本記事では課題図書の概要や選書基準、過去の課題図書について紹介します。

課題図書とは

課題図書とは、読書指導の一環で選ばれた書籍をいいます。たとえば、夏休みの宿題として読書感想文の提出を求められ、その際に指定された作品が課題図書です。

課題図書は、学校や教師が個別で選択するものもあれば、読書団体が指定するものもあります。日本国内の課題図書として有名なものは、青少年読書感想文全国コンクールによるものです。読書感想文コンクールの課題図書が毎年公開されています。

他に、大学の講義において必読の図書を課題図書と呼ぶケースがあります。この場合は課題図書のほか、指定図書という呼び方もあります。

課題図書の選書基準(選定基準)

課題図書は専門家によって選ばれています。課題図書を選ぶ基準で多いものは、「読む子供の年齢に適しているか」「子供の関心を引くか」「感動や知識が与えられるか」などです。

より詳細なルールは選定団体毎に異なります。丁寧に選定基準を定めている団体として、公益社団法人全国学校図書館協議会が挙げられます。全国学校図書館協議会図書選定基準ページが非常に分かりやすいため、参考にしてください。

内容が正しく、本の造作も読みやすいもので、標準的な価格であり、教育に不適切な表現が含まれないことが前提です。
そのうえで、楽しい読書体験を与えて、豊かな心の成長を実現させることを目的として課題図書は選ばれます。そのため、内容や主題に独創性があり、人権尊重の精神が貫かれているかといった点が重要です。

課題図書の目的

課題図書を設定する目的は、子どもの読書活動を推進するためです。(より上段には、読書の楽しさを伝えることや読書の習慣化、さらに識字率・学力向上などが挙げられます。)
課題図書の読書を通じて読書離れの改善を図っています。また、子どもの感情をはぐくむことに適した図書を紹介することも課題図書の目的です。

青少年読書感想文全国コンクールの課題図書の発表時期

青少年読書感想文全国コンクールにおける課題図書は、全国図書館協議会の機関誌である「学校図書館」上で毎年5月号に掲載されることが多いです。ウェブサイトでは、課題図書のページで毎年4月末頃に更新されています。毎年4月になれば、課題図書を確認できるでしょう。

青少年読書感想文全国コンクールの課題図書の調べ方

調べ方は、「青少年読書感想文全国コンクール」のページを4月末~5月上旬に確認しましょう。公開日に課題図書のページが新設され、その年の課題図書が一覧で掲載さます。

他の方法として、自校で毎月、全国学校図書館協議会の「学校図書館」を購読している場合には、毎年5月号を確認します。

課題図書一覧

2022年の課題図書

2022年の課題図書を一覧で紹介します。

小学校・低学年の部

2022年の小学校・低学年の部の課題図書は以下の通りです。

  • つくしちゃんとおねえちゃん
  • ばあばにえがおをとどけてあげる
  • すうがくでせかいをみるの
  • おすしやさんにいらっしゃい! 生きものが食べものになるまで

日本の作家の作品だけではなく、海外の作家の作品も含まれています。数学やお寿司などをテーマとした作品があり、子どもの成長にプラスの影響を与えるでしょう。

小学校・中学年の部

小学校・中学年の部の課題図書は以下の通りです。

  • みんなのためいき図鑑
  • チョコレートタッチ
  • 111本の木
  • この世界からサイがいなくなってしまう アフリカでサイを守る人たち

「111本の木」や「この世界からサイがいなくなってしまう アフリカでサイを守る人たち」はノンフィクションであり、教育的な効果を期待した課題図書が揃っています。

小学校・高学年の部

小学校・高学年の部の課題図書は以下の通りです。

  • りんごの木を植えて
  • 風の神送れよ
  • ぼくの弱虫をなおすには
  • 捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ

子どもたちの成長を描いたような作品が多いです。「捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ」はノンフィクションであり、食品ロスをテーマとしています。

中学校の部

中学校の部の課題図書は以下の通りです。

  • セカイを科学せよ!
  • 海を見た日
  • 江戸のジャーナリスト 葛飾北斎

科学をテーマにした作品や葛飾北斎を取り上げた作品などが揃っています。

高等学校の部

高等学校の部の課題図書を以下にまとめました。

  • その扉をたたく音
  • 建築家になりたい君へ
  • クジラの骨と僕らの未来

研究者や建築家など将来の職業に関係の深い作品が多く指定されています。

2025年の課題図書

2025年の課題図書(2026年2月に結果が発表される回)も一覧にします。

小学校低学年の部

  • ライオンのくにのネズミ
  • ぼくのねこポー
  • ともだち
  • ワレワレはアマガエル

小学校中学年の部

  • ふみきりペンギン
  • バラクラバ・ボーイ
  • たった2℃で…:地球の気温上昇がもたらす環境災害
  • ねえねえ、なに見てる?

小学校高学年の部

  • ぼくの色、見つけた!
  • 森に帰らなかったカラス
  • マナティーがいた夏
  • とびたて!みんなのドラゴン:難病ALSの先生と日明小合唱部の冒険

中学校の部

  • わたしは食べるのが下手
  • スラムに水は流れない
  • 鳥居きみ子:家族とフィールドワークを進めた人類学者

高等学校の部

  • 銀河の図書室
  • 夜の日記
  • 「コーダ」のぼくが見る世界:聴こえない親のもとに生まれて

複数年で見ることで、選定の方針・方向性が見えてくるかもしれません。

まとめ

課題図書は読書指導の一環で、これを読むようにと選ばれた書籍です。

コンクールでは毎年異なるものが選ばれ、子どもたちを読書好きにさせ、健全な精神を養うことを目的としたものです。専門家が子どもたちの興味を引き、知識や感動を与えられる書籍を課題図書として公開しています。コンクールに限らず、これから本を選ぶ際に課題図書を参考にすると良いでしょう。