図書館で活用される図書の分類法が日本十進分類法です。図書館の本を見たときに、どのような分類がされているのか気になった方は多いでしょう。本記事では日本十進分類法について紹介します。

日本十進分類法とは

日本十進分類法とは、日本の図書館で用いられている図書分類法です。基本は1~9の数字によって分類しています。また、どの区分にも当てはまらないものは0として分類しているのが特徴です。0~9の数字をさらに0~9に分けていき細分化していくことで、たくさんの書籍を分類できます。

日本十進分類法の仕組み

日本十進分類法には全部で3つの区分が存在しています。一番大きな区分は第1次区分であり「類」です。第2次区分は「網」、3次区分は「目」です。

それぞれの項目について紹介します。

日本十進分類法の類目(第1次区分)

日本十進分類法は図書を0から9までのアラビア数字を用いて全部で10の項目に分類したものです。

日本十進分類法は以下のようになっています。

  • 0 総記
  • 1 哲学・宗教
  • 2 歴史・地理
  • 3 社会科学
  • 4 自然科学
  • 5 技術、家庭、工業
  • 6 産業
  • 7 芸術、体育
  • 8 言語
  • 9 文学

上記のような分類方法を見たことのある方は多いでしょう。

日本十進分類法の綱目(第2・3次区分)

第2次区分である「網」は、第1次区分のそれぞれについて詳細に分けたものを指します。

たとえば、4の自然科学については、以下の9つの「網」によって区分するのが一般的です。

  • 410 数学
  • 420 物理学
  • 430 化学
  • 440 天文学
  • 450 地球科学
  • 460 生物科学
  • 470 植物学
  • 480 動物学
  • 490 医学

また、410の数学については、さらに「目」として以下のように区分されます。

  • 411 代数学
  • 412 数論
  • 413 解析学
  • 414 幾何学
  • 415 位相数学
  • 416
  • 417 確率論、数理統計学
  • 418 計算法
  • 419 和算、中国三方

他の類についても上記のように分類が細分化されます。

日本十進分類法の小数点

日本十進分類法では第3次区分よりも細かく分類するために小数点が用いられるケースがあります。たとえば、日本の近代小説は「913.6」です。「913.6」の読み方は「キュウイチサンテンロク」であり、数値として読むのは誤りとされています。

書架分類と書誌分類について

書架分類と書誌分類という分類方法があります。それぞれの分類形式について意味を紹介します。

書架分類とは

書架分類とは本棚を分類するための形式のことです。書架分類には日本十進分類法などを含みます。簡潔で識別しやすいことが求められます。簡略的な分類方法であり、単一の資料に対しては1つの分類記号しか割り当てられないのが特徴です。19世紀後半から公共図書館によって普及しました。

書誌分類とは

書誌分類とはパソコンでの管理、システムでの管理における書誌の分類方法です。データベース上で扱う分類方法のため、分類記号が長くなっても問題ありません。分類法によっては、1つの資料に複数の分類記号が与えられるケースもあります。

図書館によって異なる書架分類

図書館によって書架分類の方法には違いがあります。たとえば、「宗教の歴史」という本であれば、「宗教」に分類するケースと「歴史」に分類するケースです。すべての本を正確に分類することは書架分類では難しいため、図書館によって異なる分類記号が割り当てられるケースが出てきます。

日本十進分類法の覚え方

まず、「910」や「080」といった数字があれば、最初の数字が「類」を示すと考えます。一番左の数字は0~9しかないため覚えやすいです。

無理やり語呂合わせで覚えるという方法もあります。「0」はゼロだからなんでも含む総記、1は第一の学問である「哲学」といった覚え方です。

また、「216.3」といった表記であれば、「200」が歴史、「210」が日本史、「216」が近畿地方の歴史、「216.3」が大阪府の歴史となっています。基本的に分類記号は右側の数字にいくほど細かく分類していくだけであり、大まかな分類さえ理解していれば覚えやすいです。

海外における書架分類

アメリカで考案された図書分類法がデューイ十進分類法です。0から9までの数字を用いた十進分類法であり、現在も世界中で使われています。

国際十進分類法は1905年に生まれた図書分類法であり、国際書誌学会が考案したものです。0から9までの数字を用いた10進法により表記します。

コロン分類法はインドの図書館でよく採用されている図書分類法です。分類記号をコロンごとに区切ります。

どの書架分類法を採用するのかは、それぞれの国や図書館によって異なります。書架分類法は統一されているわけではないです。

まとめ

図書館では本を分類するためにさまざまな方法が用いられています。日本で一般的なものは日本十進分類法です。本記事を参考にして日本十進分類法に対する理解を深めましょう。