自費出版で翻訳本を出版したいと考えている方に、英語本を翻訳し自費出版する方法や注意点について紹介します。
英語の本を翻訳して自費出版はできる?
英語の本を翻訳し自費出版できるのかどうか解説します。
結論は条件をクリアできれば可能です。
翻訳するには翻訳権が必要
海外の英語作品を日本語に翻訳して出版する際には翻訳権を取得する必要があります。翻訳権は著作権法にも規定されているルールであり、著作を翻訳する権利は著作者にしかありません。そのため、英語書籍を翻訳するには、著作者から許諾を得る必要があるのです。
翻訳権を取得するには?
これから英語の作品を翻訳したいならば、著者本人から許可を得る必要があります。ただし、本の権利関係は複雑であることが多く、著作者だけではなく出版社が権利を持っているケースも多いです。複数の出版社が本の権利を有していることもあるため、個人で翻訳権の了承を取ることは難しいでしょう。主流の方法は海外書籍のエージェントに依頼をして、翻訳権の取得を仲介してもらいます。
翻訳出版をするには?
翻訳出版をするための流れを紹介します。
出版社に相談
まずは出版社に原本を持ち込んで翻訳出版が可能か相談しましょう。著作者からの承諾が得られている場合には、著作者との契約詳細を説明できると良いでしょう。承諾がまだの場合には、その旨を伝達しましょう。
弊社は海外書籍の翻訳出版交渉代行、契約代行をお引き受けしています。大半の出版社と同様にエージェント経由で交渉を進めます。エージェント費用の実費程度で代行しているため、価格は最安帯でご案内できるかと思います。(原作著者様への印税を最安にできるとの意味ではなく、弊社が受け取る手数料が最安値の価格帯であるとの意です。)
原作者の国、言語、出版社により長い場合で半年程度時間を要する場合がございます。ご企画段階でまずはご相談ください。お問い合わせよりお気軽にご連絡ください。相談に費用はかかりません。
翻訳権や出版権の確認・交渉
出版社が出版または著作者との交渉を対応するとなれば、契約詳細を詰めます。その上で、出版社はエージェントを介して、または直接原書の出版社と交渉を実施します。
自費出版の場合、翻訳権の交渉そのものに費用がかかる場合があります。また初版の部数が一定冊数以上求められる場合があります。
ここでの交渉は、必ずしも権利を得られるとは限りません。
原稿の執筆・提出
翻訳権・出版権を得られたならば、翻訳本の出版に向け原稿の執筆を始めましょう。そして、完成したものを出版社に提出します。
校正
翻訳出版でも当然校正は必要になります。ただし、翻訳物における校正では、翻訳した文章が原文の意味と合っているのかチェックする作業が必要です。出版社または翻訳に強い校正会社が校正を実施します。正確に翻訳されているか、固有名詞は正しく訳されているかといった点をチェックしていく作業です。
著作者の確認
原書の著作者に確認をとります。ケースにより本工程にかかる時間は千差万別です。
印刷・製本
校正、確認が終了すれば印刷と製本を行います。出版社が印刷を進めてくれるため、印刷や製本が終わるのを待ちましょう。ただし、紙の種類や印刷方法などを決める必要があるため、事前に打ち合わせをしなければいけません。
納品・発売
印刷・製本が終われば、書籍として完成した状態で納品されます。後は流通に乗せて実際に販売をするだけです。出版社が販売ルートを確保しているため、書店やECサイトなどですぐに販売できるようになります。
翻訳権が不要な事例
翻訳権が不要な事例について紹介しましょう。
著作権の保護期間が過ぎた場合
著作権の保護期間が過ぎるとは本に関するあらゆる権利が著作権者のもとから消失した状態です。著作権は著作者の死後50~70年ほど経過すれば切れます。著作権が切れた作品については自由に翻訳をして出版できるようになります。翻訳権を取得する必要がないため、スムーズに翻訳出版を実現できます。
著作権の保護期間は国によって異なっています。日本やアメリカ、イギリスなどは70年です。ニュージーランドやカナダなどは死後50年のため、英語圏でも国によって保護期間に違いがあります。
個人で楽しむ場合
個人で楽しむことを目的とする場合は翻訳権が不要です。家庭内で趣味の範囲で使用する場合は、翻訳も複製も法律上、自由に行うことができます。また、学校の授業や試験などで利用するために翻訳をする場合も許可を取る必要はありません。
ただし一部利用方法においては許可取得が必要であったり、使用料の支払いが必要な場合があります。特に私家本として印刷し、無償有償問わず、知人へ配布するケースなどでは注意が必要です。このケースでは原則許可を取る必要があると理解しましょう。
英語の自費出版本を海外流通させるには
英語で自費出版本を出して海外に流通させるにはどうすればいいか解説します。
海外流通経路をもつ企業で自費出版をする
出版社の中には海外流通に対応している企業があります。たとえば、海外自費出版のサービスを展開する出版社もあります。そのような出版社に依頼すれば、企画から編集、デザイン、英語翻訳まですべてサポートしてくれます。アメリカの書店で販売するためのルートを持っており、さらにAmazonなどへの出品まで対応してくれるのです。
電子出版を利用する
海外で英語の本を出版するために便利な方法として電子出版があります。たとえば、AmazonのKindleで英語の本を出すことが可能です。電子出版の場合は、実際に海外の書店へ流通させるよりもハードルはかなり低くなります。英語の自費出版を電子出版で行うためのサポートをしてくれる出版社もあるためチェックしてみましょう。
まとめ
自費で英語の書籍を翻訳し出版することは不可能ではありません。出版社であれば著者から許可を取るためのサポートもしてくれます。また、英語で執筆した本を海外で販売するサポートをしてくれる出版社もあるため、興味のある方はチェックしましょう。