自費出版の言葉の定義

皆さんは、自費出版と商業出版の違いをご存知でしょうか。

自費出版は、著者が自分で出版に関する費用を全て負担して、出版社に本の製作を依頼して、出版する出版形式です。

出版するためには、編集、校正、デザイン、組版、印刷、流通、在庫管理といった費用が必要となりますが、この全てを著者が自ら負担します。

商業出版の言葉の定義

一方で、商業出版という出版形式は、出版社が出版にかかる費用を全て負担する出版形式です。

商業出版の場合は、出版社が本の製作目的、内容、ターゲット層(どんな人に売ることを目指しているのか)を検討し、その企画に基づいて進める出版形式です。

原稿を書くためには、正しい内容やイメージを掴むため取材をするケースがありますが、商業出版の場合は、取材にかかった費用(旅費など)も出版社が負担する場合があります。

どこが違うのか

自費出版と商業出版の大きな違いは3点あります。

1点目は、費用負担です。自費出版は著者が全額負担するのに対して、商業出版は出版社が全額負担します。

2点目は、原稿の内容です。自費出版は、いわば著者が出版社にとってのお客さんとなるため、著者の思い通りに原稿を制作することが出来ます。(当然ながら、テーマを限定して引き受けている自費出版会社もあります。)一方で、商業出版は出版社の思いを強く反映し原稿を作成する必要があるため、著者が書いた原稿の内容に対して修正指示が入ることが多々あります。

3点目は、広告・宣伝です。自費出版の場合は、出版社は本の製作・流通を主に担当するため(広告・宣伝を有償で行ってくれる場合もあり)、著者が自ら本の知名度を上げるための宣伝を行う必要があります。商業出版の場合は、出版社が本を売るための広告・宣伝を行います。

商業出版は、出版社側に出版までの負担が大きく、本が売れない現代では、出版社にとって商業出版をすることには慎重にならざるを得ません。

一定程度の売上を上げるためには、過去に何らかの賞をとった経験のある方や、著名な方、Youtuberやインフルエンサーなど多くの人に影響力を与えることが出来る方など、著者自身に販促力を持つ方に依頼をすることが重要な要素となっているようです。

まとめ

商業出版の形態で依頼を受け、本を執筆することができれば良いですが、自費出版でも読者に本を届けることはできます。

何より、自費出版は商業出版に比べて原稿の自由度が高いため、メッセージ性が強い作品ほど、自費出版が最適だとも言えるでしょう。

現代では、1人1人に情報を伝える手段が多岐にわたっているため、紙の書籍が全てではありません。言い換えると著者自身が広報宣伝を行って本の認知度を上げる方法もあるということです。

本を執筆することを検討している方、原稿を既に書き始めている方、自費出版の選択肢を、是非とも考えてみて下さい。