本を作る際の製本方法の1つが平綴じ製本です。それでは平綴じ製本にはどのようなメリットがあるのでしょうか。中綴じ製本との違いも含めて紹介します。

平綴じ製本とは

平綴じ製本とは、ページの端から5mm程度の部分を綴る形式です。針金を用いて綴るケースが多いことからホッチキス留めとも呼ばれます。ただし、糸を用いて綴る場合も呼び方は平綴じです。

平綴じ製本のメリット

平綴じ製本のメリットを詳しく紹介します。

製本しやすい

平綴じ製本は製本しやすい点がメリットです。簡易的な作りであり、安く発注することができます。また、手作りでも簡単に製本できるのが特徴です。たとえば、学校や仕事などで冊子を作る際には平綴じ製本を選ぶと簡単に作業を進められます。

ページ数が少なくても製本可能

平綴じ製本は少数ページの冊子でも製本できるのが特徴です。ページ数が2の倍数であれば製本できます。最小は4ページから平綴じ製本が可能です。

平綴じ製本のデメリット

平綴じ製本を選ぶデメリットを紹介します。

見開き部分が読みにくい

平綴じ製本は見開きにした場合に、綴じ代付近を読みにくい点がデメリットです。平綴じ製本の構造上の問題で見開きにしても本が平らになりません。また、厚い紙やコシのある紙を用いている場合はより開きにくくなります。

ページ数が多いと製本しにくい

平綴じ製本はページ数が多くなると綴るのが難しくなるため製本しにくくなります。目安としては薄い用紙で80ページ程度、厚い用紙で60ページ程度までと考えましょう。ただし、業務用のホッチキスを用いる場合は、300ページ程度を綴ることも可能です。

平綴じと中綴じの違いは?

平綴じの他に中綴じという製本方法があります。平綴じと中綴じは何が異なるのか紹介します。

中綴じとは

中綴じとは用紙を重ねて中心から二つ折りにして、折った部分を綴る方法です。一般的にはステープル(針金)を打ち込む形で閉じます。そのため、中綴じは針金綴じという呼び方もされます。比較的ページ数の少ない小冊子や週刊誌、カタログなどに採用されることが多いです。

中綴じで糸が使われる場合はミシンを用いるため、ミシン綴じと呼ばれます。たとえば、絵本やノートなどはミシン綴じが多いです。

平綴じとの違い

中綴じは平綴じとは異なり見開きで見やすくなるのが大きな特徴です。ページの綴じ代の奥部分まで開くことができ、開いた状態をキープすることもできます。たとえば、商品カタログなど見開きにする機会が多い場合は中綴じが最適です。

また、中綴じはページ数が4の倍数になります。そのため、平綴じよりもページ数について制約がある点はデメリットです。

(4の倍数で印刷データが仕上がらない場合、真っ白なページを含める必要が出るためです。)

平綴じと中綴じの選び方

簡易的な冊子や手作りの冊子であれば製本しやすい平綴じがおすすめです。ホッチキスを使えば誰でも作れます。

見開きにしたい場合には中綴じがおすすめです。写真やイラストを見開きのレイアウトにするならば中綴じを選びましょう。

平綴じに適した内容

平綴じに適している本の種類は会議資料や社内マニュアルなどです。平綴じを選ぶことで製本のコストを抑えることができます。業務用ホッチキスを用いれば、ページ数の多い冊子にも対応可能です。

平綴じの方法

平綴じは、両面印刷した用紙の背で揃え、端から5mmほどの部分をホッチキスでとめます。

表紙をつけた平綴じにする場合には、ホチキス綴じをした用紙の背表紙部分とホチキスをとめた部分に接着剤をつけ、表紙紙でくるみます。

無線綴じとは

無線とじとは本文が印刷された用紙を表紙でくるんで、背表紙の部分を接着糊で綴る方法です。本文の背に糊を用いて表紙と接着するため、糸や針で綴るときのように線が出ません。そのため、無線綴じと呼ばれています。

無線綴じは仕上がりが丈夫な点がメリットです。長期保存したい書籍に向いています。ページ数の多い作品にも対応可能です。ただし、少ないページ数では製本が難しくなります。

まとめ

平綴じ製本は安いコストで製本できる方法であり、ページ数が少なくても製本可能な点がメリットです。ただし、見開きだと読みにくく、ページ数が多いと製本しにくい点に注意しましょう。それぞれの製本方法の違いを理解しておくことが大切です。