本の状態における乱丁や落丁とはどのような状態を指すのでしょうか。本記事では乱丁・落丁の意味や製本ミスが起きる理由、プレミアは付くのかについて説明します。

乱丁・落丁とは

乱丁とはページの順番が入れ替わっていて、正しいページ順になっていないことです。

落丁とは一部のページが脱落している状態を指します。途中のページが丸ごとなくなっているため、乱丁と同様に本としては不十分な状態です

なぜ乱丁・落丁となるのか

乱丁・落丁が起きるのは製本の過程の中でミスが原因です。

書籍の本文は、大きな用紙に対して16ページ分を印刷し、正しいページの順番になるように製本をすることで完成します。※4ページや8ページ、32ページ分を印刷するケースもあります

この大きな用紙を正しい順番通りに折り込むことを折丁と呼ぶのですが、この折丁を行う際に折り込む順番を間違えてしまうことで乱丁が起きます。

また、大きな用紙に印刷をする際に、特定のページの印刷が漏れてしまうことによって落丁が起きます。

現在では本の製造は機械化がされていて、通常はセンサーがついているため機械の設定さえしっかりとされていれば乱丁や落丁は起きないのですが、機械を動かしているのは人間のため、何かしらのヒューマンエラーが発生することがあり、それが乱丁や落丁に繋がります。

珍しいケースでは最後のページを綴じ込む時に紙をセットする時に上下反対でセットしてしまった結果、数ページ分が上下さかさまになったというケースもあります。

乱丁・落丁は交換できる?

書籍として問題のある乱丁・落丁ですが、乱丁・落丁をした本は交換してもらうことが可能です。交換の方法について見ていきましょう。

店舗で交換してもらう場合

店舗で購入した書籍に乱丁・落丁があった場合には、店頭へ持っていけば交換してもらえる可能性が高いです。

ただし、交換してもらうためには購入したことを証明するレシートが必要です。また、お店の中に在庫がない場合は、交換ができないため返金となる、もしくは取り寄せを行うため少し待つことになる可能性があります。

出版社に交換をしてもらう場合

乱丁・落丁があった書籍については出版社に直接連絡をして交換してもらうことが可能です。たとえば、書店に在庫がないケースや書店に足を運ぶことが難しいケースなどは、出版社に交換を頼むとよいでしょう。

ただし、出版社に乱丁・落丁本を交換してもらうには、郵送で本を送らなければいけません。手紙を添付して、乱丁・落丁しているため新品と交換してもらいたいという内容を記載しておけば対応してもらえます。

基本的に乱丁・落丁の交換であれば、送料は出版社が支払いますので、着払いで出版社に送付して問題ありません。また、封筒に「不良本在中」と記載しておくことで、出版社側で正常に処理されます。

他にはどんな製本ミスがあるの?

本が袋とじになっている、裁断しきれずに余計な紙が残っている、折れ曲がったままの状態で印刷されているといったケースがあります。落丁・乱丁以外にもさまざまな製本ミスのパターンがあり、いずれも書店・出版社による交換の対象です。

乱丁・落丁本にプレミアは付くの?

乱丁・落丁本にプレミアが付くケースがあります。たとえば、人気漫画の初版本に乱丁・落丁があったことで、定価の10倍以上の値段が付いたケースがあります。プレミア価値が付くかどうかは、その本に希少価値を見出す人がいるかどうかで決まります。1人でもプレミア価値を認める人がいれば高く売れる可能性があるでしょう。

ただし、基本的にプレミア価値が付くのは人気作家の本であり、特に初版本で乱丁・落丁があるケースです。

まとめ

乱丁・落丁とは、ページの順番が間違っているケースや一部のページが抜け落ちているケースを指します。乱丁・落丁を見つけたならば、書店・出版社で交換してもらいましょう。ただし、人気作家の初版本などで乱丁・落丁がある場合はプレミア価値が付くかもしれないので調べてみましょう。