これから自費出版を行う場合、完成までの期間が気になるのではないでしょうか。どのくらいの期間がかかるのか目安を知っておきたいものです。本記事では自費出版にかかる期間や短縮方法などについて紹介します。

自費出版ができるまでの期間

自費出版にかかる期間は本のジャンルやページ数などにより変わります。基本的には3か月~半年程度を1つの目安と考えれば良いでしょう。ただし、細かな編集などが必要になると9か月程度かかるケースもあります。また、しっかりとした調査が必要になる書籍であれば、1年を超えるケースもあるでしょう。

自費出版本ができるまでの流れ

自費出版本が完成するまでの流れを紹介します。

打ち合わせ・契約

まずは自費出版について出版社と打ち合わせを行います。作品を見てもらったり、見積もりをもらったりする段階です。具体的にどのような本を完成させたいのか話し合いを行い、具体的なプランをまとめます。納得できれば契約です。契約書の内容には十分に注意しましょう。

執筆・入稿

自費出版を進めるには、まず原稿を提出しなければいけません。本の内容を執筆してから、出版社に入稿しましょう。原稿だけではなく、写真を掲載する場合の画像データなども提出します。

編集・本文レイアウト

原稿をもとにして編集作業が入ります。本のレイアウトなどを決める段階です。出版社が編集作業をサポートしてくれます。ただし、事前にきちんとイメージを伝えておかないと、編集結果に満足できないケースがあります。編集した内容をきちんと確認して、希望と異なる点があれば伝えておきましょう。

装丁デザイン

本の表紙、カバーのデザインを作成します。サンプルデザインから選択し、文字入れをするサービスもあれば、本の内容に合わせてオーダーメイドでデザインを作成するサービスもあります。

デザインの希望を伝達する際は、どうしても抽象的な表現になるため、参考になるデザイン例をいくつか見つけておくと良いでしょう。

印刷前校正

本の印刷前の最終確認工程です。原稿が正しく印刷用データに反映されているかなど、誤植がないことを確認します。

自費出版の多くでは、著者校正と呼ばれる発注者による最終確認工程があります。ミスがあればこの段階で修正を依頼しましょう。

印刷・製本

校正を終えて問題がなければ印刷します。出版社が印刷会社に指示を出し、印刷製本を進めます。

納本・出版

完成した本が納本されれば、後は発売・販売するだけです。出版社が流通まで対応してくれるケースがあります。書店での販売やAmazonなどECサイトでの販売の手続きを進めてくれるでしょう。

完成までの期間を短くするには

自費出版本の完成までにかかる期間短縮方法を紹介します。

事前に原稿を完成させておく

出版社に相談する段階で原稿を完成させておいた方がスムーズに打ち合わせが進みます。完成した原稿をもとにして編集やデザインなどのプランを考えられるからです。できるだけ事前に原稿を完成させておきましょう。

レイアウトをシンプルにする

本のレイアウトなどをシンプルなものにすれば、制作時間も少なく、誤植なども減ります。

校正を少なくする

校正の時間を短くするには、原稿段階で誤字脱字をつぶしておく他に、改行位置のずれなどがないか確認しておきましょう。また、校正で修正依頼をする際には、的確な指示をすることで時間短縮につながります。

他社と相見積もりをする

出版社によって完成までの期間には違いがあります。同じ条件でも完成までの期間について異なる提案を受けるため、他社と比較をすることが大切です。ただし、期間の短さのみにこだわると本の品質が悪くなる可能性もあるため、出版社選びはあくまでも総合的に判断しましょう。

完全データで提出すればさらに短縮可能

自費出版では完全データという選択肢があります。出版社が手を入れる必要のない状態で入稿することです。文字の大きさやフォント、改行などについてすべて配置しておき、そのまま印刷できる状態で入稿します。

完全データを著者自ら作成するケースは非常に稀ですが、完全データで入稿すると出版社の作業を減らせるため、期間の短縮だけではなく費用の節約にもつながります。

制作期間についての注意点

出版社が作業に対応できない期間について注意しましょう。たとえば、年末年始は会社が休業しており、その間は一般的に作業が進みません。

また、出版社の繁忙期や印刷会社の繁忙期に依頼すると、予定よりも制作期間が伸びます。出版社の忙しい時期は会社により異なるため、事前に問い合わせてみると良いでしょう。

自費出版物の販売期間は異なる?

自費出版物の販売期間は出版社ごとに違いがあります。出版社がどのくらいの期間、取り扱ってくれるのか確認しておきましょう。一般的には一年間とされていることが多いです。在庫保管、書店への納入に対応する販売期間と、書店に本が並ぶ期間は異なる点に注意が必要です。

書店の多くは新刊の陳列期間を1か月程度にしています。出版社が販売を請け負う期間が1年であっても、大半の書店はそれよりも短い期間で店頭から本を引き上げる点、理解しましょう。

まとめ

自費出版にかかる期間は6か月程度を目安にしましょう。ただし、作成する書籍の内容やこだわりによっては、1年以上かかるケースもあります。また、自費出版物を書店に並べられる販売期間についても注意しましょう。契約の際に期間に関して確認しておくことが大切です。