全書という種類の書籍があります。それでは全書とは一体どのような書籍を指すのでしょうか。本記事では全書の意味や、類語である辞典や辞書との違いについて紹介します。

全書とは

全書とはある事柄についての著述や文献などをすべて残らず集めた書物のことです。たとえば、六法全書や百科全書、農業全書といった種類があります。

六法全書とは日本における主要な法典である六法の法令を収録した全書のことです。百科全書とはあらゆる分野についての知識を収録した書籍を指します。農業全書とは、日本で最古の農書であり、1697年に刊行されました。農業全書は全11巻からなり、農業に関するさまざまな知識が網羅されています。

全書としてまとめる目的

全書とは現在存在している情報をひとまとめにすることで、現代や後の世代にも知識を伝えやすくするためのものです。社会はどんどん変化していき、知識もアップデートされていきます。その過程でさまざまな知識が埋もれてしまうことも多いです。全書としてまとめることで、その時点での情報を網羅することができ、後から振り返ることもできます。貴重な情報を後世にまで伝えるためにも全書の果たす役割は大きいです。

全書と辞典と辞書の違い

全書にはさまざまな種類があり、その中に辞典や辞書が含まれていると考えましょう。

辞書とは単語について読み方や表記方法、品詞名、語源、用例などをまとめたものです。たとえば、国語辞書にはさまざまな単語に関する詳細な情報が記録されています。一方、辞典とはその単語について使い方などをまとめたものです。ただし、実際には辞書と辞典はほぼ同じ意味として使われています。

全書はどこで購入できる?

全書はある程度大きな書店であれば、どこにでも売っているものです。たとえば、六法全書であれば大型書店の多くで普通に売られています。ただし、マイナーなジャンルの全書については、専門店でないと購入できない場合があります。また、Amazonなどネット上の通販サイトであれば、全書を売っているお店を簡単に見つけられるでしょう。全書の中にはとても大きくて持ち運ぶのが大変なものもあります。通販であれば自宅まで宅配で届けてくれるため便利です。

全書が更新されるタイミングは?

全書が出版された後も、当該分野について次々と新しい情報が更新されていきます。そのため、全書は出版された後も定期的に内容を更新しなければいけません。全書が更新されるタイミングについては、それぞれの全書ごとに異なります。全書を更新するには多くの時間とコストがかかるため、あまり頻繁に更新されるものではありません。

ただし、六法全書のように最新の情報が要求される書籍については、毎年内容が更新されて出版されるケースが多いです。

古い全書だと使えない?

基本的に全書は古いものに加筆していき更新するスタイルの書籍のため、古い全書だったとしても問題なく使うことができます。客観的に確定した事実が記載されるのが全書のため、古い記述であったとしても内容の正しさは保証されているからです。ただし、分野によっては古い記述に誤りや新しい解釈が生まれていることもあるため注意しましょう。

また、古い全書には新しい情報が記載されていません。六法全書のように新しい法律や判例が重要な分野の場合には、古い全書を使っていると問題が生じる可能性があります。これから使いたいと考えている全書の種類によっては、古い全書の実用性が異なってくるため注意しましょう。

まとめ

全書はさまざまな情報が網羅されているため、手元に置いておくと便利なものです。辞典や辞書といったものも全書に含まれているため、多くの方が全書を利用しています。全書は一定の需要があるため、今後も出版され続けるでしょう。