専門書とはどのような書籍なのか、定義を理解されていますか?本記事では専門書とは何か、実用書と何が違うのか、選び方や使い方も含めて紹介します。

専門書とは

専門書とは、特定の専門分野について書かれた書籍のことです。専門性が高く、主に専門家が読むことを想定して出版されています。学術的研究に関連するものから技術的なものまで、さまざまな分野の専門書が出ています。

実用書、学術書、教科書との違い

専門書と似たものとして実用書や学術書、教科書があります。それぞれ専門書と何が違うのか紹介します。

実用書とは

実用書とは日常生活に関連する技術や知識などを提供する書籍を指します。たとえば、暮らしに役立つ知識として収納術が書かれたものは実用書です。専門書とは違い、実用書はあくまでも一般向けの内容になっています。

学術書とは

学術書とは学術的な研究の内容をまとめた本を指します。主に研究者や学生などを対象に書かれたものです。大学において講義の教科書に採用されることもあります。

専門書の中には学術書も含まれます。ただし、専門書には、実務的な内容のものも含まれる点が学術書との違いです。

教科書とは

教科書は学校教育に使うことを目的にした書籍です。特に小学校から高校で使われる教科書は検定教科書と呼ばれ、教科用図書検定基準に適合したもののみが使われます。また、専門学校や大学などで使うことを目的に各学校が独自に作った教科書も少なくありません。

専門書と比較すると教科書は初学者向けの平易な内容になっています。ただし、大学や大学院の場合は専門書を教科書として活用するケースが多いです。

専門書の選び方

専門書を選ぶ際のコツを紹介します。

網羅性から選ぶ

必要な情報が網羅されているかどうかを基準に専門書を選びましょう。内容量が乏しい専門書は、知りたい部分が十分に掲載されていない可能性があります。専門書にもかかわらずページ数の少ない書籍には注意しましょう。情報量の多い専門書であれば、知りたい情報をすぐに調べられます。(領域や最新情報に特化したもので、ボリュームの少ない優れた専門書もあります。)

理由や根拠などの記載

事実の羅列だけではなく、理由や根拠なども記載されているものを選びましょう。専門書に記載されている内容について根拠となる研究データ、論文や書籍、法律などが記載されていることが大切です。情報源がしっかりと記載されていれば、ご自身で再確認が容易です。

改版の頻度

定期的に改版されているかどうかも重要です。改版の頻度が多い場合は、改版にコストをかけるほど人気が高いことを示します。また、改版が頻繁に行われていれば、最新の情報が掲載されているため、情報の正確性が維持されています。改版の頻度が高い場合は、今後も改版される可能性が高いため安心できます。

「始めに」の確認

「始めに」や「序文」などで専門書が出版される目的や内容の説明が行われているため確認しましょう。たとえば、高校生が大卒向けの専門書を読んだとしても内容を理解できません。逆に研究者が高校生向けの専門書を読んでも役に立たないでしょう。「始めに」を読んで、想定する読者について確認しておきます。

専門書の使い方

専門書をどのように使えばいいのか、ポイントを紹介します。

全部を理解しようとはしない

専門書は難解な内容が含まれており、簡単に理解できません。理解までに時間がかかり、挫折する可能性が高いです。理解できない部分は後で読み返すことにして、大まかに内容を覚える程度に読み進めましょう。何度も読み返していくうちに理解が深まるでしょう。

内容の優先度をつける

専門書はページ数が多い傾向にあり、読むのにとても時間がかかります。一から読み始めるのではなく、必要な知識が記載されたページを優先的に読みましょう。そして、時間に余裕があるときに残りの部分を読み進めます。

ただし、前提知識が要求される部分もあるため、その場合は前提知識のページを読むことを優先しましょう。

不明な用語は調べる

専門書で用語そのものが分からない場合、以降の内容も理解できなくなります。そのため、面倒であっても分からない部分について意味を調べて理解することを心がけましょう。

ノートにまとめながら読む

専門書の理解度を高めるためにノートにまとめながら読むことをおすすめします。ノートに要点をまとめる、あるいは書籍に書き足すといった方法がおすすめです。あるいは図にまとめることで分かりやすくなります。

専門書は買い取りにくい?

医学書などメジャーな分野の専門書は需要が高く値がつきやすいです。しかし、マイナーな分野の専門書は値段をつけにくく、買い取りを拒否されるケースがあります。また、一般的な古本屋(新古書店)は専門書の価値を判断しません。(良い悪いではなく、そのようなビジネスモデルの書店であるため。)
必ず専門店に買い取りを依頼しましょう。中古本を購入する場合は、専門店を訪れた方が質の高い専門書が揃っています。

まとめ

専門書は研究者や専門家向けの内容で書かれた書籍です。専門書を読み進めるのは難しいため、本記事で紹介した内容を参考にしてください。