書店の中には自動発注のシステムを取り入れている店舗があります。書店において必ず発生する発注という業務を自動化できるのが自動発注です。本記事では自動発注を取り入れるメリットや何が変わるのかについて紹介します。
自動発注とは
自動発注とは在庫をチェックして、不足する在庫を補充するために発注するまでの作業をシステムで自動化することです。人手不足に陥っている書店は多く、在庫をチェックして補充するという作業に割く余裕のない店舗が多くあります。そこで、自動発注を取り入れることで、在庫を補充する作業を自動化させて、品切れを防ぐことが可能です。
書店において自動発注は20年以上前からすでに導入が進められています。自動発注のシステムを開発する会社はたくさんあり、システムを導入することで簡単に自動発注を実現することが可能です。
自動発注のメリット
書店は自動発注を取り入れることで品切れを防ぐことができるのが大きなメリットです。特に中小零細書店においては売れ筋の書籍を切らさないことは重要になります。中小零細書店では人員が不足しているため、在庫のチェックの作業をしっかりと行えないケースが多いです。売れ筋の書籍が品切れになっていれば、販売機会を損失することになり、お店にとっては大きな損失になるでしょう。自動発注を取り入れることで、人気の高い書籍を常に棚に並べておくことができて、販売機会を逃さないで済みます。
また、書店が自動発注を取り入れることは出版社にとってもメリットが大きいです。書店が自動発注を取り入れることで、出版社は書店と受発注のやり取りをする負担を軽減できます。自動発注によって書店から売れ筋の書籍の発注が行われれば、人気の高い書籍を販売できるチャンスが生まれて、最終的に双方売り上げ増が期待できる点がメリットです。
自動発注の仕組み
自動発注のシステムではPOSシステムと連動させることで書店の在庫状況をチェックします。POSシステムは単品管理ができるため、それぞれの書籍ごとに正確に在庫状況を把握することが可能です。POSシステムから得られたPOSデータを自動発注システムが管理して、在庫が不足していれば自動で発注をします。
また、近年はデータとAIを活用することで需要予測を行い、発注をするシステムが注目されています。AIによって、書籍の需要を予測して、適正な部数や品揃えを算出することが可能です。IoTによって、各書店のあらゆるものを見える化し、AIがデータを分析して予測し、自動発注を進めます。
自動発注システムで需要予測まで行うことができれば、最終的に書籍の返品率を引き下げられるでしょう。実際に書店においてAIを活用したシステムの導入は進められています。
書店における自動発注の必要性
自動発注システムを取り入れれば、データを基にして書籍の在庫発注ができるようになります。売れて在庫が減った人気書籍を効率的に都度発注できるようになるため、欠品も注文し過ぎも防げるでしょう。書店のキャラクター(独自性)視点では一長一短な部分もありますが、需要の高い書籍を適宜補充し、販売することで、返品数を減らすことにもつながります。
日本の出版業界では一般的に書籍の返品率が4割程度と高い数字になっているのが大きな問題です。返品率が高いと不稼働在庫の問題、返送にかかる輸送費の問題だけでなく、流通網の維持そのものにも問題です。出版業界全体に大きな影響を及ぼしているため、返品率を引き下げることが出版業界にとっての大きな課題です。自動発注のシステムを上手く活用して適切な部数を自動発注できるようになれば、返品率を減らして、物流問題を解決できるでしょう。
まとめ
書店の人手不足を解消し、販売機会の損失を防ぐなど自動発注を導入することは大きなメリットがあります。自動発注によって返品率が下がることで出版業界全体に大きな利益をもたらすでしょう。