自費出版をしたいが費用がネックになっている人は多いでしょう。本記事では自費出版を無料で行う方法や費用を抑える方法について紹介します。

自費出版とは

自費出版とは、ご自身で執筆した本を、ご自身の費用負担において出版することです。小説やエッセイ、あるいは写真集や郷土史などさまざまなジャンルで自費出版が行われています。出版社の多くは自費出版をサポートするサービスを提供しています。ただし、出版社に依頼すると費用が発生するため、今回で言う無料の自費出版は作業を著者自身で行うこととなります。

自費出版を無料でする方法

無料にする大原則は、印刷しないことです。ご自宅やコピー機で印刷するだけでも用紙代やインク代がかかります。つまり無料の自費出版は、発売した時点で印刷していない状態の出版方法を選択する必要があります。

一般的な自費出版の費用

無料の方法ではなく、一般的な自費出版は出版社などに依頼し進めるケースが大半です。その際にはページ数と発行部数、紙材や装丁の豪華さ、編集や校正の必要程度、流通や保管に応じた料金を支払います。
一般的には100ページ程度の書籍50部を出版社に依頼する場合、安価な会社で20万円程度、高い価格帯では150万円程度の費用がかかるでしょう。

電子出版なら無料で自費出版できる?

電子書籍として配信する電子出版であれば、無料で自費出版が可能です。

無料で自費出版できる理由

いくつかの電子書籍配信スタンドは、出版社ではない個人による原稿のアップ、配信を許可しています。また多くのスタンドは、初期費用や月額費用、出版時の費用負担がありません。

前述の通り、電子出版は販売するものは紙の書籍ではなくデータのため、印刷をする必要はありません。ご自身で執筆し、ご自身で各スタンドが定めるフォーマットのデータを作成できれば、無料で自費出版できます。

電子出版のメリット

電子出版によって自費出版をする主なメリットは以下の通りです。

  • 費用を無料にできる、または抑えることができる
  • 在庫を抱える心配がない
  • 全国の人達を対象に販売できる

電子出版の場合は書籍を印刷する必要がないため費用を無料または抑えることができます。出版社に依頼する場合でも、電子出版を得意とする会社では安い費用で対応しています。

電子出版は在庫を抱える必要がない点もメリットといえます。データをやり取りするだけのため、多く売れたとしても在庫切れはなく、当然、印刷する必要もありません。

電子出版は全国の人達を対象に本を売り出せるのがメリットです。アマゾンなどのサイトを利用する人が気軽に電子書籍を購入できます。配送をする必要もないため、海外の人に買ってもらうことも可能です。

電子出版のデメリット

電子出版の主なデメリットは以下の通りです。

  • 書店に並ばない
  • 本を物理的に残せない
  • 電子書籍を読めない人には届けられない

電子出版はネット上での販売になり、書店に並べることができません。書店に本を並べることを夢見ている人にはデメリットです。また、電子出版は本を物理的に残せません。思い出として本を残したい人に不向きな方法です。(過去には起きていませんが、配信スタンドが閉鎖した場合、データも共に消えてしまう可能性があります。)

高齢者やデバイスを持っていない人などに読んでもらえない点にも注意しましょう。電子書籍は一般化しつつあるのですが、未だに読めない人も存在します。

おすすめの電子出版サイト

自費出版をしたい方におすすめの電子書籍配信スタンド(電子出版サイト)は以下の通りです。

  • Amazon Kindle
  • 楽天kobo
  • Google play
  • Apple Books

いずれも多くの人に名前が知られている有名サイトです。どのサイトを利用する場合も、電子書籍の販売ではロイヤリティが発生します。電子書籍を販売する際の手数料のようなものと考えましょう。

PODを利用し、無料で自費出版する

PODとは、プリント・オン・デマンドの略称で、書籍の注文を受け付けたあとに1冊単位で書籍を印刷製本し、発送する手法を言います。

PODサービスで最も有名なものがアマゾンPODです。アマゾンPODはアマゾンが提供する出版サービスです。書籍を1部単位で印刷や製本、販売まで行えます。登録料や利用料は無料です。書籍が売れた(印刷された)際には、印刷費と販売手数料が発生します。販売価格は印刷費と販売手数料を上回る金額にしなければいけません。

注文に応じて1冊から印刷・出荷まで行うサービスです。費用をかけずに自費出版できます。つまり、ご自身で執筆や印刷用データの作成、表紙等のデザインデータ作成を行えば、出版した時点では無料です。販売価格から印刷費と販売手数料が差し引かれるため、販売価格の設定によってはほとんど利益が生じない点を認識しましょう。

当然ですが、一般書店の本棚に並ぶことはありません。

自費出版の費用を抑えるには

以降では、無料ではなく、費用を抑える方法を紹介します。

少部数をオンデマンド印刷で作る

自費出版をする際の印刷方法には主にオフセット印刷とオンデマンド印刷があります。少部数を作る際には、オンデマンド印刷を選んだ方が費用は安いです。オンデマンド印刷は版を用意せず素早く印刷できます。オフセット印刷より質はやや低いですが、最近はオンデマンド印刷でも質の高い印刷が可能になっているため、気にならない人は多いでしょう。

完全データ入稿をする

出版社に自費出版を依頼する際に完全データ入稿を選ぶと費用を抑えられます。完全データとは、印刷にかけるデータの状態まで完成したものを言います。Wordファイルで推敲が済んだ状態や本文の印刷データが作成できた状態ではなく、表紙やカバーなどを含む、印刷用データの全てが完成した状態を指します。

編集や校正などをすべてご自身で進めます。出版社には印刷以降の工程を頼むことになるため費用が安価になります。

製本の質を下げる

表紙や紙、綴じ方など本の質を下げることで費用を抑えられます。ハードカバーよりソフトカバーの方が費用は安いです。紙のグレードも下げれば節約になります。サイズも小さいほど安いです。カラーではなくモノクロ印刷にするのも費用の節約につながります。

流通に乗せない

本の印刷までを業者に頼み、流通をご自身で行うと費用を抑えられます。一般書店は個人から書籍を仕入れることはないため、書店に並べることは諦める必要があります。
ネット通販をご自身で対応する、イベントで手売りするといった方法で流通費用を節約できます。ただし、出版社に依頼する場合と比較し、販路は狭くなり苦労するケースがありますから注意が必要です。

見積もりを比較する

自費出版で業者を利用する際には見積もりをもらいましょう。複数の業者から見積もりをもらい比較することをおすすめします。どこが一番安い費用で引き受けてくれるかわかります。ただし、費用面だけではなくサポート内容や信頼性なども考慮しましょう。

まとめ

自費出版を無料で行いたいならば、電子書籍やアマゾンPODがあります。費用を抑えたいならば、本の質を下げたり、流通はご自身で行ったりすることで節約できるでしょう。本記事を参考にすれば、自費出版の費用を抑えられます。