本記事では逆綴じの意味や買った書籍が逆綴じだった場合の対処法などを紹介します。
逆綴じとは
逆綴じとは、表紙と本文が逆に綴じられた状態を指します。制作ミスの一つで表の表紙をめくると巻末ページになる状態です。他に上下(天地)が逆さまになったものも逆綴じと言います。
(縦書き、横書きにあわせた右綴じ・左綴じが逆さになるケースです。)
逆綴じだった場合の対処法
逆綴じの書籍が流通することは滅多にありませんが、万が一買った本が逆綴じだった場合はどうすると良いでしょうか。
これは購入した書店か出版社に連絡し交換してもらいましょう。当然、交換に費用はかかりません。
逆綴じになっている本は珍しいです。(昨今見かけることはないと思います。)
そのため、交換せず残しておく方がいます。良いのか悪いのかわかりませんが、稀に逆綴じの本は希少価値から高額になる場合があります。
逆綴じ以外の製本ミス
逆綴じ以外にも製本ミスが複数タイプあります。どのような製本ミスがあるのか、それぞれ見てみましょう。
取込み
取込みとは、製本作業で丁合をする際に起きるミスで、同じ折を2つ以上重複して取ってしまうことです。増丁とも呼ばれます。
(本文ページを作る際に、ページ順に沿って印刷された紙を重ねていき、最後に綴じます。この重ねていく作業時に、同じページを2枚取ってきて重ねてしまうミスです。)
丁合とは本文ページを1枚ずつ順番に取って、束にする作業です。取込みが起きると、同じページが重複するのが問題です。丁合機に不具合があると起こりやすいとされています。そのため、取込みを防ぐには丁合機を定期的にメンテナンスして、問題があれば修理交換することが大切です。
乱丁
乱丁とは、ページの上下や順序が逆さまになった状態のまま製本されたミスのことです。印刷物を製造する過程では折丁を順序よく綴じていかなければいけません。すべての折丁が順序通りに綴じられないとスムーズにページを読めなくなってしまいます。折り方を間違えるとページ内の構成がおかしくなってしまい、快適な読書の妨げになるでしょう。
(少し補足すると、用紙に表裏印刷し、その用紙を折って、折りたたんだ用紙を束ねて本文ページを作ります。ご家庭にあるもので、A4用紙に表裏で印刷し、横長辺が半分になるように折ってみてください。これで4ページ分になった折丁です。)
かつては乱丁が起きるのが珍しくありませんでした。しかし、現在は丁合機がセンサーによって事前に感知して乱丁を取り除くようになったため、ほとんど起きません。
落丁
落丁とは、本のページの一部分が抜け落ちてしまうことです。丁合の際に起きることがあるミスで、特定の折丁を挿入するのを忘れたまま綴ることで落丁が発生します。
ただし、乱丁と同様に現在ではセンサーで感知できるシステムが整っています。そのため、落丁が実際に起きるケースはほとんどありません。
裁断ミス
裁断ミスとは、製本ミスの1つです。原稿を用紙へ印刷する際、一回り大きな用紙で印刷し、周囲一周をカットし、完成寸法にします。この裁断工程でミスが生じ、正しい寸法に仕上がっていないことを言います。
たとえば、ページが内側に折れた状態のままで裁断されるケースがあります。この場合は、本来は裁断される部分がページ内に残ってしまうのです。ページに切れ端が残ってしまい、いわゆる福耳と呼ばれる状態になります。
裁断ミスについては折木と呼ばれる工程で発生するものです。乱丁や落丁との違いとして1ページだけのミス発生もあり、不良品の検知が難しいとされています。そのため、裁断ミスは比較的よく見かけるミスといえるでしょう。
もちろん、裁断ミスについても他の製本ミスと同様に交換には対応してもらえます。
逆中綴じとは
逆中綴じとは、針金を内側(本を開いた際の読者側)から打ち、外側の切り口は表紙でくるんで隠す製本です。逆中綴じの場合は、読者が針金の切り口を触ることがありません。針金によって怪我をするのを防ぐための工夫です。特に幼児向けの書籍で逆中綴じが採用されます。
逆綴じと似た言葉ですが、工夫を凝らした製本手法とミスの一種という全く異なる意味合いです。
まとめ
逆綴じに限らず書籍には数種の製本ミスがあります。製本ミスは交換に対応してもらえるため、見つけたら書店や出版社に連絡しましょう。本記事を参考にして、どんな製本ミスがあるのか把握しておいてください。
