本記事では書籍JANコードの目的や意味について紹介します。

書籍JANコードとは

書籍JANコードとは、書籍の裏表紙に印刷された2段のバーコードを指します。これは出版物一つひとつに設定されるISBN(国際標準図書番号)とその出版物のジャンルや定価を示すコードのそれぞれをバーコードにしています。

(それぞれ本来は数字の羅列です。)

JANコードという仕組みは、書籍に限ったものではなく、国内で広く流通するバーコードの仕組みであり、出版業界の場合、出版社は「一般財団法人流通システム開発センター」へ申請し許可を得て、このJANコードを発行しています。

書籍JANコードの目的、用途

書籍JANコードは店舗で売上の管理や商品の在庫の管理をするために使われます。本の裏表紙に二段組で表示されているバーコードを読み取ることでシステムに書籍に関するデータが記録され、管理しやすくなります。

たとえば、取次は書籍JANコードを用いることで新刊の送品から注文品の処理、返品処理まですべて自動読み取りで管理しているのが特徴です。書店ではPOSシステムや返品処理、棚卸しなどに書籍JANコードが活用されています。

書籍JANコードの意味

書籍JANコードは二段組のバーコードで構成されていて、それぞれのバーコードの意味は異なります。一段目(上段)のバーコードは国際標準コードであるISBN用のバーコードです。二段目には、日本独自の図書分類(Cコードとも呼ばれます)に加えて税抜きの本体価格が表示されています。

書籍JANコードの申請時期は?

書籍JANコードを管理しているのは流通システム開発センターです。また、申請など窓口業務については日本図書コード管理センターが代行しています。申請の際には書籍の売上高に応じた登録料を支払わなければいけません。1万円~10万円程度となっています。また、申請した後も3年毎に更新の手続きが必要になります。

また、書籍JANコードはISBNを用いて作成するもののため、事前にISBNの取得も必要です。ISBNの取得についても日本図書コード管理センターで手続きを進めることができます。ISBNコードを取得するためには8,800円~の費用がかかります。

自費出版本や同人誌にも書籍JANコードは必要?

日本で新刊として流通させるためには必ず書籍JANコードを取得しなければいけません。取次や書店では書籍JANコードを用いて書籍を管理しているからです。日本では新刊の本のほぼ100%がバーコードを表示しています。書籍JANコードを取得していない本は基本的に取り扱ってもらえないと考えましょう。

電子書籍にも書籍JANコードは必要?

原則不要です。
電子書籍についても書籍JANコードを付けるケースはあります。たとえば、紙の書籍と電子書籍を同時に出版するケースです。しかし、多くの電子書籍には独自のコードが発行されています。そのため、書籍JANコードがなくても電子書籍の情報を管理することは可能です。(独自のコードとは、電子書籍配信スタンドが定める独自のコードを指します。)

もし、電子書籍のみ出版する場合は、書籍JANコードを取得する必要はありません。電子書籍は、データのフォーマットごとに別々のISBNを設定します。異なる電子書籍配信スタンドで配信する場合も、それぞれのストアごとにISBNを分けます。

実際には非常に手間がかかるため、電子書籍ではISBNや書籍JANコードをつけないケースが多いです。

ISBNコードとの違い

ISBNコードとは世界共通で書籍を管理するために使用されている番号です。日本では1981年から書籍にISBNコードが使われるようになりました。ISBNコードから国や出版社、書籍のタイトルまで特定できます。

書籍JANコードとはISBNコードに販売対象や書籍形態、ジャンルの分類、価格を加えたものをバーコード化したものです。そのため、書籍JANコードの中には必ずISBNコードが含まれています。ISBNコードだけでは本の管理に不十分なため、別の情報も加えて、さらにバーコード化して管理しやすくしたものが書籍JANコードです。

まとめ

取次や書店が本を管理するために使われているのが書籍JANコードです。書籍の流通を考えるなら、書籍JANコードの取得が必要になります。ただし、電子書籍では必ずしも書籍JANコードは必要ありません。