出版業界には数多くの出版社が存在します。それではどの出版社の売上が最も高いのでしょうか。本記事では業績の良い出版社や書店などについて2022年度におけるランキングを紹介します。出版業界で業績の良い会社について気になる方は参考にしてください。
業績の良い出版社ランキング
2022年度における業績の良い出版社について紹介します。
売上高ランキング(2022年度)
2022年度の出版社の売上高ランキングを以下にまとめました。
順位 企業名 | 売上高 |
1位 集英社 | 2,096億円 |
2位 講談社 | 1,720億円 |
3位 KADOKAWA | 2,554億円(1,399億円) |
4位 小学館 | 1,084億円 |
出版社で売上高が大きい企業は集英社と講談社、KADOKAWA、小学館です。出版業界で上記の4社は4大出版社と呼ばれています。2022年度において売上高が1,000億円を超えているのは上記4社です。KADOKAWAは映像やゲーム等の売上を含めて約2,500億円、出版事業で切り出すと約1,400億円です。
(各社決算発表データをもとに作成しています。)
営業利益ランキング(2022年度)
2022年度の出版社の営業利益ランキングを以下にまとめました。
順位 企業名 | 営業利益 |
1位 ベネッセHD | 206億円 |
2位 集英社 | (参考)純利益159億円 |
3位 講談社 | 143億円 |
4位 KADOKAWA | 259億円(131億円) |
5位 小学館 | (参考)経常利益73億 |
売上高とは異なり営業利益については、ベネッセがトップです。集英社と小学館は営業利益額の公表がなかったため、純利益学・経常利益額を参考として記載しました。
KADOKAWAはカッコ内の131億円が出版事業における営業利益の額です。
大手出版社ランキング
総資産や従業員数、平均年収をもとにして大手出版社をランキングにしたものを紹介します。
総資産ランキング(2022年度)
大手出版社の総資産ランキングは以下の通りです。
企業名 | 総資産 |
1位 ベネッセHD | 5,415億円 |
2位 KADOKAWA | 3,828億円 |
3位 講談社 | 3,112億円 |
4位 学研HD | 1,363億円 |
総資産が最も多いのはベネッセHDで5,415億円でした。2位は4大出版社の1つであるKADOKAWAです。小学館と集英社は総資産額の公表がされておらず、ランキング対象外です。
従業員数ランキング(2022年前後)
大手出版社の従業員数をまとめました。
企業名 | 従業員数 |
ベネッセHD | 16,637人 |
学研HD | 9,553人 |
中央出版ホールディングス | 5,844人 |
ゼンリン | 2,435人 |
KADOKAWA | 1,998人 |
講談社 | 934人 |
集英社 | 764人 |
小学館 | 698人 |
各社従業員数の更新時期が異なること、発表人数に単独・連結の違い(子会社の人数を含めるか否か)があること、出版以外の事業を持つ企業では、他社との横比較に意味がない点を理解した上で、上記をご覧ください。
教育系、特に教室を運営する人員が含まれる企業で従業員数が多いようです。毛色の違うゼンリンは地図情報の調査や制作、販売を行う会社であり、地図情報会社として日本国内最大手です。
業績の良い書店ランキング
業績の良い書店についてランキングにまとめました。
売上高ランキング(2022年度)
書店の売上高ランキングは以下の通りです。
順位、企業名 | 売上高 |
1位 ゲオホールディングス | 3,773億円 |
2位 丸善CHIホールディングス | 1,627億円 |
3位 紀伊國屋書店 | 1,306億円 |
4位 カルチュア・コンビニエンス・クラブ | 1,086億円 |
5位 ブックオフGHD | 529億円 |
6位 有隣堂 | 520億円 |
売上高のトップはゲオHLDですが、ゲームや雑貨売り上げが中心です。
丸善(ほかにジュンク堂など)を展開する丸善CHIホールディングスも書店以外に出版事業や図書館サポート事業、文教市場販売などを行っており、これらが売上高の柱となっています。書店TOPを紀伊國屋書店と見ても良いでしょう。
業績の良い印刷会社ランキング
印刷会社の中で業績の良い会社をランキングで紹介します。
売上高ランキング(2022年度)
印刷業界の売上高のランキングは以下の通りです。
順位、企業名 | 売上高 |
1位 凸版印刷(TOPPANHD) | 16,388億円 |
2位 大日本印刷 | 13,732億円 |
3位 NISSHA | 1,677億円 |
日本の印刷業界は凸版印刷と大日本印刷が圧倒的なシェアを占めています。1位の凸版印刷の売上高が16,388億円で、2位の大日本印刷の売上高が13,732億円です。
出版業界は将来性が無いって本当?
出版業界は売上が年々右肩下がりの状態になっています。紙の書籍の売上が落ちており、代わりに電子書籍が頭角を現しているのが現状です。出版社や取次、書店が潰れるケースが増えており、出版業界の先行きは不安な状態になっています。
まとめ
出版業界は一部の会社の売上が突出しているのが特徴です。現在は出版業界の売上が落ちており、今後はさらに衰退していく可能性が高いでしょう。そのため、事業の多角化やコンテンツの届け方へ新たな工夫、収益機会の開発が求められています。