雑誌で廃刊という言葉が使われることがあります。一方で休刊という言葉もあります。
本記事では、廃刊と休刊の違いや使い分けについて紹介します。

廃刊とは

廃刊とは、その雑誌が今後永久的に終わることを指します。出版社が特定の雑誌について廃刊を発表すれば雑誌の発行を自発的に中止することであり、発行される予定がまったくないと考えましょう。そのため、雑誌の廃刊とは、その雑誌そのものが完全になくなり、次回発行はないことを意味します。

廃刊という言葉は、定期刊行物に使われる言葉です。雑誌だけではなく新聞にも廃刊という言葉は使用されます。

雑誌や新聞などが廃刊する理由はさまざまです。よくある理由として読者の減少やコストの増大などにより赤字が継続し存続が難しくなったケースです。
雑誌の売上が伸びず、赤字の状態が長く続けば、出版社はいずれ廃刊を選択しなければいけません。また、出版社の倒産や事業撤退、作者や編集者がいなくなったといった理由で廃刊されることもあります。

廃刊と休刊の違い

休刊とは、一時的に雑誌や新聞の発行を休むことです。たとえば、出版社の業績不振に起因し休刊になる場合があります。あるいは、編集者や作者などにトラブルがあり、コンテンツの作成を続けられなくなったために休刊するケースも少なくありません。

本来の休刊は事前に発行を止める期間を定め、その間だけ刊行を休むという意味です。そのため、一定期間が経過後、復刊する想定のことを休刊と言います。昨今の雑誌の休刊は期間を定めずに休刊となる場合もあり、事実上の廃刊である場合もあります。
しかし、過去に休刊になっていた雑誌が復刊したケースはいくつも存在しますから、全てが廃刊と同等ということではありません。

廃刊と休刊の使い分け

廃刊と休刊の使い分けについては曖昧な部分があります。たとえば、休刊となっている雑誌のほとんどは実質的に廃刊と変わらないからです。

実質的に廃刊しているにもかかわらず休刊が選ばれているのは、雑誌コードの取得の問題があると言われています。
雑誌コードとは誌名ごとに設定された商品番号のことです。雑誌が休刊した場合は共通雑誌コード管理センターで2年間雑誌コードが保留されます。2年の間に雑誌が復刊しなかった場合は、別の新しい雑誌に番号が使われることになります。雑誌コードの取得は難易度の高さもあり、雑誌を廃刊したい場合もとりあえず休刊とするケースが多いです。

出版社のイメージの問題として廃刊より休刊が好まれるというケースもあります。それなりの規模の出版社が雑誌を廃刊したと発表すると、雑誌の事業に失敗したというマイナスのイメージを持たれるでしょう。そのため、事実上は廃刊であっても、あえて休刊と発表することがあります。

近年における雑誌販売額の推移

雑誌の売れ行きはピーク時から年々減少し続けています。右肩下がりの状態が続いていて、雑誌の売れ行きが落ちたことが出版業界全体の売上を落としている状況です。そのため、雑誌というジャンルについては将来性が低いといえます。

雑誌の売れ行きはあらゆるジャンルで落ちており、人気が高かった漫画雑誌であってもピーク時の10分の1以下になったケースや休刊・廃刊したケースがあります。

休刊した雑誌の中には定期雑誌から不定期雑誌に移行したケースがあります。あるいは、ムック誌への変更、WEB版など比較的コストがかからない方式で継続されるケースも少なくありません。

まとめ

近年、雑誌の休刊や廃刊がニュースになることが増えています。休刊の場合でも実質的には復刊の予定がなく廃刊と同様の扱いとなることが多いです。雑誌そのものの需要が落ちているため、今後も休刊や廃刊のニュースが話題になるケースが増えるでしょう。