趣味で取った写真を作品集としてまとめたい人やイベントの記念で写真集を自費出版するケースは珍しくありません。しかし、写真集の自費出版にかかる費用の相場がわからず不安になる人は多いのではないでしょうか。本記事では写真集を自費出版する際にかかる費用や値段設定(定価設定)のコツなどを紹介します。

自費出版とは

自費出版とは自分で費用を負担して書籍を出版することです。自費出版はさまざまなジャンルで行われており、詩集や小説、絵本、写真集などが出されています。自費出版は出版社に依頼をして、サポートを受けながら本を完成させていくのが一般的です。販売方法は書店だけではなく、即売会やネット通販などで販売するケースもあります。

写真集の自費出版にはいくら必要?

写真集を自費出版するためにいくら必要になるのか、費用の相場を紹介します。

写真集の相場

自費出版で写真集を出す場合の相場は100部で20万円程度です。ただし、実際には出版社のサポート内容により費用は大きく変わります。たとえば、流通に乗せるところまで依頼する場合は、ある程度の部数が必要になり、在庫管理や広告宣伝費用が発生し100万円以上かかるケースもあります。反対に最低限のサポートのみであれば、10万円や20万円程度でも写真集100部を印刷することはできます。

費用の内訳

写真集を自費出版するのにかかる費用の主な内訳は以下の通りです。

  • 組版費用
  • 校正費用
  • 装丁デザイン費用
  • 印刷費用
  • 流通費用
  • 管理費用

それぞれの費用を合計したものが出版社から請求されます。出版社からのサポート内容によって内訳が変わるため注意しましょう。見積もりをもらう際には、ページ数・用紙サイズ・装丁・部数の希望をまとめた上で複数社に確認をとると良いでしょう。

安く写真集を作るには?

写真集をできるだけ安く作るためには以下の削減ポイントを意識しましょう。

  • オンデマンド印刷を選ぶ
  • 紙の質・サイズを下げる
  • 製本部数・ページ数を減らす
  • フォトブックにする

写真集を安く作るための削減ポイントを詳しく紹介します。

オンデマンド印刷を選ぶ

写真集の印刷方法を選ぶ際にはオフセット印刷ではなくオンデマンド印刷を選ぶことで費用を抑えられます。オフセット印刷とは版を作成して印刷する方式です。一方、オンデマンド印刷はデータを読み込んで印刷します。少部数の作品の場合、版を作成しない分だけオンデマンド印刷の方が安上がりです。

ただし、印刷部数が増える場合はオフセット印刷の方が安くなります。ラインとして200部以上印刷する場合はオフセット印刷の方が安くなる傾向があるため注意してください。

(通常は出版社が最良な方法を選定してくれます。)

紙の質・サイズを下げる

紙の質・サイズを下げることで費用を抑えられます。たとえば、紙は薄いものを選ぶことでコスト削減できるでしょう。サイズも小さいものにすれば、コストカットにつながります。

ただし、紙の質やサイズを下げることで写真集としての品質が落ちる点に注意しましょう。紙の質を落とすとキレイな写真を印刷できなくなります。また、サイズの小さな写真集は、写真の与える印象が変わってしまう点にも注意してください。

写真集としての質に影響が出ない範囲で紙の質やサイズを下げることを検討しましょう。

製本部数・ページ数を減らす

写真集を印刷する部数を必要最小限に減らすことで費用を削減できます。ただし、出版社に依頼する場合の最低部数が決まっていることが多いため注意しましょう。多くの場合は10冊からの出版に対応しています。

フォトブックにする

写真集ではなくフォトブックにするという選択肢があります。写真集とは写真を掲載することを目的とした作品集です。一方、フォトブックとは、個人が思い出の写真などをまとめるために作るものであり、オリジナルのアルバムといえます。フォトブックではコメントや加工を自由に施せるのが特徴です。

基本的にフォトブックの方が費用は安くなります。ただし、フォトブックは個人向けのものであり、作品として販売するのには不向きです。

写真集の値段設定(定価設定)は?

写真集の値段設定は原則ご自身で自由に行なえます。一般的に売られている写真集の相場は1,500円から4,000円程度です。ジャンルや本のサイズなどにより値段にはかなりの幅があります。

写真集の値段設定は2通り考えられ、一つは読者視点で妥当である価格、買いたいと思う価格をつけることです。2つ目は、費用を回収できることを重視する方法です。たとえば、原価が20万円の写真集を100部作り、売上分配金が50%の場合の販売価格は、「100部×販売価格×50%=200,000」で計算できます。この場合は、4,000円に設定すると、100部すべて売れた場合に費用を回収できるのです。

ただし、印刷したものがすべて売れる保証はないため、一部が売れ残ることを前提に値段設定をすると良いでしょう。

写真集の作り方

自費出版で写真集を作る主な流れは以下の通りです。

  1. 出版社に相談
  2. 出版社と契約
  3. 写真データ等の準備
  4. 写真等の受け渡し
  5. 組版・校正
  6. 装丁デザイン制作
  7. 印刷・製本
  8. 流通

出版社に相談をする前に写真データの準備を済ませているケースも多々あります。また、校正作業を自分で行うことで費用削減は可能です。完全データ入稿に対応している出版社であれば、自身で編集・校正をしたデータを用意することですぐに印刷できます。出版社によっては完成した自費出版本の流通までサポートしてくれます。

まとめ

写真集を自費出版する場合は20万円程度の費用がかかります。ただし、条件によって大きく費用は変わるため注意しましょう。本記事を参考にすれば、費用を抑えながら自費出版で写真集を出せます。