誰でも一度は、世に本を出してみたいと思ったことがあるでしょう。

今はSNSで書籍の宣伝活動もできるので、上手くSNSを利用できれば、自費出版でもベストセラーとなることもあるでしょう。

この記事では、自費出版を行うにあたり、その工程はどんなものがあるのか、自費出版の費用はどの程度なのか、などに触れていきます。

この記事を読めば、自費出版の概要を理解することができるでしょう。

自費出版から作家デビューは可能なの?

誰でも一度は、小説で作家デビューしてみたいと考えたことがあるのではないでしょうか。

それには商業出版でなければならないと思っている方も多いことでしょう。

しかし、その思い込みは間違いであり、自費出版でも作家デビューすることは可能です。

その例として、夏目漱石の「こころ」があげられます。

夏目漱石の「こころ」は、朝日新聞で連載されていたものを、漱石が費用を支出し岩波書店から出版、世に出したという経緯があります。

有名作品となった自費出版の成功例

自費出版でを用いた作家は、夏目漱石だけでなく、その他にも例があります。

それは以下のとおりです。

山田裕介氏の「リアル鬼ごっこ」

リアル鬼ごっこは、高校卒業後自宅に引きこもっていた山田氏が、出版社に原稿を持ち込んで2001年に自費出版された作品です。

発行部数は100万部で大ヒットとなりました。

さらに、2004年には幻冬舎文庫からも発行されています。

島田洋七氏の「佐賀のがばいばあちゃん」

漫才コンビ「B&B」の島田氏が、ビートたけしに勧められて出版した作品です。

1987年に初出版されてから、何度か加筆修正を加えられた自伝で、400万部以上を売り上げた実績があります。

自費出版の流れ

上記のように、かなり有名な作品でも、実は自費出版だった作品は多数あります。

では、実際に自費出版をするには、どのような流れで進めると良いのでしょうか。

ここでは、自費出版をするにあたり、大まかな流れを解説します。

出版社選び

まず最初に出版社の選定をします。

その際に、その出版社では今まで、どんなジャンルの本を出版しているか確認しましょう。

その調査の結果を踏まえて、自身が作った作品のイメージにより近いものが発行できる出版社をいくつか選びます。

相談・見積もり・契約

次に出版社に相談します。

ご自身の作品概要と予定ページ数、希望する装丁等をまとめておくとスムーズでしょう。

この時に、1社だけでなく、複数の出版社に相談し、相見積もりを取りましょう。

そして、一番条件が良い出版社と契約を結ぶことが大切です。

原稿の提出・編集

次に作成していた原稿を提出し、編集してもらいます。

原稿が出来上がっていても、文章の表現が適切でない場合もあります。

また、企画までしか進んでいない場合は、作品の構想を原稿へと落とし込む必要があります。

自分で何度か推敲してから、原稿を提出することをオススメします。

※編集・校閲作業が不要な場合、より安価な費用で引き受けてもらうことができます。予算に応じて調整しましょう。

組版、装丁デザイン

本文ページの印刷レイアウト作成、表紙のデザイン作成工程です。

校正・修正

校正・修正の工程です。

誤植や組版ミスがないかを確認します。必要に応じて修正を実施します。

印刷・製本・出版

校正・修正が終わった後は、実際に紙への印刷が実施され、製本されます。

製本が終われば、出版社から書店に配置され販売されます。

今はインターネットによる販売も可能なため、販売が書店だけとは限りません。

自費出版の費用

自費出版で気になることの一つに、実際にどの程度の費用がかかるかということがあげられます。

自費出版の場合は、おおよそ100〜200万円程度かかります。

さらに書店への流通も行う場合は、さらに数十万円程度追加でかかります。

やはり、それほど安くはないことがわかります。

※弊社サービスでは20~30万円の価格帯で流通費込のサービスが多く利用されています。

作家デビューの現状

上記のようにいろいろな工程を経て、少なくない金額をかけて自費出版しても、必ずヒットするとは限りません。

むしろ、全く売れず、在庫が余ってしまい、赤字になることの方が多いといえるでしょう。

そのため、自費出版による作家デビューというのは、なかなか難しいと言わざるをえません。

少しでも作家デビューを成功させるには

それでも、自費出版で成功したいのであれば、本の宣伝や売り方を工夫する他ありません。

ジャンルに合わせた出版社を選ぶ

出版社によっても各々強みがあるので、自分が書いた本の強みが一層高まる出版社を選ぶことが大切です。

宣伝に力を入れる

例えば、ツイッターやインスタグラムなどSNSを利用して、自分の本が発売されていることを宣伝することが考えられます。

しかし、この方法は、SNSのフォロワー数が多いことが前提となる方法です。

予算に余裕があれば新聞広告や交通広告など、他媒体も同時に検討すると良いでしょう。

通販サイトにも出品する

Amazonや楽天市場のように、通販サイトを利用して、本を売ることも現代では可能です。

また、メルカリなどのフリマアプリを利用した販売ルートも確保することができます。

リスクを抑えた出版方法

このように本を売るには、さまざまな工程や労力が必要となるので、失敗した場合のリスクを考慮した出版方法をとる必要があります。

ここでは、リスクを抑えた出版方法についても解説していきます。

電子出版を利用する

第一に電子出版を利用することです。

電子出版の代表格としては、Kindleがあります。

Kindleであれば、紙への印刷や製本工程を削ることができるので、その分安く、本を出版することができます。

コンテストに応募する

次にコンテストに応募するという方法もあります。

現在では、規模の大小はあるものの、小説のコンテストは無数にあります。

どれかに入賞できれば、有力な出版社の目に留まり、自分の本を世に出せる切っ掛けになることもあるでしょう。

※悪質なコンテスト商法があるとの話も聞きます。本記事は全てのコンテストが安全であることを保証するものではございません。

小説投稿サイトを利用する

小説投稿サイトに投稿することで、小規模かもしれませんが、ファンを作り出すこともできます。

その小説が面白ければ、ファンから口コミで好評が伝わることもありえます。

小説投稿サイトでの評判が良いことから、出版社からお声がかかることも可能性としてはありえます。

悪質な業者や出版詐欺に注意

本を自費出版するときには、詐欺などに注意が必要です。

せっかく用意した契約金を持ち逃げされたり、契約内容とは異なるサービスを行う業者もあるようです。

自費出版を行うときは、相見積もりをする出版社のことを良く調べ、一定程度の発行があり信頼できる業者に依頼するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ここまで自費出版で本を出版するにあたり、必要となる工程やかかる費用、作家デビューするにあたって気をつけることを述べてきました。

この記事でのポイントを整理すると以下のとおりです。

  • 自費出版でも、夏目漱石氏や山田裕介氏のような成功事例はある。
  • 自費出版での作家デビューは難しいことではあるが可能性としてはありえる。
  • 自費出版の相場は100〜200万円程度。
  • 本の販売ルートの工夫により、本を売りやすくすることは可能。