今回はTコードについてです。Tコードの意味、過去から現在までの遍歴について紹介しましょう。
Tコードとは
Tコードとは、共通雑誌コードの俗称です。共通雑誌コードとは、2004年まで使用されていた雑誌の識別コードで、雑誌のタイトルや号、価格を一意の数字にしたものです。
共通雑誌コードは13桁の数字の頭にTを付けて表示します。頭にTがあることがTコードという俗称の由来です。現在は雑誌コードや定期刊行物コードに置き換わっています。
詳しくは、雑誌コードとは?にまとめています。
Tコードが生まれるまでの歴史
雑誌を管理するためのコードとして生まれたのが雑誌コードです。1954年にIBMコードと呼ばれる4桁の識別番号をパンチカードにしたものが採用され、雑誌の刊行数が増える中、1978年からは5桁の雑誌コードに移行します。その後、1986年に月号や価格を含めた13桁の共通雑誌コード(Tコード)に生まれ変わります。
雑誌コードとTコードの違い
雑誌コードとは、共通雑誌コード(Tコード)の一世代前に使われていた規格です。IBMコードから雑誌コード、Tコードへと時代に合わせて移行しています。
雑誌コードは5桁で、発行形態(1桁)と個々の雑誌を特定する数字(4桁)で作られており、共通雑誌コード(Tコード)は、雑誌コードに次を追加しています。
プリフィックス491:49は日本であることを示し、1は出版物を示します。
月号:月刊誌の5月号であれば「05」、11月号であれば「11」のように指定します。
価格:共通雑誌コード時代は10円単位で定めていたため、560円であれば「56」。
チェックデジット:手前の数字をもとにした検査数字であり、意味は持たない。
Tコードの構成・読み方
Tコードは全部で13桁の数字から構成されています。Tコードは「(プリフィックス)-(雑誌コード)-(月号)-(価格)-(チェックデジット)」という5つの項目で表記するのが特徴です。
それぞれの項目の意味と桁数を以下にまとめました。
| 項目 | 意味 | 桁数 |
| プリフィックス | 日本で発売された出版物あることを表す | 3桁 |
| 雑誌コード | 発行形態と雑誌名、第何週発行か、別冊・臨時増刊かを示す | 5桁 |
| 月号 | 発行月や第何号かを示す | 2桁 |
| 価格 | 10円単位で定価を表示する | 2桁 |
| チェックデジット | 読み取りの際に誤りがないかを示す | 1桁 |
13桁の数字から雑誌を単品管理できる仕組みです。
※1991年にプリフィックスを2桁へ、価格を3桁へ変更していますが、詳細はまた別の機会に。
定期刊行物コードとは
現在、雑誌を管理するために使われているのが定期刊行物コードです。Tコードの内容を見直して新しい規格として登場しました。
定期刊行物コードは従来のTコードに加えて5桁のアドオンコードを付加したものです。定期刊行物コードは「(フラグ)‐(予備コード1)‐(雑誌コード)‐(月刊コード)‐(年号コード)‐(チェックデジット)‐(予備コード2)‐(価格コード)」で表記します。
それぞれの項目の意味と桁数を以下にまとめました。
| 項目 | 意味 | 桁数 |
| プリフィックス | 日本で発売された出版物あることを表す | 491で固定 |
| 予備コード1 | 将来コード数が不足した場合に利用する | 0で固定 |
| 雑誌コード | 発行形態と雑誌名、第何週発行か、別冊・臨時増刊かを示す | 5桁 |
| 月号 | 発行月や第何号かを示す | 2桁 |
| 年号コード | 西暦年の下1桁を表示 | 1桁 |
| チェックデジット | 読み取りの際に誤りがないかを示す | 1桁 |
| 予備コード2 | 将来コード数が不足した場合に利用する | 0で固定 |
| 価格 | 1円単位で表示 | 5桁 |
Tコードでは不可能だった発行年の表示が可能になりました。さらに、価格の表示は本体価格を1円単位で示すことができます。予備コードを備えることで長期的な使用に耐えうるようになりました。
他に使用される書籍関連のコード
書籍には定期刊行物コード以外に以下の3つのコードが使われています。
- ISBNコード(国際標準規格)
- JANコード(日本の商品識別コード)
- ISDNコード(国際標準同人誌番号)
それぞれのコードの意味を詳しく紹介しましょう。
ISBNコード
ISBNコードは国際標準規格の図書番号です。200の国と地域で使用されています。どこの国のどのような名称の出版社から発行された何という書名の書籍かを示すことが可能です。
日本ではISBNコードに加えて、国内独自の基準である図書分類記号と価格コードを付加したものを日本図書コードとして使っています。
JANコード
JANコードとは日本の商品識別コードです。GTINという国際標準の商品識別コードがあり、日本ではGTINをJANコードと呼んで使用しています。
JANコードは13桁と8桁の2種類の表記法があるのが特徴です。標準タイプが13桁であり、8桁のものは短縮タイプと呼ばれています。
ISDNコード
ISDNコードとは国際標準同人誌番号のことです。同人作品に対して割り当てられる番号であり、ISBNのパロディとして生まれました。同人誌にもバーコードを作りたいという需要に応えて生まれたものです。
ISBNのパロディといっても本格的なものであり、同人誌をレジや蔵書管理で扱うのに使用できます。
まとめ
Tコードは雑誌を管理するための規格であり、現在は使われていません。現在は定期刊行物コードが雑誌を管理するために使用されています。書籍を管理するためのコードには、ISBNコードやJANコードなど種類があるため、それぞれの意味と違いを理解しておきましょう。
