論文を執筆していて出版したいと考えている方がいるかもしれません。それでは、論文を自費出版できるのでしょうか。本記事では論文を自費出版する流れや費用について紹介します。

自費出版とは

自費出版とは自己で費用を負担して出版することです。出版のために必要な工程はすべて自分で手配をして費用を負担します。ただし、実際の自費出版では出版社と契約をして、さまざまなサポートを受けながら出版を目指すケースが大半でしょう。自費出版サポートを展開している出版社はたくさんあります。

論文も自費出版できるの?

自費出版はあらゆるジャンルに対応しています。そのため、論文を自費出版することは可能です。ご自身の実績として論文を出版物の形にするケースや大学などの講義の教科書として使うために自費出版するケースは多いです。

出版費用はどれくらい?

自費出版にはどのくらいの費用がかかるのか説明します。

費用の相場

自費出版にかかる費用は依頼する出版社や出版物のページ数・部数、本のサイズなどによって大きく異なります。一般的な目安としては、モノクロ印刷でソフトカバーの本を100ページ・100部で自費出版する場合は約15万円かかるでしょう。ハードカバーでカラー印刷をするといったケースでは費用が高くなります。

出版費用が無い場合は?

論文の自費出版については、費用負担なく出版する方法があります。

たとえば、科学研究費助成事業制度の利用です。科研費に採択されれば、費用を獲得できます。研究成果の公開を目的として論文を自費出版する費用を賄えるのです。

また、出版社の中には教科書用書籍の制作をサポートしているケースがあります。大学や専門学校の先生のためにテキストを無料で出版できるサービスです。出版社が出版費用を負担し、販売収入は書店へのマージンや出版費用、著者への支払いに充当されます。ただし、これらのサポートでも売れ残りが生じると著者の買い取りになる場合があるため注意してください。

出版までの流れ

論文を自費出版する流れをまとめると以下の通りです。

  1. 相談
  2. 契約
  3. 執筆・入稿
  4. 校正・編集
  5. 印刷・製本
  6. 流通・販売

まずは出版社に相談をしましょう。費用やサポート内容など細かな条件を話し合い、納得できたならば契約します。契約後は出版物の執筆を行い、指定された通りに入稿しましょう。

入稿後は校正と編集の作業が行われます。誤字脱字などの修正を行い、レイアウトなどを決めていきます。最終チェックをして問題がなければ、印刷と製本が行われ、完成物が納品されるという流れです。

出版社の中には書店への流通や販売までサポートしている会社もあります。

論文の自費出版は出版社選びが重要

論文を自費出版する際には出版社の選び方が重要になります。その理由を詳しく説明しましょう。

重要な理由

論文は専門的な内容が多く含まれるため、校正や編集にも専門知識や経験が必要になります。これまでに専門書の出版に対応したことのある出版社でないと、正しく校正や編集ができない可能性があります。そのため、論文の出版に関して専門的な知識と実績のある出版社を選びましょう。そうすれば、質の高い自費出版物を完成できます。

※専門性の高い出版社は同時に費用が高額になるため、ご自身で十分な推敲をし安価なサービスを利用するかはケース次第です。

作った自費出版は書店で販売もできる?

自費出版で作った本を書店で販売できます。自分の成果を本としてまとめて、書店やネット通販などに流通させられるのです。

書店への流通までサポートしてくれる自費出版はたくさんあります。出版社が自費出版本を書店に並べられるように手配してくれます。ネット通販サイト(アマゾンや楽天市場など)で販売できるようにサポートしてくれる出版社もあります。出版社に依頼すれば、ご自身が何かすることなく書店への流通を実現できるでしょう。

自費出版は少数印刷も可能

自費出版は少数部数の印刷も可能です。たとえば、教科書で使う場合は、講義の受講者の人数だけ印刷したいというケースがあります。基本的に自費出版は1冊からでも印刷できます。

ただし、出版社によって、自費出版の最低部数が決まっている場合があるため注意しましょう。自費出版に1冊から対応できるのか事前に確認しておくことをおすすめします。

また、少数部数だと1冊あたりのコストが高くなる点も留意しましょう。

まとめ

論文を自費出版で書籍の形にまとめることは可能です。教科書の作成を無料で対応している出版社もあります。論文を自費出版したい方は出版社に相談してみましょう。