイントとして、出版社名の入力が必須となっていることです。
電子書籍の自費出版本では、出版社はないので、ここにも著者名などと入力して、先に進みましょう。

楽天Koboの印税率

楽天Koboで出版した場合の印税率は、本の本体価格によって変わります。
楽天Koboを利用した時のロイヤリティは、本体価格が299〜100,000円の場合は70%となり、80〜298円までは45%となります。

参考までにKindleは、250円以上の価格の場合約70%(KDPセレクト設定時)、250円未満の場合約35%です。
このため電子書籍の出版によって得られるロイヤリティの相場は70%と見ておけば良いでしょう。
※KDPセレクト設定時とは、Kindleストアでのみ販売する等の条件をクリアし設定した場合を指す。

出版する際の注意点

楽天Koboを利用した自費出版本についてですが、お手軽に出版できる反面、注意しなければならないこともあります。
その注意点とは以下の通りです。

固定レイアウト型とリフロー型の違い

まず、電子書籍を表示させる形式についてです。
電子書籍の表示の仕方には、2通り方法があります。

第一にリフロー型です。
リフロー型は、文字サイズを自由に変更し、そのたびにレイアウトを変更してもらえる流動的な形式です。
文字サイズを変更すると、それに合わせて、行間などを自動修正し、文字の列が途切れることがない表示形式です。

第二に、固定レイアウト型です。
この方式は、1ページを画像として扱う方法で、文字のサイズの変更には対応しておりません。
そのため、文字が小さいと感じた場合でも文字サイズを変更することはできず、1ページ分のイメージを拡大しながら、読まなければならないというデメリットがあります。
また、文字の一部を選択したり、ハイライトしたりすることもできません。

週末は審査されない

楽天Koboでは週末にデータをアップロードしても審査が進まないため、週末に電子書籍データをアップロードした後、すぐに出版という流れにはなりません。

Kindleでは曜日に関係なく出版することが可能なため、週末に出版を考えている場合は、Kindleを利用した方がスムーズです。

ファイル形式はEPUB3限定

楽天Koboでは、ファイル形式がEPUB3に限定されています。
EPUB3とは、電子書籍ファイルの形式の一つです。最後の「3」という数字はバージョンが3という意味です。

電子ファイルとしては、Microsoft WordやGoogleドキュメントを利用している方が多いとは思いますが、最終的には、EPUB形式に変換することになります。

暴力やポルノ作品はNG

楽天Koboに限らず、暴力表現やポルノ作品については、出版が規制されています。
児童ポルノに限らず、卑猥な描写や写真があったり、または人物や動物の虐待や猟奇的、グロテスク的な描写があると、出版審査に引っかかり、出版が許可されないことになるでしょう。

楽天Koboは写真集なども出版できる?

楽天Koboでは写真集も出版できます。
既に楽天Koboには数多くの写真集が販売されています。
このため、カメラマンで生計を立てたいという方には、楽天Koboは向いてる電子書籍システムの一つです。

他電子出版サイトと併用しても大丈夫?

楽天Koboで出版している場合でも、Kindleなどの他の電子書籍サービスを併用できます。
このため楽天Koboと他の電子書籍を利用して出版することで、販売ルートを複数確保することも可能です。

ただし、KDPセレクト登録ができないためKindleの印税率が下がるなどの影響が出る場合があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
ここまで、楽天Koboとは、その特徴などを解説してきました。
この記事のポイントを整理すると以下の通りです。

  • 楽天Koboとは、楽天グループが展開している電子書籍サービスのこと。
  • 楽天Koboの特徴は、多彩なジャンルの電子書籍を擁していることと、無料で読める電子書籍が多いこと。
  • 楽天Koboを利用した時のロイヤリティは、本体価格にもよるが、70%程度。