書店で本を陳列する方法の1つに多面陳列があります。多面陳列はさまざまな効果を期待できるため、重要な陳列方法の1つです。本記事では多面陳列のメリットやその他の陳列方法について詳しく紹介します。  

多面陳列とは

多面陳列とは、1つの商品をいくつかの面で見せて展示する方法です。たとえば、書籍の表と裏、背表紙、さらに中身の紙面を開いて見せて陳列します。これは多面陳列の一例です。1つの本の複数面を見せて展示する多面陳列は、書棚の中では圧倒的に目立つ存在となり、プレミアム感を演出できます。  

多面陳列の目的・効果

多面陳列は主に新刊や書店が売り出したい本で採用される陳列方法です。多面陳列をすることで、売り出し中の本であるとアピールすることができ、売れ行きを良くする効果が期待できます。
また、多面陳列によって書店のこだわりを演出する効果もあります。芸術作品を展示するかのように陳列することで、本に対するこだわりの強さをアピールできるでしょう。

陳列方法は誰が決めるのか?

本の陳列方法を決めるのは書店の売り場担当です。(当然、例外はあります。)
担当者がさまざまな工夫を凝らして、購買意欲を高める陳列を行います。そのため、陳列方法には売り場担当の個性が反映されるものです。書店員にとって陳列棚づくりは重要なスキルといえます。魅力的な陳列を実現できれば、多くの人の目に留まり、実際に本を購入してもらえる可能性が高まるからです。
ただし、出版社やチェーン書店本部の意向によって陳列が決まるケースもあります。書店によっては売り場担当の裁量が限定的なケースがあるそうです。  

他の陳列方法には何があるか?

多面陳列以外にもさまざまな陳列方法があります。書店における主な陳列方法を以下にまとめました。  

  • 平積み
  • 棚差し
  • 面陳列
  • 複数箇所陳列

それぞれの陳列方法について詳しく補足します。

平積み

平積みとは表紙を上に向けた状態で本を積み上げて陳列する方法です。書店でよく見られる陳列方法であり、表紙や帯が目立ちます。売り出したい本については平積みで並べられるケースが多いです。書店の目立つ場所に平積みで陳列されるケースが多く、手に取ってもらいやすい陳列方法といえます。  

棚差し

棚差しとは、棚の中に入れて、本の背表紙のみが見える状態で陳列する方法です。少部数であまり入荷していない本は棚差しで陳列されます。棚から出さないと本の表紙や帯などを確認できない点が棚差しのデメリットです。優先度の低い本は棚差しされる傾向にあります。  

面陳列

面陳列とは本棚に表紙を見せる形で立てて陳列する方法です。平積みとの違いは、面陳列の場合は多くの部数を並べられない点であり、少数部数のみ置かれる(または「並べられる」)点です。面陳列のメリットは人の目線の高さで表紙を見せることができる点です。面陳列を上手く活用すれば本が目立つため、書店が売り出したい本を面陳列するケースはよくあります。  

複数箇所陳列

複数箇所陳列とは、書店の複数の場所に陳列することです。書店内の目につく場所を複数選んで売り出したい本を陳列します。そうすれば、多くの人が自然と目にするため、手に取る可能性は高まるでしょう。新刊やベストセラー本などは複数箇所陳列が選ばれるケースが多いです。  

まとめ

書店は多面陳列をはじめとして多くの陳列方法を用いて本をアピールしています。多面陳列であれば1つの本について表や裏などさまざまな面を見せて興味を持たせられるのがメリットです。他の陳列方法にもそれぞれメリットがあるため、違いを理解しておきましょう。