本のサイズを表すときに判型という表現をします。判型にはさまざまな種類があり、A5判のような一般的なものもあれば、四六判のようにサイズのいまいち分からないものもあります。本記事では判型の意味や種類について紹介します。

判型とは

判型とは書籍や雑誌、印刷物のサイズのことで、日本で主に使われている判型にはA判とB判の2種類があります。それぞれJIS工業規格に基づいて決められています。

版型は、印刷物の内容に合わせて大体の適切なサイズが決まっています。例えば、小説は文庫判、新書判、四六判、ビジネス書は四六判、写真集であればA4判といった感じです。これ以外にも絵本であればこの形が多いといった傾向もあります。

あくまでも、流通をしている印刷物によくあるサイズというだけで、このサイズにしなければいけないと決まっている訳ではありません。

基本的な判型の種類

よく用いられる基本的な判型を紹介します。

  • A4判
  • A5判
  • A6判(文庫判)
  • B4判
  • B5判
  • B6判

それぞれのサイズや主な目的を紹介します。

※基本的には長い方が縦になり、横長のものはA5判(横)のように表現します

B4判

B4判のサイズは257mm×364mmです。大きさは新聞1ページの半分とほぼ同じであり、折込広告のサイズとしてよく採用されます。他にも履歴書や賞状、原稿用紙などもB4判を使用しています。

写真を掲載して視覚的に訴えかけたい場合にはB4判が適しており、大きな写真やイラストを掲載することで高い訴求力を望むことができます。また、地図がメインの書籍でB4判が採用されるケースもあります。

A4判

A4判は210mm×297mmのサイズです。現在では最も一般的な印刷物のサイズとされており、コピー用紙と言われて想像をするサイズがA4判になるのでは無いでしょうか。

論文や写真集なども主にA4判が採用されており、教科書でもA4判は一般的です。また、前述の通りコピー用紙がA4判であることが多いため、仕事の書類や冊子などもA4判で印刷される傾向にあります。

A4判は、サイズのバランスが良く、情報量や見やすさなどに優れているとされています。ただ他のサイズと比較すると大きいサイズですので、書籍のように厚みがあり折りたたむことができない印刷物では持ち運びにくさが出てしまう特徴もあります。

B5判

B5判は182mm×257mmのサイズです。A4判よりも一回り小さいサイズです。

週刊誌や雑誌、書籍、コミック本、小冊子などにもB5判は採用され、教科書にも採用されることがあります。

大きく目立つ見出しやイラストを使う冊子であれば、B5判は使いやすく、A4サイズと比べると持ち運びやすいため、会社や学校などで冊子を配布する際にB5判がよく使われます。

A5判

A5判は148mm×210mmのサイズです。A4判のちょうど半分のサイズです。専門書や学術書などの採用が多く、昔の教科書はほとんどがA5判でした。文芸誌や漫画、ガイドブックなどにもA5判は使われています。

絵や図などを掲載しても余裕のあるサイズがA5判です。図版の多い書籍、専門書、横書きの書籍に多く採用されます。

B6判

B6判のサイズは128mm×182mmです。B5判のちょうど半分のサイズとなっています。漫画の単行本にはB6判が採用されるのが一般的です。文庫版のサイズよりも大く、文字以外にもイラストや図版の入る書籍で使用されます。

A6判(文庫判)

A6判のサイズは105mm×148mmです。A6判は、いわゆる文庫判のことであり、文庫本に採用されるサイズです。コンパクトで持ち運びに便利であり、小さいため印刷費を抑えることができます。

特殊な判型の種類

特殊な判型として以下のような種類があります。

  • 新書判
  • 四六判
  • AB判
  • 菊判
  • ブランケット判
  • タブロイド判
  • 三五判
  • 重箱判

それぞれのサイズと主な使用例を紹介します。

新書判

新書版のサイズは105mm×173mmです。ただ、新書判に正式な規格は存在せず、レーベルによって微妙にサイズが異なります。新書と呼ばれる少し縦長な書籍に使用されるサイズです。

四六判

四六判のサイズは128mm×188mmです。四六判もレーベルによって若干のサイズの違いがあります。現在、単行本のサイズというと、この四六判が多く用いられており、書店に行って目にするビジネス書などは、ほとんどこの四六判が使用されています。

AB判

AB判のサイズは210mm×257mmです。幅はA判の長辺と同じで、高さはB判の長辺と同じサイズを採用しています。ワイド判とも呼ばれるサイズであり、写真誌や大きめの雑誌に採用されます。

菊判

菊判のサイズは636mm×939mmです。現在では日本独自のサイズとして主に雑誌の印刷で使用されています。

ブランケット判

ブランケット判は新聞用紙1ページと同じ大きさでサイズは406mm×546mmです。新聞を模倣した紙面の冊子や大きめの情報誌に採用されます。

タブロイド判

タブロイド判のサイズはD判とB判の2種類があります。D判のサイズは272mm×406mm、B判のサイズは272mm×382mmです。サイズがブランケット判の半分程度であり、冊子や情報誌に使われます。

三五判

三五判のサイズは84mm×148mmです。コンパクトな判型であり、主に地図帳に用いられます。

重箱判

重箱判のサイズは182mm×206mmです。主に絵本の判型として使われます。B5を少し短くしたようなサイズであり、絵本のサイズとして定番となっています。

判型の仕組み

A判はもともとドイツで使用されていた工業規格であり、後に国際規格になりました。一方、B判は江戸時代の公用紙である美濃判が由来であり、今では日本とアジアの一部の国でのみ使われています。

まとめ

判型とは印刷物のサイズのことであり、印刷物の種類や本のジャンルによって異なる判型が採用されます。非常に多くの判型があり、特殊な判型もあり、どの印刷物にはどの版型がよく使われているかを知ることで、印刷物を手に取る楽しさが増えるかもしれません。