単品管理とは商品を管理する手法の1つです。小売業において幅広く活用されています。本記事では単品管理の意味や目的、メリット、注意点などについて紹介します。

単品管理とは

単品管理とは、発注する数や在庫数などを商品単位で管理すること、その方法です。コンビニのセブンイレブンによって生み出されました。従来はカテゴリごとに管理(部門管理と呼ばれます。)していたものをそれぞれの商品ごとに売れ行きをチェックしていきます。売れ行きを見ながら発注量や陳列方法について検討するのが特徴です。海外においても「tanpin kanri」として広まっています。

単品管理の目的

単品管理の目的は、消費者が求めている商品を常に用意するためです。たとえば、コンビニのおにぎりが何個売れたというデータだけでは消費者のニーズをつかむことができません。具体的に1個120円の梅干しのおにぎりが売れた個数と日時まで正確に把握する必要があります。

現代の消費者は梅干しのおにぎりが売っていなければ、別の商品を買わずにお店を出ていくケースが多いです。別のお店で自分が欲しいものを売っていないか探します。したがって、消費者が本当に欲しい商品が売り切れていると販売機会の損失となり、顧客からの信頼も失う結果になります。

消費者が求めている商品を正しく把握し、揃えるために単品管理は重要です。現在ではPOSシステムが導入されたことで、商品ごとの詳細なデータを得ることができます。データを検証して次回の発注に生かすことを繰り返して、消費者のニーズを正確に捉え、販売機会を逃さないことが単品管理の目的です。

(当然ですが、売れ残る商品を把握し、不良在庫を抑える効果も発揮します。)

単品管理をするメリット

単品管理を導入することで売上状況から消費者のニーズを予想することができます。マーケティングに活用することで、商品の売上をアップさせられるでしょう。

また、単品管理であれば、商品ごとに細かく在庫を把握することが可能です。売れている商品の在庫が切れればすぐに把握できて素早く対応できます。在庫切れを防ぐことで販売機会損失を回避可能です。

単品管理によって、顧客が欲しい商品を常に揃えることができれば、店舗の信頼度が上がる点もメリットになります。顧客は欲しい商品をすぐに見つけることができて、顧客満足度は上がるでしょう。

単品管理を導入すれば、売れ筋の商品を正確に特定できる点もメリットです。売れ筋商品の発注を増やし、逆に不人気の商品は発注を減らすといった対応ができます。

単品管理をする際の注意点

単品管理は単純に売上データを見るだけであり、それだけではわからない部分がある点はデメリットになります。単品管理の結果だけから判断をすると失敗する可能性がある点に注意しましょう。

たとえば、実際に棚から取り出したけれども棚に戻したというケースがあります。また、カゴにまで入れたけれども戻したというケースもあるでしょう。あるいは、スタッフに商品について質問をするというケースも発生します。単品管理では上記のような細かな情報が得られない点に気をつけましょう。

現場のスタッフだからこそわかる情報はたくさんあります。そのような情報も取り入れることで、単品管理のデータをより有効活用できるようになります。

部門別管理とは

部門別管理(部門管理)とは、従来の管理方法のことです。部門別管理方法では商品をジャンルごとに管理します。部門別に売上や在庫高などのデータを把握していくのが特徴です。単品管理を行うためには手間と時間がかかるため、実際の小売店の現場では今でも部門別管理は一般的に行われています。これからは手間の軽減が図れるシステム等を活用し、部門別管理から単品管理への移行が重要となるでしょう。

まとめ

単品管理を行うことによって、商品1つ1つのデータに着目できます。消費者のニーズを細かく把握するのに役立ち、店舗の売上アップを期待できます。今後は単品管理を取り入れるケースがさらに増えていくでしょう。