書店における本の陳列方法にはさまざまな種類があります。その中の1つである背差し陳列は、よく採用される陳列方法です。本記事では背差し陳列やその他の陳列の種類について詳しく紹介します。

背差し陳列とは

背差し陳列とは、本の背表紙だけを見せて陳列する方法です。書店で一般的な陳列方法であり、書棚の中に背を手前に向け、本を立てて陳列すれば背差し陳列になります。書店や図書館などの大部分は背差し陳列です。

また、背差し陳列については棚差しという呼び方もあります。各書店ごとに呼び方が異なるケースがあるため注意しましょう。

背差し陳列にするメリット

背差し陳列のメリットは、書棚の中にたくさんの本を陳列できることです。書棚にできる限り多くの本を陳列したい場合に背差し陳列が採用されます。

背差し陳列のデメリット

背差し陳列では本の背表紙しか見えません。そのため、目立ちにくい点がデメリットになります。背表紙だけではタイトルと著者名程度の情報しか提供できず、どのような本か内容がわかりづらく、書棚から取り出して確認しなければいけません。そのため、背差し陳列された本は、その本を目的に書店を訪れた人以外にはなかなか売れないでしょう。

どのような本が背差し陳列になるの?

売り出し中で需要の高い本は書店の目立つ場所に平置きや面置きされることが多いです。書店が特に売り出したいもの以外の本については、背差し陳列で書棚に並べられます。たとえば、少し前に発売した本や冊数が少ない本などです。

また、新刊本であっても仕入れ数が少部数であれば、背差し陳列になりやすいでしょう。部数が少ない場合は、背差し陳列以外の方法で陳列するのが難しいからです。ある程度の数が入荷されている場合は、表紙が見える形で本を積み上げる平置きにすることで目立ちます。

背差し陳列以外の置き方

背差し陳列以外にもさまざまな本の陳列方法があります。代表的な陳列の種類を紹介します。

平積み

平積みとは表紙を上にした状態で本を積み上げていく陳列方法のことです。平積みは縦に積み重ねることで多くの本を置けます。書店に本が平積みされると視認性が高まるのがメリットです。目につきやすく、手に取ってもらいやすくなります。基本的に売り出したい本は平積みされることが多いです。

面陳列

面陳列とは本を棚の中に表紙が見える状態で立てる陳列方法です。面陳列は人の目線の高さの近くに置かれるため、目立ちやすくなります。ただし、面陳列では平積みとは違って多くの本を展示することができません。

漫画のシリーズ本の場合は、1巻を面陳列にして、最新刊は平積みにし、残りを背差し陳列にするといったケースが多いです。それぞれの陳列方法を使い分けることで、本を目立たせながら効率よく展示できます。

複数箇所陳列

複数箇所陳列とは、1つの本をさまざまなコーナーで陳列する方法です。書店が特に売り出したい本については、複数箇所陳列が採用されます。複数箇所陳列のメリットは、いろいろな場所に置かれることで人の目につきやすい点です。何度も同じ本が陳列されているのを見れば、多くの方は興味を抱くでしょう。興味を感じて実際に手に取り購入してくれる可能性が生まれます。

多面陳列

多面陳列とは1つの本について、表紙や背表紙など複数の面を見せて陳列する方法です。仕掛け販売と呼ばれることもあります。書店の中でも特に目立たせたい本について多面陳列が採用されることが多いです。書店のこだわりを感じられる陳列方法です。

まとめ

書棚に背を手前にし、立てて陳列するのが背差し陳列です。他にも面陳列や平積みなど多くの陳列方法があります。書店に行ったときには陳列方法の違いに注目してみましょう。