自費出版を行うにはいくつかの工程があります。それら工程で用いるソフトについて本記事では紹介します。
自費出版とは
あらためて自費出版とは、書籍を自己負担で出版する形態の出版方法です。
対比となる商業出版とは異なり、刷り部数が少なく、多数売ることに注力しないケースが多いようです。
ただ、自費出版を受け付けている出版社の中には、流通ルートの確保や、自費出版書籍の販売に強い会社もあり、各出版社で特色があるようです。
最近は、自費出版は電子書籍で行われることも増え、Amazonダイレクト・パブリッシングという出版方法が注目されています。
原稿を作成するのにおすすめなソフト
本を出版する時に、必要となるのが、ワープロソフトです。
最もメジャーなソフトといえば、マイクロソフト「ワード」が思いつく方が多数でしょうが、それ以外にも原稿を執筆するのに便利なツールがあります。
Microsoft Word
まずは、Microsoft Wordです。
これは執筆時の定番ツールで、多くの方が知っていることでしょう。
Microsoft Wordの場合、基本は横書きで利用されることが多いですが、縦書きにも変更できます。
書籍を制作するのに優れたパフォーマンスを発揮できるでしょう。
また、Microsoft Wordに似たソフトに、OpenOfficeのWriterというものもあります。
Microsoft Wordは有料ですが、OpenOffice Writerは無料で利用できるため、お手軽に文章を作成したいという時には、OpenOffice Writerを利用するのも良いでしょう。
一太郎
一太郎は、日本語向けワードプロセッサーとして、大変有名なソフトです。
一太郎の特徴としては、日本語の自動文章校正機能が優れていること、さらに日本語変換機能も大変精度が高く、少し間違えて文字入力をしても、正しい日本語変換が実施されます。
例えば、雰囲気(ふんいき)と入力したい時に、「ふいんき」と誤って入力した場合でも、正しい日本語変換がなされます。
このように、日本語の文章作成に優れたワードプロセッサーが一太郎です。
Idea Tree
Idea Treeとは、アイデアや情報を階層的に整理することに優れたWord兼メモ帳です。
書籍の執筆以外にも、ブレインストーミングなどのアイデア出しのメモとしても利用することができます。
また、その利便性の高さから、ToDoリストを作ることもできます。
このように、多方面の利用に向いているのが、Idea Treeの特徴です。
TeraPad
TeraPadとは、1996年に寺尾進氏によって公開された無料で利用できるテキストエディタです。
Windowsで動作することを前提に設計されているため、MacOSやChromebookでは使用できないようです。
テキストエディッタとしては、大変シンプルに設計されているので、簡単で気軽に利用することができます。
文書の作成以外にも、HTMLやCSS、JavaScript、Visual Basicのようなプログラミングのエディタとして利用されることも多いようです。
手書きの原稿でも入稿できる?
自費出版する時には手書き原稿でも可能です。
現代は、さまざまなことがデジタル化されており、書籍業界でもその影響は多分にあります。
しかし、手書きには手書きの良さがあり、小説を手書きで作りたい方も少なからずいます。
そういった手書きで原稿を作成される方にも、丁寧に対応してくれる出版社もあるので、まずは出版社に相談してみましょう。
特殊な書籍でない限り印刷するにはデータ化をする必要があります。
手書き原稿からテキストデータに変換する時には、その作業に費用がかかるため、プラスのコストが幾分かかかります。
このような背景から、より低コストで書籍を出版したいのであれば、やはりWordなどのソフトを利用して執筆することをオススメします。
完全データ入稿とは
より低コストで、書籍を自費出版したいのであれば、完全データ入稿がオススメです。
完全データ入稿とは、編集が済んだ原稿をレイアウトデザイン・校正まで行ってデータにし、印刷所へ送ることです。非常にコストを抑えることができる入稿方法です。
ワープロソフト上で誤字脱字等を潰した上で、InDesignに代表されるレイアウト用ソフトでデータを作成します。Wordで似通った作業は出来ますが品質に大きく差が出るため、専用ソフトの使用ができない場合には出版社やデザイナーに任せることが良いでしょう。
原稿のレイアウト・組版におすすめなソフト
出版する時には、レイアウトの編集や組版を行う必要があります。
完成時のファイル形式としては、pdfやinddなどがあります。
ここでは、原稿のレイアウトや組版にオススメなソフトをご紹介します。
Illustrator
Illustratorとは、文字や画像を組み合わせたり、アイキャッチ画像を作成したりできる、デザインソフトです。
印刷物のデジタルデザインは多くの場合、Illustratorを利用して作成されていることが多いです。
本文内で用いる図の作成や装丁デザインの作成に使用される代表的なソフトです。
Photoshop
Photoshopもデジタルデザインを行う時によく用いられるソフトです。
Photoshopとは、Adobeから販売されており写真編集、イラスト作成などを行うことができるソフトです。
イラストや写真素材を加工する際に利用することが多いです。
InDesign
本文ページデータを作成する際に使用する代表的なソフトです。
数十、数百ページの印刷データを作成する際に最適で、書籍の印刷・製本会社のほぼ100%がInDesignで作成されたデータに対応しています。
完全データ化する際の注意点
実際のところ完全データ入稿するのはかなり難しいと言えます。
印刷データの完成までには行間、余白、フォントなどの作業があり、これらの作業は、一見簡単そうに見えますが、創造より難しい作業となっています。
各ソフトも高額であることから完全データ入稿することは避け、プロに頼る方が、出版するにあたってリスクは少ないと考えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここまで、自費出版に便利なソフトについて解説してきました。
この記事のポイントを整理すると以下の通りです。
- 原稿を作成するソフトには、Microsoft Word以外にもさまざまなものがある。
- 低コストで出版するには、完全データ入稿という方法がある。
- 完全データ入稿はかなり難しいので、素人の場合は、やはり編集やレイアウト、校正などを出版社にお願いした方がリスクが少ない。