自分で作った絵本を出版してみたいと考えている方は多いでしょう。それでは、自費出版で絵本を作ることはできるのでしょうか。本記事では自費出版で絵本を作る方法や費用、注意点などについて解説します。

自費出版で絵本は作れる?

最近は自費出版サービスが増えています。また、電子書籍で気軽に個人が本を販売できる時代になりました。そのため、自費出版で絵本を作ることは可能です。自分で絵・文を完成させることができれば、後は会社に任せることで出版できます。

絵本を自費出版するにはどうすれば良い?

絵本を自費出版するためには、業者のサービスを利用するのが一般的です。自費出版をサポートするサービスを提供している業者として、出版社、もしくは印刷会社という選択肢があります。

出版社は本の企画から印刷・製本、流通までトータルでサポートしてくれるケースが多いです。質の高い絵本を作ることができますが、費用は高い傾向にあります。

一方、印刷会社は印刷・製本のプロであり、多様なニーズに応えて絵本の印刷をしてくれるでしょう。印刷会社は出版社よりも費用が安い傾向にある点がメリットです。ただし、編集作業や流通などは出版社と異なり、サービス提供していないケースが多いです。

絵本完成までの流れ

実際に絵本を完成させるまでの流れを紹介します。

原稿の作成

まずは絵本の原稿を作成しましょう。原稿については、紙に直接描く場合もあれば、デジタルデータで作成する方法もあります。どちらでも入稿に対応してくれるため、自分が描きやすい方法を選択しましょう。

申し込み・契約

原稿を完成させたならば、実際に出版社や印刷会社へ申し込みをします。その際には見積もりをもらい、どのくらいの費用がかかるのか確認しましょう。また、具体的なサポート内容について疑問点を質問しておくことも大切です。問題がなければ契約しましょう。

入稿

パソコンで作成した場合はデジタルデータで納品をします。ただし、対応するファイル形式が決められていて、形式を変更しなければいけないケースがあるため注意しましょう。

紙に描いた場合は、業者がスキャニングなど対応してくれます。

校正

入稿した後は校正が行われます。絵本の誤字脱字を修正する作業です。出版社に依頼をすれば、校正を担当する専門のスタッフがいて、細かな部分までしっかりとチェックしてくれます。

製本

校正をして問題がなければ、印刷・製本が行われます。別途費用がかかる場合が多いですが、紙の種類や印刷方法などを指定してからサンプルを作成してくれるケースもあります。サンプルをチェックして問題がなければ、実際に印刷・製本の作業を進めてもらいます。

納品・発売

製本が終われば納品です。納品されたものをチェックして問題がなければ、絵本は完成します。後は出版社に流通を任せ、書店で絵本を販売します。

※書店にどの程度の冊数並ぶかは書店判断によるため、作品次第な面があります。

制作費用の目安は?

絵本を制作するための費用はページ数や部数、カラー印刷をするかどうかなどで大きく変わります。紙の質や印刷方法によっても費用は異なります。原則は質を追求するほど費用は高くなります。

費用を安く抑えたとしても10万円台、高ければ100万円程度の費用がかかると考えましょう。

自費出版本の儲けはいくら?

プロの作家とは異なり自費出版に印税という概念はありません。原則は売上から費用を差し引いた残りが著者の手元に入ると考えましょう。自費出版の絵本をまとまった冊数売ることは非常に難しいです。

儲けを出すことはかなり難しく、費用を回収できない前提で出版判断をすると良いでしょう。

何冊から依頼できる?

出版社などに絵本の自費出版を依頼する際には1冊から対応してもらえます。もちろん、1000部などまとまった冊数依頼することも可能です。試しに1冊作成してもらい、満足できたならば追加で製本を頼むこともできます。

絵本を作る際の注意点

実際に絵本を作成する際に注意すべき点について紹介しましょう。

ページ数には目安がある

絵本を作成する際には、4や8、16の倍数のページ数が必要になります。書籍は紙を二つ折りにして4枚を重ね合わせた折丁と呼ばれるものの集まりです。このような構造のため、書籍のページ数は4や8、16の倍数になります。

用紙ギリギリまで描かない

実際に印刷・製本が行われる際には、用紙の天地左右3mmは切り落とされます。そのため、用紙ギリギリに描いてしまうと絵の一部がなくなってしまうのです。製本されたときのことを意識して天地左右にわずかの余白を作りながら絵本を作成すると良いでしょう。

絵と文字は別々に納品する

絵本を納品する際には絵と文字を別々にしましょう。一枚に絵と文字をすべてまとめてしまうと後で修正するのに苦労します。絵と文字を一緒にすると大きさや位置の調整ができなくなるからです。

手書きの場合は用紙に注意すること

手描きで絵本を入稿する場合は、用紙の種類やサイズに注意しましょう。基本的にはこれから作成したい絵本のサイズに近い用紙を使うと良いです。用紙は水彩絵の具を使うのであれば、水分に強い水彩用用紙を利用しましょう。マーメイドという用紙は凹凸があり、スキャンで影を拾うためおすすめしません。

自費出版は電子書籍でもできる

電子書籍で自費出版の絵本を販売することは可能です。最近はKindleなどのサービスで電子書籍が一般化しました。出版社に自費出版を依頼する際にも、Kindleなどでの販売をサポートしてくれます。

仕掛け絵本も自費出版できる?

飛び出す絵本や点字絵本といった仕掛け絵本を作成して自費出版で販売することができます。ただし、すべての出版社や印刷会社で対応しているわけではないため注意しましょう。仕掛け絵本には特別な技術が必要になるため、対応できるかどうか事前に確かめてください。

費用集めならクラウドファンディングも一考

自費出版で絵本を出すための資金を集める方法としてクラウドファンディングがあります。クラウドファンディングとはインターネットを通じて資金の提供や協力を募ることができるサービスです。魅力的な絵本の作成をアピールすることでお金を集められる可能性があります。クラウドファンディングで支援を募るためのプラットフォームもあるためチェックしてみましょう。

まとめ

自費出版で絵本を出すことは可能です。出版社や印刷会社に依頼をすれば、印刷・製本まで担当してもらえます。ただし、絵本は普通の書籍とは異なる点があるため、依頼する際には注意しましょう。