自費出版を流通させるために必要なこと

自費出版によって発行した本は、通常は出版社を通じて市場に出回ることとなります。本が流通する方法としては、主に「取次店」という書店への流通を支援する中間業者を通じた全国の書店への配本、書店から出版社への直接の注文による販売、Amazonなどのインターネットを通じた販売方法があります。

今回は、このうち「Amazonなどのインターネットを通じた販売方法」について取り上げます。

そもそも、日本で発行される全ての書籍は、「ISBNコード(国際標準図版記号)」という出版する本を特定するための記号のようなものを付与することで、はじめて流通させることが出来ます。

日本は、このISBNコードに図書分類と価格表記を付加した日本独自の「日本図書コード」、これをバーコードで読み取ることができるようにした書籍JANコードを用いることが通常です。

こうして流通可能になった本を、インターネットを通じて販売するためには、一体どのような方法が考えられるでしょうか。

自費出版をネットで販売する方法とは

Amazonなどのネット書店を通じた販売方法

Amazonなどのネット書店に販売する本を登録し、必要に応じて書籍を在庫として送り、ネット書店に任せる方法です。

近年は、実店舗での売上は減少傾向ですが、Amazonなどのネット通販を通じた本の売上は上がっております。

ネット書店を通じた販売の良いところは、少ない部数からでも取り扱いが可能であり、販売や売上などをAmazonのシステム上で容易に管理することができます。

また、完成した書籍の電子書籍版を作成することで、電子書籍派のユーザーにも読んでもらえる可能性があるなど、多くのメリットがあります。

自ら直接販売する方法

ネット通販の発展に際して、本に限らず様々な製品が、販売代理店を介さず、作り手が直接販売する形態が主流になりつつあります。

SNSなどで書籍を宣伝するなど、販促が必須にはなりますが、自らネットショップを開業して、そのサイトを通じて書籍を販売するという方法もあります。

例えば、BASEやSTORES.jpといったネットショップ作成ツールを通じて販売することができます。この場合は、商品となる書籍の発送、問い合わせ対応などを自ら行う必要があるため、作業が増えるものの、これらの作成ツールでは、カード、銀行振込、コンビニ支払い、後払い、PayPalなどの決済方法を活用することができます。

SNSのみで販売する際は、決済方法が限られたり、顧客との信頼関係ありきで取引を行う必要が合ったりしたため、敷居が高く感じている方もいたかと思いますが、このようなサイトを活用することで、誰しもが興味のあるものを安心して直接販売することが出来るようになりました。

まとめ

ネットを通じた本の販売は、書店への配本に比べて敷居が低いのが特徴となっております。Amazonのようなネット書店への販売をサポートしている出版社も多くありますので、自費出版を検討する際には、流通の観点からも考えてみて下さい。

また、自ら手間をかけることが出来るのであれば、思い切って自らネットショップを開くのも手です。本だけではなく、様々なものを販売することが出来ますので、本に関連する商品をセットで販売するなど、売り込み方の幅が広がるかと思います。

自費出版から出版する際には、どうしても本を仕上げることに着目しがちですが、本が売れるには、販路が必要となります。皆さんが作った本を多くの方に読んでもらうために、本ができあがった後のこともぜひ考えてみてはいかがでしょうか。