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しかし、本というコンテンツは昔も今も変わらず、存在しています。

本と言えば、通常は出版社がその費用を全額負担して、本を世に出すのが通常の出版ですが、近年では自費出版と呼ばれる出版方法にも注目が集まっています。
ここでは、本の自費出版とは何なのか、自費出版のメリット、デメリットなどに触れて行きます。

この記事を読めば、本の自費出版に関する概要を理解することができるでしょう。
ぜひ、最後までご覧いただければと思います。

自費出版とは

自費出版とは、その書籍を出版するためにかかる費用を、著者が負担して出版する方法です。
商業出版のように、販売ルートが確立されておらず、販売部数の計画も不透明な出版方法なのですが、近年ではネット販売による流通量も増えており、以前と比較すると販売ルートが確保できないという不安要素を払拭できる環境が整っています。

自費出版のメリット

大きなメリットは、自由意志で本の出版ができることです。
自費であるため、外部の考えや、出版社側のしがらみを検討する必要がなく、自分が出版したいように、本を世に出すことができます。

自費出版のデメリット

自費出版を実施する上でのデメリットにはいくつかあります。
例えば、出版にかかる費用は全額自己負担になり、その負担は小さくありません。
さらに販売促進は自力で行わなければなりません。
ただ、今は販売促進としてツイッターや、インスタグラムといったSNSを活用し、販売促進を行うことが可能なので、一昔前と比べれば、本を売りやすくなったとも言えます。

自費出版の費用

自費出版で本を作る時にかかる費用には、どんなものがあるのでしょうか。
ここでは、自費出版の内訳や、その相場について解説します。

出版に必要な内訳

自費出版にかかる費用の内訳は、以下のとおりです。

  • 企画費
  • 編集費
  • ライティング費
  • 撮影費
  • デザイン費
  • 校閲費
  • 印刷費
  • 用紙費

以上が自費出版でかかる費用の内訳です。
思った以上にコストの内訳が多いと見る方も多いのではないでしょうか。

一冊の本を出版するためには、これらのコストがかかりますが、突き詰めて考えると、人件費がそのほとんどを占めています。
企画費、編集費、ライティング費、写真撮影費、デザイン費、校閲費などは、人が行うことなので、人件費に分類されます。

自費出版で本を安く作りたい場合は、企画、編集、ライティング、写真撮影、デザイン、校閲の内、できる範囲で自分が担当するか、あるいはクラウドソーシングを使用するということも考える必要があるでしょう。

相場費用

自費出版にかかる費用は、100万円〜200万円程度です。
さらに、書店への流通を前提とすると、追加で数十万円かかります。
安価なサービスでは10万円台、20万円台で利用できるサービスも登場しています。

自費出版のやり方

自費出版の場合、どのような流れで、本が制作されるのでしょうか。
ここでは、自費出版の制作の流れを紹介します。

出版社に相談

最初にやる事は、自費出版を事業としている出版社に相談することです。
ここで、どのような本を出版したいのか、あるいは、自身で制作した企画書を提示して、本の概要について共有します。

執筆

出版社側の編集担当と、本の内容を調整したら、実際の本の執筆に入ります。

編集

原稿の執筆が終わったら編集・校閲に入ります。
文章の表現が適切かどうか、誤記や脱字がないかなどをチェックします。
できれば原稿を書いた人とは別の人が行うと良いですが、費用の関係上、コストダウンさせたい場合、原稿を書いた本人が担当します。

デザインの作成

本文ページのレイアウト、表紙のデザインや、挿絵の検討なども同時に進めます。

校正

組版の済んだデータに対し、文字組みのズレがないかや作業ミスの確認をします。

印刷・製本

最終校正が終わったら、実際に本を印刷する段階に入ります。
全ページが印刷され、製本されていきます。

発売

最後に本の発売です。
取次店を経由し各書店へ流通させます。
また、SNSを利用して本の宣伝を行うこともできるでしょう。
流通を目的としない本の場合、著者の手元に書籍が郵送されます。

出版会社の選び方

自費出版を行う時には、会社の選び方があります。
ここでは、出版会社の選び方について解説していきます。

出版ジャンル

その会社の出版実績を調査し、自分が販売したいジャンルの本について詳しいか事前に確認しておくことが重要です。

信用性

出版社が信用できるかどうかも重要です。
過去の出版物をリサーチし、その出版社が信用にあたるか、よく確認しておきましょう。

費用

抑えられるコストは抑えたいと考えるでしょう。
相見積もりをとり、複数の会社に見積もりを算出してもらいましょう。

対応

本を1本作るには、先に述べたように、さまざまな工程があります。
そのため、円滑なコミュニケーションが取れるかを企画を相談した段階で判断する必要があります。

サービス内容

自費出版を行う上で、含まれるサービス内容を確認することが大切です。
相見積もりを取る際に、どういったサービスがその出版社から受けられるのかを率直に確認しておくことが大事です。

電子出版も選べる

本の出版としては、近年は電子出版を行うという方法もあります。
ここでは、電子出版のメリット、デメリットについて解説します。

電子出版にするメリット

電子出版を行うメリットは以下のことがあげられます。
・紙に印刷しなくて済むので、用紙代、印刷費が浮く。
・在庫を抱える必要がないので、在庫管理費を削れる。
・インターネットでダウンロードすれば、すぐに読むことができる

電子出版にするデメリット

電子出版のデメリットには以下のことがあげられます。
・書店に並べて置くことができないので、読者の目に入りにくい。
・電子書籍を読むことができるタブレットなどのデバイスを扱えない高齢の方には、読んでいただけないケースもありえる。

自費出版すると印税はどうなる?

自費出版の印税は、契約により大きく上下します。
(自費出版においては、売り上げに応じ著者に支払いされるお金を「売上分配金・売上金」と呼びますが、ここでは印税と表記しています。)
契約の内容により、印税は10〜50%と幅広く設定されます。
自費出版では印税、正式には著作物利用料として支払う性質はなく、本の売上から配送費や管理費用、書店等の取り分を除いた金額を著者へ支払います。
このため、定価の設定次第で印税に幅が出るため契約次第で大きく上下します。

簡易な計算例を挙げると、売上から本の配送費を差し引いて著者に支払うとした場合、配送費は一律200円とし、本の定価が500円の場合と1000円の場合では、残るお金は300円(60%)・800円(80%)と差が出ます。
※実際の本の取引では、取次や書店等の費用も差し引きます。

出版社以外に製本ができるところ

出版社以外でも印刷会社に依頼し本を作る方法や、アマゾンPODを代表とする個人でデータを揃えて販売する方法もあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
ここまで、自費出版とは何か、そのメリットやデメリットは何なのかを解説してきました。
この記事のポイントを整理すると以下の通りです。

  • 自費出版とは、その書籍を出版するためにかかる費用を、自分で負担して出版する方法。
  • 自費出版のメリットは、自由意志で本の出版ができること。
  • 自費出版の相場は、100万円〜200万円程度。
  • 自費出版の場合の印税は契約の内容にもよりますが10〜50%程度。

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。