新しく発売された本を新刊本と呼ぶことが多いです。他にも、新巻という言葉を聞いたことがある人がいるかもしれません。本記事では新刊の意味や、新巻や新書、新装版との違いについて紹介します。

新刊とは

新刊とは、発行された日から3ヶ月半後までの本を指します。新しく刊行されたばかりの出版物は新刊と呼ぶのが習慣です。ただし、かつて出版されていた書籍が文庫など別の形態として出版される場合でも新刊と呼びます。

新刊の情報は、出版社や著者のウェブサイトに情報掲載されていることが多いです。また、書店にも新刊情報の掲示がなされている場合があります。大手の書店の場合には、文庫や漫画などの新刊カレンダーが貼られていることが多いです。新聞広告にも新刊の広告が掲載されています。

いつまでを新刊と呼ぶかの厳密な定義は存在しません。ただし、取次から書店への書籍新刊委託の期間は3ヶ月半(105日)とされています。そのため、書店においては3ヶ月半までが新刊期間といえるでしょう。

新刊と新書の違い

新刊とよく似た言葉として新書があります。新書は書籍の発行形態(書籍のサイズや辞典・漫画のようなタイプを指す)を指す言葉であり、新刊とは意味合いが大きく異なるものです。

新書のサイズは新書判と呼ばれており、「105×173mm」の大きさとなっています。細長くてスリムなサイズの本が新書です。新書は叢書に分類されており、一定の形式で順次刊行されていきます。

新書は本のサイズによる分類であり、新しく出版された本(新刊)のことではありません。現在では多くの出版社から新書が刊行されています。主に特定の専門分野について入門的な内容が新書として出されるケースが多いです。政治経済や歴史、科学などさまざまな分野について新書が出版されています。特定の分野の最新情報や基礎的な知識などを手軽にインプットできるのが新書の特徴です。

新刊と新巻の違い

主に漫画のコミックスでは一番新しく出版されたものを最新巻と表記するケースが多いです。

似た漢字で「最新刊」は、雑誌の最も新しいものを指します。また、最も新しく発行された書籍という意味で、最新刊を使用する場合もあります。

改めて、最新巻とは巻数表記のある一連の単行本の中で、一番新しい巻数の書籍を指す際に用いられます。そのため、漫画のシリーズものの場合には、最新巻という表記が使われるのが一般的です。

最新巻という言葉は、継続的に発売されているコミックの「一番新しい巻数」を指すため、最新巻が1年以上前に刊行されたタイトルという場合もあります。

新刊と新装版の違い

新装版とはすでに出版されている作品について装いを新たにして出版された作品のことです。内容がほとんど同じであり、表紙やカバーのデザインのみが変更されたものを新装版と呼びます。

内容が変わる場合は増補版や改訂版と呼ばれることが多いです。一方、新装版はカバーが変わるだけですが、それでも一定の売り上げ増が期待できます。新装版でカバーが変わるだけでも、その本に興味を持って手に取る人の数が増えることが多いです。たとえば、人気の高い漫画家やイラストレーターにカバーイラストを描いてもらい、新装版が出ることがあります。

(小説が原作で、漫画化やドラマ化がなされた後に、漫画のイメージに寄せた表紙に刷新するイメージです。)

新刊発売日のルール

新刊の発売日に特段の決まりはありません。取次店の流通が混みあう時期(3月)などは制限を受けますが、原則各社が自由に決めます。一部出版社では、コミックや文庫、新書などを毎月◯日に発売すると決めている場合があります。

たとえば、ジャンプコミックスの発売日は毎月4日になっています。発売日に決まりがあるかは、は出版社のサイトを確認すると良いでしょう。

まとめ

新しく刊行されて3ヶ月半までの書籍は新刊と呼ばれます。新書や新刊本、新装版との違いに注意しましょう。