句集・俳句本の自費出版をご検討中の方に向け、本記事では自費出版の方法や費用について紹介します。

自費出版とは

自費出版とは自分でお金を出して本を出版することです。小説や句集・俳句本、自叙伝などさまざまなジャンルで自費出版が行われています。出版のプロセスをすべて自分で対応するのは難しいため、出版社などのサービスを利用してサポートを受けながら自費出版をする人が多いです。

俳句も本にまとめることができる?

俳句をまとめ、自費出版している人はたくさんいます。たとえば、句会を催したときの記念として句集をまとめるケースがあります。あるいは俳句の集会を開催したときの配布本を自費出版で制作するケースもあります。 当然、個人の長年の作品を一冊にまとめ出版されるケースもあります。
出版社のサービスを利用すれば、句集・俳句本の組版・デザイン・製本を比較的簡単に行えます。

俳句集の作り方

自費出版で俳句集を作る際の主な流れは以下の通りです。

  1. 原稿を準備する
  2. 出版社を選ぶ
  3. 出版社に相談をして契約する
  4. 原稿を送る
  5. 校正・校閲する
  6. 印刷・製本する
  7. 納品

原稿を準備してから出版社を選びましょう。出版社に実際の原稿を見せた上で相談をすれば話がスムーズに進みます。条件に満足できたならば契約です。
所定の形式を守って原稿を入稿しましょう。 手書きの原稿をデジタルデータに変換するところから依頼もできますし、毛筆の作品をそのまま活かして作品を作ることもできます。Wordなどのワープロソフトで準備した原稿データから作成されるケースが多いです。
その後は誤字脱字等がないかの確認や、印刷用データの作成(組版とも呼ばれます)や校正および著者校正といった作業があります。問題がなければ印刷をして製本を行い、完成品が納品されるという流れです。 書店で販売したい場合には取次店を経由し書店へ配本することも可能です。(書店から注文を受けた場合にだけ配本するなどの希望にあわせた対応も多くの出版社で対応しています。)

自費出版はどんなことができる?

自費出版で俳句集を作る際にはさまざまなデザインの本を作れます。予算が少ないならば簡単な冊子のものが良いでしょう。費用がかかっても高品質なものを作りたいならば、書店で販売されているようなハードカバー本を出すこともできます。俳句集の場合は和紙や和綴じを使った本の出版に対応している出版社もあります。 本文ページのレイアウトや挿絵の有無など、ご自身の希望をかためておくと相談がしやすいでしょう。またイメージに近いレイアウトの書籍をお持ちであれば、齟齬なく進むでしょう。

自費出版の費用

自費出版にかかる費用は、出版社によって大きく異なります。また、ページ数や印刷部数によっても違いは大きいです。
費用の内訳は大きく分けて、原稿の編集や校閲の費用、組版や装丁デザインを作るDTP費用、印刷製本の費用、流通や在庫管理の費用の4つです。
編集を頼まず、簡素な製本であれば、10部程度の印刷を数万円で依頼できるケースがあります。100ページ以上ある本格的な俳句集を数百部刷り、流通にも乗せる場合だと30万円以上の費用がかかります。 事前にしっかりと見積もりをもらい、費用と含まれる内容を確認しましょう。

自費出版本でも流通させられる?

自費出版本であっても書店で流通させられます。出版社の自費出版サービスには書店への流通まで請け負うものがあります。
通常、取次店数社に対し見本を出し書店への委託配本や注文配本に対応するものです。 流通希望部数が多い場合には、書店営業を実施し置かせてもらえる先を増やす必要があります。

自費出版か商業出版かは問わず、本を書店に並べるためにはISBNコード(JANコード)が必要です。ISBNコードは本の情報を特定するための固有の番号で、書籍JANコードは書籍の情報をバーコードにしたものです。 JANコードはあらゆる商品につけられており、ISBNコードは書籍にのみ割り当てられています。ISBNコード(JANコード)は出版社が設定、バーコードの準備します。

(著者が個人でISBNコードの発行、JANコード登録申請を行うことも可能です。ただし手続きをご自身で行うことや、書籍を販売する間は使用料を払い続ける必要があります。数万円の費用負担を考えるとおすすめはしていません。)

書店以外の流通方法

自費出版本を販売する方法は書店以外にもあります。書店以外にどんな流通方法があるのか紹介しましょう。

ネット通販

Amazonや楽天市場などネット通販サイトで販売するという方法があります。申請をしてショップを開くことができれば、自費出版本を販売可能です。ただし、審査があり、落ちるケースもあるため注意しましょう。

直接販売

SNSなどを活用して注文を受け付けて、直接販売するという方法があります。自費出版本を購入したい人に連絡をしてもらい、発送などの手続きをします。同人誌即売会などのイベントに参加して来場者に販売するという方法もあります。

電子書籍

電子書籍ストアに申請をして審査に通れば、電子書籍で販売できます。売上のうち何割かはロイヤリティとして電子書籍ストアに徴収される点に注意しましょう。出版社の中には電子書籍のデータの作成に対応している会社があります。

献本

献本とは書籍を進呈することです。図書館や学校、著名人、マスコミなどに献本できます。献本は無償で送付するもので、図書館や学校などの本棚に置いてもらえれば、多くの人に読んでもらえます。 昨今の図書館は郵送献本を受けていない場合も多く、事前に確認が必要です。

図書流通センター

図書流通センターは図書館向けの書籍販売や図書館運営の代行をしている企業です。図書を仕入れ各地の図書館に納品します。図書流通センターが取り扱ってくれた場合、全国の図書館に自著を並べてもらえる可能性が高まります。図書流通センターへのルートは取次を通しての流通を前提に考えましょう。

国立国会図書館にも納本義務がある

自費出版した句集は国会図書館に納本できます。国会図書館が扱う書籍には自費出版本も含まれているためです。自費出版本を発行してから30日以内に国会図書館へ1部を納入しなければいけません。 出版社に依頼し出版するケースでは、1部を出版社に預けることで納本を代行してくれるケースが大半です。 納本義務があるのですが、未納本で罰則が適用されたことは今まで一度もないです。国立国会図書館が自費出版本のすべてを把握するのは難しいからです。

句集が作れるおすすめの出版社

句集を自費出版で作りたいときにおすすめできる出版社は以下の通りです。

  • はまなす文庫
  • ふらんす堂
  • 書籍づくり本舗

はまなす文庫はさまざまなジャンルの自費出版に対応しており、句集・歌集の作品も多いです。電子書籍の制作にも対応しており、印刷物を作成したデータをもとにして電子書籍化してくれます。

ふらんす堂は俳句や短歌、詩、エッセイなどの自費出版に対応している出版社です。ハードカバーからソフトカバー、厚表紙・薄表紙などさまざまな装丁に対応しています。

書籍づくり本舗は当サイトを運営する出版社です。年間100タイトルほど取り扱いがあり、句集に対応しています。身内だけで楽しむ目的も各地書店に配本し販売することもご要望に応じて対応しています。価格帯が安価で、安定した品質をご評価いただくことが多いため、相場観をつかむ目的でお見積りいただく方も多いです。

自費出版サービスの資料は、こちらの資料請求ページよりご覧ください。

まとめ

自費出版で句集を出すことはできます。出版社に依頼すれば、装丁から紙の質までこだわった句集を作ることが可能です。本記事でおすすめした出版社を利用すれば、満足できる質の句集を作れるでしょう。