自費出版で教科書を出版することもできます。本記事では、教科書を自費出版する方法、費用やメリットなどを紹介します。
自費出版とは
「自費出版」とは、自分で費用を出して書籍を出版することです。出版社が費用を出して制作、販売される商業出版とは対義語で、自費出版の場合はすべての費用を著者が負担し、本を制作するのが特徴です。自費出版であれば、商業ベースに乗らないタイプの本や販売数量が確定しやすいジャンルなど、自由に出版することができます。
教科書も自費出版できるの?
自費出版はあらゆるジャンルの書籍で行われており、教科書を自費出版することも可能です。たとえば、大学の授業で使用する教科書を自分で費用を出して出版するケースは珍しくありません。また、自分の研究成果や教育ノウハウなどを活かして教科書を自費出版し、一般の人々に読んでもらうといったケースもあります。学習塾などで参考書を作成する場合もあります。
教科書を自費出版するメリット
自費出版で教科書を出すメリットは、自分の考えをもとにした内容のため授業で使いやすい点が挙げられます。大学などで利用することを前提として、授業をしやすい内容にすることで、効率的に教えることができます。市販の教科書の内容に不満を抱いている方にとっては、自費出版で教科書を出すことでメリットを感じることができるでしょう。
自費出版本を作る流れ
自費出版の主な流れは以下の通りです。
- 相談をする
- 原稿を作成する
- 編集
- 組版、装丁デザイン
- 校正
- 印刷・製本
- 流通・販売
自費出版は出版社に依頼をしてサポートを受けるのが一般的です。そのため、まずは出版社を決めて相談をしましょう。見積りをもらい、契約をすれば自費出版の作業に進めます。
原稿を作成したら、編集の作業を行います。編集作業を出版社に依頼するか自身で行うかは考えておきましょう。次に組版と呼ばれる本文レイアウトやデザインなどを決める作業です。その後、校正を行い内容に不備がないか確認します。そして、実際に印刷を行い、製本されたものが納品されれば、後は書店に流通させて販売するだけです。大学の教科書や参考図書の場合、生協への配本が主となる場合もあります。これらすべての工程を出版社がサポートしてくれます。
(一部工程に対応していない会社もあります。)
自費出版の費用
自費出版にかかる費用について紹介します。
費用の相場
自費出版にかかる費用は、数量やページ数、サイズ、印刷方式などによって大きく異なります。一般的には、A5サイズで100ページの本を100冊自費出版する場合、10万円~20万円の費用がかかるとされています。ただし、上質な紙を使用したり、カラー写真を掲載するなど、豪華な内容にすると費用はさらにかかります。
出版支援システム
自費出版をサポートする出版支援システムを提供する出版社があります。たとえば、株式会社三恵社の教育支援出版システムは、テキストを出版したい先生のために少部数から費用負担なしで自費出版に対応しています。教科書やテキスト、講義ノート、講義資料集などの出版に対応しているのが特徴です。
何冊から自費出版可能?
出版社によって異なる場合もありますが、基本的に自費出版は一冊から可能です。そのため、利用したい数に合わせて製本できます。たとえば、授業で利用することが目的であれば、受講する生徒の数に合わせて教科書を出版できます。
自費出版する際の注意点
教科書の自費出版をする際に注意しておきたい点を解説します。
画像やグラフも自分で用意する
教科書に画像やグラフを掲載したい場合は、自分で用意する必要があります。画像やグラフは専門的なものであり、出版社のサポートを受けることは難しいためです。データは信頼できる情報源から集め、出典を明記する必要があります。また、画像やグラフの作成には専門的なソフトが必要であり、ソフトを購入する費用が発生する場合もあるため、注意が必要です。
図版やグラフを美しく作り直す作業であれば、編集部門が対応できる場合があります。エクセルやパワポで作成した図をデザイナーが修正する作業です。
専門とする出版社を選ぶ
教科書の出版は内容が専門的になるため、テキストなどの出版を専門とする業者を選びましょう。教科書の出版に慣れていない出版社に依頼すると編集や校正などで影響が出やすいです。きちんと質の高い教科書を作成したいならば、これまでに教科書の出版をしてきた実績のある業者を探しましょう。専門の出版社であれば扱いに慣れているため、安心して編集や校正を任せられます。
教科書作成の実績がある出版社
教科書の自費出版に対応できる出版社は以下の通りです。
- 一粒書房
- 三恵社
一粒書房は、教科書・企画出版システムを提供しています。大学や専門学校の先生を対象に、費用負担無しで教科書を出版できるのが特徴です。原稿を作るだけで、後の作業はすべて任せられます。ISBNや流通バーコード付きの製本に対応しており、本格的な教科書を作成できるのが魅力です。また、Amazonでの販売にも対応しています。
三恵社は、先に紹介した教育支援出版システムを提供している出版社です。少部数からでも費用負担なしで出版が可能であり、ISBNコードの取得も可能です。また、印税の支払いを受けることができるため、利益も得られます。
まとめ
授業で使用するためなどの目的で、自費出版による教科書の出版は珍しくありません。教科書の出版に実績のある出版社に依頼すれば、総合的なサポートを受けることができます。本記事を参考にして、教科書の自費出版を成功させましょう。