自費出版で絵本作家になりたい方がいるかもしれません。実際に自費出版で絵本作家としてデビューした人はたくさんいます。本記事では、自費出版で絵本作家になる方法や費用、デメリットなどを紹介しましょう。

自費出版で絵本作家になるには

絵本を出版することで、どなたでも絵本作家になれます。

自費出版で絵本作家を目指す場合、まずは原稿を作成します。次に、印刷・製本し本を作らなければいけません。絵本が完成した後、書店への営業やインターネット広告などを活用し、実際に本の販売をします。

出版社に依頼をして自費出版のサポートを受けるケースは多いです。出版社に協力してもらう場合は、校正や印刷・製本、流通・販売まで全面的にサポートしてもらえます。

絵本作家になることは簡単ですが、作品が売れている作家になることや有名な作家になることが難しいです。

自費出版の費用目安

絵本を自費出版するのにかかる費用はページ数やサイズ、部数、印刷の種類などにより大きく異なります。たとえば、24ページの絵本を100部出版するのに30万円から40万円程度の費用がかかるでしょう。絵本は小説などの書籍を作るよりもお金がかかります。

作家デビューを成功させるには

絵本作家としてデビューし成功した作家になるには、本が売れる必要があります。作家デビューを成功させるためのコツを紹介しましょう。

書店営業

書店に営業をかけ、店頭に本を並べてもらう必要があります。上手く進めば、POPをつけた上で、良い位置に陳列してくれるケースもあるでしょう。

個人経営の書店で絵本に力を入れているお店があれば、オーナーが柔軟に対応してくれる可能性があります。

大手書店への営業は、出版社の営業担当が行うことが一般的です。依頼する出版社に相談しましょう。

インターネット広告

ネット上に広告を出して絵本を宣伝するという方法があります。広告費用を出すことで、実際にネット上に広告が掲載されるようになるでしょう。インターネット広告はそれぞれの趣味嗜好に合わせて表示される仕組みのため、絵本に興味のある人にアピールできます。

またAmazonのサイト内に広告を掲載する仕組みもあります。絵本を探すユーザーを狙って広告を出稿することも一案です。

書評を集める

たとえば、書評ブログを運営している人に絵本を献本して書評を書いてもらうという方法があります。あるいは、YouTubeなどで書評の動画を公開している人に献本して本の感想を話してもらうという方法も効果的です。

幼稚園などに寄贈する

多くの子供がいる幼稚園や保育園などに絵本を寄贈すれば、子供たちにご自身の絵本を読んでもらえます。そこから、親御さんを通じて評判が広まることで、絵本が売れる可能性があります。絵のテイストやキャラクターに人気がでると、他の作品が売れる可能性もあります。ファンが増えれば、新作の宣伝にもつながるでしょう。

絵本を自費出版する際の注意点

絵本の自費出版をする際に注意しておきたいポイントやコツを紹介します。

ターゲットを明確にする

絵本のターゲットを明確にすることで売りやすくなります。大人向けなのか、子供向けなのか、子供向けでも何歳をターゲットにするのか明確にしましょう。ターゲット層によって内容が変わってきます。

印刷の余白を意識する

絵本を印刷する際の余白には注意しましょう。紙の端までしっかりと印刷したいならば、上下左右に3mm以上の余裕が必要です。(裁ち落としや塗り足しと呼ばれる箇所です。)ぴったりに描いてしまうと、印刷したときにカットされる可能性があるからです。

自費出版で絵本作家になることのデメリット

自費出版で絵本作家になることのデメリットを紹介します。

費用負担

自費出版する場合はすべての費用をご自身で負担しなければいけない点がデメリットです。多くの費用がかかり、基本的に赤字を覚悟しましょう。本が売れたとしても、増刷するにも費用が発生します。(実際のところ、増刷については、数千冊売れるような作品の場合、商業出版に切り替えて出版社が増刷する場合が多いため、大ヒットした際の費用負担はあまり心配されず問題ないと思います。)

売れ行き次第で在庫管理の手間

自費出版の場合は本の在庫をご自身で管理しなければいけません。売れ行きが好調な場合には、多くの絵本を印刷することになり、保管場所や管理の方法を工夫する必要があります。一般的な自費出版サービスは倉庫保管サービスがついています。

プロでなくセミプロ扱い

実は自費出版か商業出版かは傍から見ても分からない場合が多いです。

(自費出版専門会社として知名度のある数社を除く)

自費かどうかではなく、1作だけの実績で、まだヒット作がない点からセミプロ扱いになると言えるでしょう。

当然ですが、絵本がたくさん売れたり、メディアなどにも取り上げられたりすれば、プロとして評価されるでしょう。出版社に注目されて、次回作を商業出版することになれば、より評価は高まるでしょう。

自費出版をした有名絵本作家の事例

自費出版で絵本を出して有名になった人はたくさんいます。

たとえば、ヨシタケシンスケ氏は最初の書籍を自費出版として出しました。その本はあまり売れなかったのですが、雑誌編集者に注目されてイラストの仕事をもらえるようになったのです。そこから、商業作家としてデビューして、「りんごかもしれない」は第6回MOE絵本屋さん大賞第1位になりました。

岩根央氏は5歳の絵本作家として売れたことで話題になりました。2019年に大人向け絵本として「しあわせのかくれんぼ」を自費出版で出したのです。出版社に注目されて、「しあわせのかくれんぼ」の続編が出版されました。そこから、いくつもの絵本を出版しています。

成功事例をご紹介してきましたが、成功した事例以上に失敗した事例があることも忘れずにいましょう。

まとめ

自費出版で絵本作家になることが可能です。ただし、費用をご自身で出す必要があり、売るためのコツも大事な点に注意しましょう。今回の挑戦が絵本で笑顔を増やせる機会になることを願っています。