書店で行われる手続きの1つに定期改正があります。定期改正とは雑誌と関係の強い制度です。本記事では定期改正の意味や目的、問題点などについて紹介します。

定期改正とは

定期改正とは、雑誌に代表される定期的に刊行される商品の仕入れ数を調整し、取次に変更依頼を出すことを言います。定期改正を行うことで、次回の配本数の調整ができます。

定期刊行物は各書店に配本される数が決まっているものです。たとえば、大きな書店であれば多く配本され、逆に小規模な書店であれば配本数は少なくなります。ただし、書店で定期購入の予約数も考慮に入れなければいけません。実際に書店の店頭で売れる部数と予約されている部数を合わせたものが、書店で必要な部数になります。

定期改正は、書店で必要になる部数に増減があった場合に取次に連絡をして配本数の変更を申し出ることです。

一般的に定期改正は、雑誌の定期購読を新たに受けたり、解約が発生したりした際に、各書店の判断で行われます。

書店は頻繁に定期改正を行っています。定期改正の手続きはシステム上の操作で行うことが可能です。

定期改正を行う理由

書店が定期改正を行う理由は、書店ごとに必要な部数が異なるためです。事前に予約購入されている分と店頭で売れる見込みのある部数分を確保しなければいけません。もし、必要以上に多く配本されてしまうと書店にとっては大きな負担になります。そのため、定期改正を実施して書店にとって最適な配本数に調整する必要があります。

(理美容室や飲食店などが毎号決まって同じ雑誌を購入するようなケースが予約購入の一例です。)

また、基本的に取次から配本されてくる数は書店の規模の影響が大きいです。大きな書店の場合は多くのお客さんが訪れて多く売れる見込みがあるため、売れ筋の雑誌が多く配本されます。一方、規模の小さい書店は、雑誌の配本数を減らされやすいのが現状です。そのため、規模の小さな書店が売れ筋の雑誌を必要十分数確保するために定期改正を実施することもあります。

書籍の場合には、配本数を取次が決めるケースがほとんどです。(注文配本が可能であるため、必ずしも書店の希望が通らない訳ではないです。また委託配本分についても書店の考え方をベースに定めることも可能です。)一方、雑誌については定期改正のシステムがあるため、書店側の希望もある程度通りやすくなっています。定期改正の仕組みを上手く活用することで、書店は雑誌を効率よく販売することが可能です。

定期改正の現実的な問題

定期改正の制度は書店にとっては便利なものですが、現実的にはさまざまな問題があります。

定期改正を実施したとしても、実際に希望通りの配本数になるとは限らない点がその一例です。たとえば、書店側が需要の高い雑誌の配本数を増やそうと思って定期改正をオーダーしても、なかなか増えないケースがあります。定期改正で配本数を増やそうとしたにもかかわらず、逆に減らされるケースもあり、悩まされている書店があります。

人気の高い雑誌は発売してもすぐに売り切れるケースがあります。特に月刊誌の場合は1ヶ月間隔で発売するため、配本数を上手く調整しておかないと、在庫がないために売上を上げるチャンスを逃してしまい、大きな損失に繋がります。

雑誌出版社も取次も在庫数の問題、返本率の問題を抱え、全ての定期改正に応えられないケースがあるでしょう。出版業界の、特に雑誌の売上が低迷している中で定期改正の問題の解決は重要な課題となるでしょう。

まとめ

定期改正はそれぞれの書店の需要に合わせて配本数を調整するために重要な制度です。しかし、定期改正に応じた配本が叶わないケースも多少なり存在します。出版業界・書店業界にとって、定期改正の問題解決は重要になるでしょう。