雑誌には定期刊行物コードが割り当てられています。それでは、定期刊行物コードにはどういった意味があるのでしょうか。本記事では定期刊行物コードの目的や必要性、その他のコードについて紹介します。

定期刊行物コードとは

定期刊行物コードとは、一定期間ごとに繰り返し発売される雑誌を識別するためのコード、コード一式のことです。雑誌、ここで言う月刊誌や週刊誌を対象にしていることから定期刊行物コード(雑誌)と呼ばれます。

販売や物流においては、簡単にかつミスなく雑誌を識別する(区別する)ことが重要です。定期刊行物コードをチェックすることで雑誌のタイトルや価格、発行月といった情報を識別できます。たとえば、レジではPOSシステムによって定期刊行物コードを読み取り、雑誌の売上が登録される仕組みです。登録されたデータは雑誌の在庫管理や仕入れ管理、マーケティングなどに使えます。

定期刊行物コードの体系

定期刊行物コードは全部で18桁の数字で構成されています。最初の13桁のコードは雑誌コードを含んだ(JANコードに準拠した)コード体系です。最後の5桁のコードは価格を表現するためのアドオンコードであり、合計18桁になります。

最初の13桁のコードには、雑誌コードや発行月/号、西暦の下一桁、CD(チェックデジット)が含まれます。最後の5桁が表しているものは雑誌の定価です。

(最後の5桁のうち、実際には下4桁のみ使用できます。つまり、9999円までを表すことができます。1万円を超える雑誌というのは通常ないですが、仮に33,000円の雑誌だった場合には下4桁は0000と表記します。)

18桁の数字によって、雑誌に関するさまざまな情報を表現できます。

前半部分に含まれる雑誌コードについては、次の記事で詳しく説明しています。

雑誌コードとは?見方や分類について紹介

定期刊行物コードの歴史

1954年にトーハンは内部管理のために4桁のIBMコードの使用を始めました。その後、1978年には5桁の新しいコード体系として雑誌コードに移行します。さらに、1986年からは雑誌コードをJANコード体系へと割り付けてバーコード表示した共通雑誌コードが制定されました。そこから、2004年まで長く共通雑誌コードは使われて、2004年からは現在の定期刊行物コードへと移行しました。

時代とともに雑誌の種類が増えたため、次々と新しいコードが生まれて、現在の定期刊行物コードに至ります。

(現在の定期刊行物コードは予備コードが残っているため、当面は現行の仕組みで拡張に耐えうる作りになっています。)

定期刊行物コードの申請方法

定期刊行物コードを取得するためには一般財団法人流通システム開発センターに登録申請する必要があります。ただし、登録申請の業務はトーハン雑誌仕入れが代行して行っています。そのため、トーハン雑誌仕入れの窓口に定期刊行物コードの登録申請を行い、登録料として3,300円を支払います。

登録が完了すれば、一般財団法人流通システム開発センターから出版社に登録通知書が送付されます。

廃刊されないのは定期刊行物コードが原因?

日本の雑誌は実質的に廃刊状態であっても、休刊と発表されるケースが多いです。定期刊行物コード、特に雑誌コードの取得は難しいためです。そのため、廃刊する雑誌であっても、休刊として処理されるケースは珍しくありません。

他にどんなコードが実在するの?

定期刊行物コード以外にもさまざまなコードが出版業界で使われています。どのようなコード体系があるのか紹介します。

ISBNコード

ISBNコードは国際標準規格の書籍コードです。200の国と地域で使用されており、1書名ごとに書籍を識別できます。書籍の取引、図書目録の編纂などに主に使われるコードです。

日本ではISBNコードに図書分類記号と価格コードを付加したものを日本図書コード(書籍JANコード)として使用しています。

JANコード

JANコードは日本で使われる商品識別コードです。書籍に使われるものは書籍JANコードと呼ばれます。日本図書コードをバーコードで表現したものが書籍JANコードであり、2段1組で表示されるのが特徴です。

ISDNコード

ISDNコードは国際標準同人誌番号のことです。従来、同人誌にはバーコードが記載されていませんでした。同人誌は取次を通して全国の書店で流通するものではないからです。そこで、ISDNコードというものが作られました。ISDNコードはISBNコードのパロディのようなものです。パロディといっても、ISDNコードにはさまざまな情報が含まれていて、同人誌の識別ができます。

まとめ

流通している雑誌には定期刊行物コードが付与されています。雑誌の販売や物流において雑誌を識別するためのものが定期刊行物コードです。定期刊行物コードは雑誌の流通に欠かせないものといえます。