本の文学賞にもさまざまなものがあります。
有名な所だと、芥川賞や直木賞などがあげられるでしょう。
そんな文学賞の中に、日本自費出版文化賞というものがあることをご存じでしょうか。
ここでは、日本自費出版文化賞とは何なのか、日本自費出版文化賞の大賞を受賞するとどうなるかなどについてご紹介します。
ぜひ最後までご覧いただければと思います。
日本自費出版文化賞とは
日本自費出版文化賞とは、自費出版された書籍のデータの蓄積、公開活動と連動させながら、自費出版業界を活性化させるために、NPO法人自費出版ネットワークが主軸となって開催している文芸コンクールです。
日本自費出版文化賞の大賞作品
日本自費出版文化賞の大賞には以下の作品があります。
「故郷の記憶 上・下」 那賀教史
第23回日本自費出版文化賞の大賞作品。
「地域文化」に分類された書籍で、民族文化や民俗行事を取り上げ、日々生きてこられたたくましさや、民族文化におけるやわらかさなどをテーマにした本です。
「あの戦争さえなかったら 62人の中国残留孤児たち 上・下」藤沼敏子
第24回日本自費出版文化賞の大賞作品。
こちらも「地域文化」に分類された作品で、中国残留孤児(終戦時13歳未満)と彼らを育てた中国の養父母のインタビューをまとめた書籍です。
「NO NUKES ビキニの海は忘れない」 岡村啓佐
この作品は、戦後闇に葬られた「ビキニ水爆実験」について、沈黙を強要されていた漁師たちの証言と写真をまとめたドキュメント写真集です。
核兵器のない、平和な世界を祈って自費出版された作品です。
また、 本の帯に、女優の吉永小百合さんがメッセージを寄せたことで話題になった作品でもあります。
大賞作品に選ばれるとどうなる?
日本自費出版文化賞大賞を受賞すると、賞状と賞金20万円が授与されます。
また、表彰式で簡単ではありますが、スピーチを求められることになります。
日本自費出版で大賞をとれば、朝日新聞で入賞が発表されるので、一夜で著名人となることもあるかもしれません。
日本自費出版文化賞の応募方法
日本自費出版文化賞へ応募するにはどうしたらよいのでしょうか。
日本自費出版のホームページで詳しく説明されています。
応募資格
応募資格は以下の通りです。
- 本の制作費の一部または全額を負担していること。
- 日本で直近10年以内に出版していること。
- 日本語で記載されていること。
応募方法
NPO法人日本自費出版ホームページを利用したインターネットによる応募
と、郵送方法による応募の2通り方法があります。
応募の期限
作品の募集期限は、第25回の場合は3月31日までです。
このため、2022年8月現在は応募できません。
毎年年末近くになると作品募集が始まるようです。
日本自費出版文化賞のスケジュール
例として、第25回自費出版文化賞のスケジュールを示します。
作品募集期間 | 2021年12月1日〜2022年3月31日 |
一次選考期間 | 2022年4月〜6月 |
二次選考会 | 2022年7月 入選候補作品が決定 |
最終選考会 | 2022年9月 入賞作品、大賞、入選作品の発表 |
表彰式 | 2022年11月 |
他にはどんな出版コンクールが存在する?
日本自費出版文化賞以外にもコンクールが複数あります。
その一例は以下の通りです。
ふるさと自費出版
全国新聞社出版協議会が主催する「ふるさと自費出版」というコンクールもあります。
コンクールの目的は、全国各地の自費出版物の発掘を行い、自費出版への関心を高めることです。
初めてふるさと自費出版賞が開催されたのが、2005年なので、まだ芥川賞や直木賞などと比較すると若いコンクールです。
賞の受賞内容は毎年、地方新聞を中心に発表されます。
毎日出版文化賞
毎日出版文化賞は、毎日新聞が主催する書籍のコンクールで、優秀な出版物に対して
与えられる賞です。
部門としては、文学・芸術部門、人文・社会部門、自然科学部門、企画部門が
あり、比較的幅広く門戸が開かれています。
また、初めて開催されたのが1947年で、かなり伝統のあるコンクールと言うことができるでしょう。
新潟出版文化賞
地方ではありますが、新潟出版文化賞というコンクールもあります。
このコンクールの目的は、新潟県内に在住あるいは居住経験のある方が、自費出版した図書に光を当てて、世間に紹介することとなっています。
コンクールの該当部門は、文芸部門、記録誌部門でしたが、第12回からは新たに学生部門も設置されました。
毎年行われているコンクールではなく、2年に一度間隔でコンクールが開催されているようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここまで日本自費出版文化賞とは何か、大賞にはどんな本が入賞しているかを解説してきました。
この記事のポイントを整理すると以下の通りです。
- 日本自費出版文化賞とは、自費出版された書籍のデータの蓄積、公開活動と連動させながら、自費出版業界を活性化させるコンクールのこと。
- 日本自費出版文化賞大賞を受賞すると、賞状と賞金20万円が授与され、簡単なスピーチを求められる。
- 応募資格は、出版費用の一部または全額を支出していて、直近10年以内に出版され、かつ日本語で書かれている出版物であること。