本の中には未刊のものがあります。未刊はよく聞く言葉ですが、正確な意味はわからない方が多いでしょう。本記事では未刊の意味や文例、対義語などについて紹介します。

未刊とは

未刊とは、書籍や雑誌などがまだ刊行されていないことを指します。刊行される予定があったにもかかわらず刊行されていないケースは未刊です。また、漫画雑誌に掲載されていた作品がコミックスや単行本化されていないケースも未刊と呼ばれます。

原稿が用意されていて、出版できる状態にあったにもかかわらず刊行されなかった場合も未刊です。たとえば、小説家が長い年月をかけて執筆を続けた大作があり、最終的に著者の意向によって刊行を断念したというケースも未刊と呼ばれます。

書籍の企画が立ち上がり、実際に執筆が開始されて、ほとんど完成しているのに未刊に終わるケースもあります。たとえば、書籍のテーマに問題がありトップの判断で刊行が中止になるケースです。また、採算が取れないと判断されて刊行を断念する場合もあります。

(執筆開始時と社会情勢が変わり、具体的には紛争や法改正などが挙げられ、取り扱い難易度が高まったテーマや、一時的な盛り上がりで、旬を逃したテーマなどが該当します。)

小説家や学者などで未刊だった作品が、死後数十年後に刊行されるケースは聞いたことがあるかと思います。たとえば、遺品や資料を整理していく中で未刊作品の原稿が見つかり、刊行されるケースです。

未刊の使い方

未刊はさまざまな場面で使われる言葉です。未刊という言葉が使われる事例を以下にまとめました。

  • お尋ねになった本は未刊です
  • 昨年亡くなった◯◯さんの未刊作品をまとめた作品集が発行された
  • 既刊分を発送し、未刊分については発行次第毎月お送りいたします
  • 未刊のエッセイが死後に発見された

書店で買いたい本が置いてないか確認したときに「お尋ねになった本は未刊です」という回答を受けるケースがあります。

また、小説家や詩人、学者などが亡くなった際には、未刊となった作品をまとめた作品集が発行されるケースがあります。ファンにとっては未刊の作品を読んでみたいものであり、需要は存在するため、未刊の作品集が出されることは珍しくありません。

雑誌をまとめて注文する際には、既刊分がまとめて発送され、未刊分については発行次第随時発送するといった対応になるケースがあります。

著名な学者や小説家などが亡くなった後で未刊の作品が発見されるケースがあります。死後に発見された未刊の作品が発表されて後世で評価されるといったケースもあります。

未刊の対義語

未刊の対義語は既刊です。既刊とは既に発行されていることを指します。

たとえば、ホームページ上で既刊書としてまとめられているケースがあります。また、シリーズ物の小説や漫画などでは、既刊文庫や既刊コミックスといった表記がされるケースは多いです。

既刊が実際に使われる例を以下にまとめました。

  • コミックスの1巻から既刊までが続々重版されている
  • ◯◯は既刊20巻にして累計1,000万部を突破している
  • ✕✕の既刊30%OFF

たとえば、シリーズ物の作品で1巻から最新刊までを示したいときには、1巻から既刊までと表現されるケースは多いです。既刊までと表現すれば、最新刊までを含んでいることがわかります。

10巻や20巻など区切りを示したいときに、既刊10巻や既刊20巻と表現されることは多いです。

また、本のセール情報を発表する際には、「既刊30%OFF」といった表現が使われることがあります。

既刊は既に発行されている書籍を指す言葉のため、未刊よりも使われる機会は多いです。

まとめ

未刊とは、まだ発行されていない書籍を指します。未刊の反対の意味の言葉は既刊です。未刊の意味や既刊との違いについて正しく理解しておきましょう。