商業施設の種類の1つとして複合店というものがあります。本記事では複合店のメリットや出版業界への影響などについて紹介します。
複合店とは
複合店とは、1つの店舗の中で異なるジャンルの商品を販売するお店のことです。たとえば、書店が本業の店舗に、カフェが併設していたり、雑貨店が併設されているケースです。
昨今は複合店化を容易にするフランチャイズも増え、加盟することで、他業種のノウハウを容易に取り入れ複合店を始められます。
複合店のメリット
経営視点で複合店のメリットは、売上増減のリスクを分散できる点です。既存事業の売上が低迷していたとしても、新規事業の売上が安定していれば補うことができます。上手くいけば両方の事業が成功して多くの利益を得られるチャンスもあります。
また、施設内に存在するデッドスペースの有効利用ができる点もメリットです。特に施設のスペースが広い場合はデッドスペースが生じやすくなります。デッドスペースを活用して新規に別業種の商売を始めることで、デッドスペースをなくすことが可能です。
複数の業種を展開することによって、認知度を高められる点もメリットといえます。たとえば、単に書店として営業しているだけでは書店に日常的に通う人にしか知られないです。書店にカフェを併設する場合は、カフェが好きな人にもアピールすることができます。
(ついで買いを促す効果も期待できます。)
複合店は客層の多様化を促す点もメリットです。異なる年齢層にアピールできる店舗を併設することで、若者から高齢者まで多様な客層を取り込むことができます。
複合型書店の種類
書店が複合店として営業しているケースは多いです。複合型書店にはさまざまなタイプがあり、成功例は多くあります。
たとえば、蔦屋書店は書店とカフェが一体となった複合型書店を展開して話題になりました。購入する前の本をコーヒーを飲みながら自由に閲覧できます。店内にたくさんの椅子やソファーが設置されていて、リラックスしながら本を読み、購入するかどうか判断できるのが特徴です。
スーパーマーケットの中に書籍売り場が設置されているケースはよくあります。スーパーで買い物をしたついでに立ち寄りやすいです。
書店と衣服店が併設している複合型書店もあります。書店と衣服店のスペースがつながっていて、独特な光景です。
他にも複合型書店にはさまざまなバリエーションがあり、出版業界を支える存在として期待されています。
出版業界の現状と複合型書店の可能性
出版業界は売上が右肩下がりの状況が続いています。通販が普及し、わざわざ書店で本を買うお客さんが減っているのが現状です。そんな中で複合型書店は注目されています。複合型書店であれば、違う業態のお店を訪れるついでに書店へ立ち寄れるため、集客が期待できます。書店に自然に足を運んでもらうことができるため、複合型書店は出版業界・書店にとっての新しい形として期待されています。
まとめ
異なる業態のお店を1つの施設内で展開する複合店は昔から多くありました。最近は複合型書店が増えており、出版業界を救う存在として話題です。今後の複合型書店には注目です。