本記事では「束見本」の意味、読み方や必要性、作り方まで詳しく紹介します。

束見本とは

束見本とは、実際の完成予定品と同じ用紙、同じページ数で製本されたものを指します。「つかみほん」と読みます。
書籍や冊子を作る際、事前に製本の仕様、厚さ、手触りなどを確かめるための見本であると考えましょう。

束見本の目的

束見本を作る目的は、先に述べた通り製本のサンプルとして、仕様を事前確認するためです。

あくまでも厚みや本のサイズを確認するために作られるため、束見本には絵柄は印刷せず無地のままの状態で製本するのが特徴です。

資料の一部として

束見本は企画のプレゼンに使われるケースもあります。書籍の新しい企画を立ち上げる際に、完成品をイメージしてもらうために束見本を準備し、プレゼン資料の1つとして利用します。

重量、サイズの事前確認として

梱包や配送において1冊あたりの重量は重要です。事前に計測する目的で束見本を作成する場合があります。インク分の重量が別途載るため、やや不正確ではありますが、大量の小口発送を予定している場合には、役立つ使い方です。

付属品作成用として

本の付属物を作成する際、採寸や試験用途で束見本が使われるケースがあります。実際のサイズや厚みを確認できないと、付属物を作成する際に困るためです。(束見本を作らずともおおよそのサイズは事前に計算できます。)

その他の目的

束見本が具体的にどんなケースで作られるのか、以下に具体例をまとめました。

  • ブックケースを作るとき
  • フィルムカバーを作るとき
  • 本の開きやすさを確認したいとき
  • 背幅を確認したいとき

ブックケース付きの本を作成する際には、束見本が重要です。束見本によって製本された状態の厚みやサイズを正確に測ることで、ちょうどいいサイズのブックケースを作れます。

本にフィルムカバーを付ける際には、本の正確な採寸が必要になるため束見本の作成が必要です。束見本によって正確な本の厚みを把握した上でフィルムカバーを作成します。

本の開きやすさを確認するために束見本を作るケースもあります。特にページ数の多い本の場合は、束見本を作って開きやすさを確認することは大切です。

背幅が実際にどの程度の大きさになるのか確認するために束見本を作る場合があります。紙厚から背幅を計算しても、実際に製本したときの背幅とズレる場合が多いからです。

束見本の作り方

束見本の作り方は実際の製本とまったく同じです。紙に絵や文章が描かれていない点以外は、実際の製本と同じ条件で作ることになります。必要に応じて束見本の冊数を決めます。採寸目的で束見本を作る場合は、数冊分を用意するケースが多いです。

完成品ができた後、束見本の扱いは?

完成品ができた後、見本は用途を失うため処分されることが一般的です。ただし、束見本の紙面には何も書かれていないため、メモ帳として使われるケースがあります。主要な用紙の標準的なページ数の場合、処分せず出版社が保管することもあるでしょう。

まとめ

束見本は、書籍のサイズを確認するサンプル品です。束見本を用意することで、事前の準備が効率的になるでしょう。