これから自費出版をと考えている方に向けて、「実際に自費出版するとなると何を始めればいいの?」にお答えしていきます。

本記事では自費出版のやり方や費用など基本的な点を解説します。これから自費出版をしたい方は参考にしてください。

自費出版を選ぶ意味

そもそも、なぜ自費出版を選ぶのかといえば、自分の好きな本を出せるからです。本が売れなくなって久しい昨今、商業ベースにのらないテーマも広範に及ぶようになりました。

売上を伸ばして利益を上げたいのではなく、何か自分の伝えたいことや表現したいことのために本を出版したいのであれば、自費出版は最適な方法といえます。

自費出版のやり方

具体的に自費出版をするための方法を紹介しましょう。

出版社に相談

一般的には自費出版をするために出版社に相談するケースが多いです。その際には、見積もりをもらい、料金を確認すると良いでしょう。事前に問い合わせをして疑問点を確認した上で信頼できそうであれば申し込みをします。ただし、契約内容については入念にチェックをしておきましょう。

執筆

自費出版の本の原稿を執筆しましょう。ご自身で執筆するケースが多いですが、文章力に自信がない場合は外注する方法もあります。何か伝えたいことがあり、そのために自費出版をするのであれば、専門のライターに依頼した方が読みやすくて魅力的な文章を完成させられるでしょう。ただし、執筆を依頼する場合は費用がかかります。

デザインの作成

本の表紙など装丁を決める必要があります。デザインにこだわることは大切であり、見た目を大切にすることで多くの人に買ってもらいやすくなります。どのような内容の本なのかひと目見てわかるようなデザインにすると良いでしょう。その上で思わず手に取りたくなるようなデザインを追求します。デザインについてもプロに依頼することが可能です。自分でやるよりも質の高いデザインを実現できるでしょう。

校正

執筆した本の誤字脱字を修正するために必要な作業が校正です。出版社などに本の自費出版を依頼する場合は、校正を担当してくれるケースがあります。また、校閲という作業も重要です。校閲は文章の情報に誤りがないか確認する作業であり、信頼性を高めるために必要になります。

印刷・製本

しっかりと校正をして内容の最終チェックをした後は実際に印刷と製本を行います。出版社が印刷・製本の業者を手配してくれるケースが多いです。ただし、印刷や製本の方法にはさまざまな種類があり、本の質に影響します。また、カラーページを入れるのか、見返しや遊びを入れるのかといった点も重要です。上質な紙を用いて、カラーページを豊富に掲載するような場合は費用が高くなります。

発売

製本が済み本が完成したら、書店などで販売します。出版社に依頼すれば、書店での販売をサポートしてくれるケースが多いです。

絵本や写真集でも自費出版できる?

自費出版は本の分野に関係なく発売することができます。小説やエッセイ、ハウツー本などだけではなく、自作の絵本や写真集を自費出版している人も多いです。ただし、本の種類によって、自費出版までにかかる費用は変わります。写真やカラーページなどを多く掲載する場合はお金がかかるからです。

自費出版はどこで依頼ができる?

自費出版の依頼先の種類は主に以下の通りです。

  • 印刷会社
  • 出版社
  • 自費出版の専門会社
  • 新聞社

印刷会社は本の印刷や製本のみを担当してくれるケースが多いです。本の編集作業や販売ルートなどのサポートはあまり期待できません。

出版社は本の執筆から印刷・製本、発売までトータルでサポートしてくれる会社がたくさんあります。プロの担当者がついて徹底したサポートを受けられる場合もあります。大手の出版社であれば、本の販売数を伸ばす効果も期待できます。ただし、出版社に依頼する場合は費用が高くなりやすいです。

自費出版を専門的に扱っている業者もあります。プロのスタッフが校正や装丁などすべてを担当してくれます。大手出版社に負けないぐらいの充実したサービスを提供する会社もあります。

新聞社が自費出版の相談に応じるケースがあります。大手新聞社だけではなく、地方紙が受け付けているケースも多いです。ただし、費用が高い傾向にあります。

自費出版の費用

自費出版をするためにどのくらいの費用がかかるのか紹介しましょう。

相場費用

自費出版の費用は部数とページ数によって変わります。だいたいの相場として以下を参考にしてください。

 60ページ100ページ
10部15万円20万円
100部20万円25万円
200部25万円30万円

内訳

自費出版するための費用には以下のようなものが含まれています。

  • 印刷費
  • 流通手数料
  • 保管料
  • デザイン料
  • 販売管理費

印刷費用は本のサイズやページ数、色、用紙の種類などにより変わります。ECサイトや書店に自分の本を流通させたい場合は流通手数料が必要です。在庫として本を抱える場合は倉庫費用として保管料がかかります。表紙のデザインや本文中のイラストなどを外注する場合はデザイン料が発生します。販売管理費とは、本の売上や在庫などの管理を委託する場合の費用です。

出版会社の選び方

出版会社を選ぶためのコツを紹介します。

出版ジャンル

これから自費出版したいジャンルと出版会社が得意としているジャンルが合っているか確認しましょう。出版会社ごとに得意分野は異なっているからです。小説やエッセイを得意とする会社もあれば、写真集を主に扱っている会社もあります。

信用性

出版会社を信用できるかどうか判断する基準の1つは知名度です。よく名前が知られている大手の会社であれば信用できます。設立されてから歴史のある会社やこれまで自費出版をサポートしてきた実績が豊富な会社も信頼できるでしょう。

費用

事前に見積もりをもらい、どのくらいの費用がかかるのかを確認しましょう。同じ条件で依頼したとしても、出版会社によって費用は大きく異なります。ただし、安ければ良いというわけではなく、サービスの質にも注目するべきです。費用が安い出版会社は基本料金にいくつかの制作工程が含まれていない場合もあるため注意しましょう。

対応

実際に相談してみたときの対応をチェックしましょう。担当者の態度や契約・見積もりの内容などをよく確認してください。誠実な対応をしてくれて、契約や見積もりの内容もしっかりしているならば信用できます。

サービス内容

出版会社によって、対応しているデザインの種類や校正・校閲の有無、その他サービスの充実具合は異なります。費用を抑えたいのであれば、最低限のサービスのみを利用すると良いでしょう。お金がかかっても質の高いものを作りたいのであれば、充実したサービスを提供している出版会社を選んだ方が良いです。

商業出版するためには

商業出版を実現させるためには、出版社に直接アプローチをして本の価値を認めてもらう必要があります。事前に出版企画書を用意して、本を出版することにどんな意義があるのか、出版社にどんな利益をもたらすのか説明しましょう。商業出版は採算が取れることが何よりも重要なため、ビジネス面を含めてアピールの仕方を考える必要があります。

まとめ

自費出版をしたいならば、出版会社に依頼するのが一般的な方法です。ただし、出版会社はたくさんあるため、信用性や費用、サービス内容を踏まえた上で選びましょう。信頼できる出版会社にサポートしてもらうことで満足できるレベルの自費出版を実現できます。