書店の多くには平台が置かれています。それでは平台とは何なのでしょうか。本記事では平台の意味や平台で陳列する理由などを紹介します。
平台とは
平台(ひらだい)とは、平らな台のことであり、書籍の表紙を表に向け、積み上げて陳列させる什器です。平台に積み上げる陳列方法を「平積み(ひらづみ)」と呼び、平積みにすることで、目につきやすくなるのが特徴です。平台は補充が容易であり、さまざまな場所に設置できるため、書店で重宝されています。(膝程度の高さから腰程度の高さまでタイプがある。)
平台には商品だけではなく販促用資材が設置されるケースも多いです。のぼりやポップなどを設置したり、関連商品を陳列したりするケースがあります。
ただし、平台に同じ商品を設置し続けると買い物客視点ではメリハリがなく飽きるため、書店側は定期的に商品を入れ替えていくことが大事です。
平台の目的
なぜ書店に平台が設置されるのか目的を紹介します。
目に留まりやすくする
平台が使われるのは、売りたい商品や人気の商品が目に留まりやすくなるからです。たとえば、通路に面する場所に設置して本を平積みにします。本棚にさしている書籍と比べ、平積みされた書籍は表紙全体が見えるため、本の存在を伝えやすいでしょう。
本数を展示しやすい
本を多く展示しやすい点が、平台を使うメリットです。平台の上には本を積み上げることができます。同じ本を積み上げて展示できるため、多くの在庫を陳列しやすいです。また、平台の上に展示している本は補充しやすく、入れ替えも簡単にできます。
セット販売ができる
平台はスペースが広いため、多くの商品を並べることができ、セット販売できる点がメリットです。たとえば、フェア開催時に、関連ジャンルの作品をまとめて販売できます。人気の漫画を平積みにして、隣に関連グッズを並べ、同時購入を促すこともできるでしょう。セット販売することで、顧客1人あたりの購入金額を向上させることができ、書店の売上アップにつながります。
平積みされる本は誰が決める?
書店でどの本を平積みにするのかを決めるのは、多くはジャンル担当者です。書店ではそれぞれのジャンルについて担当者が決まっていて、どのように本を宣伝するのか工夫しています。そのため、平積みされている本の種類は、書店によって異なっており、それぞれの書店の個性が出る場所です。
ただし、本の売れ行きや出版社からの案内などによって決まるケースもあります。人気の高い作品で出版社が特に売り出しているものであれば、どこの書店でも同じ本が平積みされるケースは少なくありません。
平積みにはルールがある?
平積みに決まったルールはありません。ただし、お客様のことを考えて工夫する必要があります。
たとえば、平積みは奥行3列で積むと良いとされています。列を増やしすぎると奥にある本に手が届かなくなるためです。
POPの位置や大きさにも注意しなければいけません。本の邪魔になるような設置の仕方をすると逆効果になります。
置いてある本のジャンルや内容、版型などに統一感を持たせることも大事です。
それぞれの書店は平積みの仕方を工夫しており、より良い方法を模索しています。
出版社、印刷会社における平台
出版社や印刷会社において平台といえば、活版印刷機を指す場合もあります。活版印刷に使われる印刷機が平台印刷機です。紙にインキを転写することで本が印刷されます。平らな台の上に紙を載せて印刷することから平台印刷と呼び、現在でも現役です。
まとめ
多くの書店で導入されている什器が平台であり、書籍の売上に大きく貢献します。平台の活用の仕方は多様で、書店の個性が出る場所です。書店を訪れたときには、平台に注目してみましょう。