自費出版をするのはメリットもあればデメリットもあります。事前に自費出版の良い点や悪い点を理解しておくことは大切です。本記事では自費出版のメリット・デメリットや作成費用について紹介しましょう。

自費出版のメリット

自費出版のメリットを紹介します。

自由に本が作れる

自費出版のメリットの1つは自由に本が作れることです。商業出版の場合はビジネスとして本を売り出す必要があるため、さまざまな制約があります。一方、自費出版の場合は、あくまでも個人で趣味的に出版するもののため、制約は基本的にありません。どのような本でも自由に出版することができ、出版社から意見されることはないです。内容や装丁などにこだわって自分の好きな本を作れます。

※暴力的な表現や法令違反や不正行為を助長する内容、アダルトコンテンツの場合には印刷の制約や流通に載せることができないケースがあります。

支払い率が高い

自費出版は本が売れたときの支払い率が高い点がメリットです。商業出版ではリスクをとった出版社が相応の取り分を得て部分的な利益が著者に入ります。一方、自費出版の場合は流通経費を除いたものが著者に支払われるため、本の売上に対する還元率が高いです。高い価格設定で多く本が売れれば、多くの利益が著者に入ってきます。

記念品となる

自費出版は著者として自分の名前が記載された本を出版できます。思い出の品を残すことができるのです。自費出版で記念品を作ることができて、それは数十年先まで思い出の品として残しておけます。たとえば、これまでの趣味の成果をまとめて自費出版にすれば、素敵な記念品になるでしょう。

自費出版のデメリット

自費出版をするデメリットを紹介しましょう。

すべてが自費負担

自費出版は個人がすべての費用を負担して本を出版することです。出版社を利用しない場合でも、多くの費用を支払う必要があります。印刷・製本した本を広く販売したい場合は自分で宣伝するか広告費をかける必要があります。記念に1冊だけ出版する場合はそれほど費用がかからないのですが、100部以上を出版して多くの人に販売したいならば、それなりのお金がかかるでしょう。

売れるとは限らない

自費出版したからといって売れるとは限らない点がデメリットです。そもそも、プロの作家の本もたくさん売れるのはごく一部の人たちに限られます。自費出版で出した本は滅多に売れることがないため、成功者は本の一握りです。お金を儲ける目的で自費出版を始めたとしても利益になりにくい点に注意しましょう。

自費出版本だと分かってしまう

ご自身のビジネスに箔をつけたい、研究成果を発表したい。そういったケースでは自費出版本だと分かることがデメリットとなる場合があります。

自費か商業かの区別がつかない方法を取りたい場合には、自費出版と商業出版の両方を取り扱う出版社から発行することが良いでしょう。

自費出版に必要な費用

自費出版をする際には業者に依頼するのが一般的です。業者は本の編集やデザイン、製本・印刷、流通などに対応してくれます。そのため、業者に対してまとまった費用を支払う必要があるのです。

業者に支払う費用は、本の部数やページ数、業者の種類などにより異なります。30ページ程度の本を10部や20部程度出版するだけならば、数万円から10万円程度の費用で出版可能です。200ページや300ページもある本を200部や300部と大量に出版したい場合は、数十万円程度の費用がかかるでしょう。

安価な価格の相場観を確認されたい方は、こちらのページ数別の料金表を参考にしてください。

文才がないと本を作るのは難しい?

本を出したいけど文才に自信がない人はプロに依頼できます。出版社の中には自費出版の代筆にまで対応しているところがあるからです。プロに自分の出したい本の希望をしっかりと伝えて、きちんと打ち合わせをすれば、理想通りの内容の本を完成させられます。素人でもプロを利用して簡単に本を作れるのです。

自費出版本を作るには

自費出版本を作りたいならば、出版社か印刷会社のいずれかに相談するのが一般的です。

出版社は出版のプロが揃っていて、編集やデザイン、流通まで質の高いサポートを受けられます。ただし、印刷会社と比較すると出版社の料金は高いです。

印刷会社は印刷や製本のプロであり、印刷・製本について細かな要望も対応できます。ただし、印刷会社が提供する編集や装丁、校正などは最低限のものであり出版社よりもサービスの質は低いです。そのため、出版社よりも安い料金で対応してくれます。

様々な自費出版の始め方

自費出版の始め方について、2つのパターンを紹介しましょう。

同人誌から始める自費出版

同人誌とは原稿作成やデザイン、校正などを全て自分で行い出版する方法です。印刷会社への依頼も自分で行います。最初から最後まですべて自分で行うため、費用を最小限に抑えられるのがメリットです。一切の制約がなく、自分で自由に本を作ることができます。

ただし、同人誌とし出版するのは、自分ですべての工程を担当しなければいけません。そのため、特殊なスキルを持っていない人の場合は、どうしても出版物の質は低くなります。質の高いものを作成したいならば、出版社や印刷会社に依頼して自費出版を始める方が良いでしょう。

特に組版スキルが低い場合、流通経路をご自身で持っていない場合には差が大きく出るでしょう。

Kindle(電子書籍)から始める自費出版

Kindleで自費出版を始める方法があります。Kindleの場合は、一般書店に本を並べるのと比較すれば簡単に本を販売できるのがメリットです。Amazonに登録をして、電子書籍ファイルをアップロードすれば、すぐに出版できます。

ただし、Kindleで自費出版するためには原稿を電子データとして用意しなければいけません。アップロードできる原稿のファイル形式の指定を守る必要があります。

とは言え、Wordで作成するデータでも対応しているため、品質を無視すれば非常に簡単な方法です。

まとめ

自費出版で本を作れば、自由に自分の好きな出版物を販売することができます。一生の思い出となる記念品を作れるでしょう。自費出版で本を作りたいならば、出版社など業者に依頼してサポートを受けることをおすすめします。そうすれば自分の理想の本を出版できるでしょう。