自費出版をする際には原稿の校正をする必要があるのか悩む人が多いでしょう。自分で校正をするのは難しいため困る人は少なくありません。

自費出版であっても校正は必要です。程度の差はあれど校正は必要な工程でしょう。

本記事では校正と校閲の違い、校正のコツ、外注するにはどうすればいいのかといった点を解説します。

校正と校閲

校正と校閲の違いや必要性について解説します。

校正とは

校正とは原稿の誤字脱字や表記ゆれなどを修正していく作業のことです。校正を行うことで、文章の基本的な誤りを修正できるため、重要な作業といえます。素読み校正とも呼ばれます。

修正を加えた原稿の校正やWord等で作成した原稿を印刷用データに組版したものの校正、実際に印刷した上で色味などを確認する色校正など一言に校正と言っても種類があります。

校閲とは

校閲とは文章の内容が事実と相違がないか、差別的な表現がないかといった点を確認する作業です。たとえば、歴史の年号が事実通りかの確認などを行います。誤字脱字など日本語としておかしな部分がなくても、内容が誤っているケースは少なくありません。校閲によって、文章の内容の完成度を高めていくことができます。

校正はどのようにして行われる?

校正の方法は出版社ごとに異なっています。最近ではWord等のソフト上で赤を入れる場合も増えました。本文をプリントアウトし赤ペンによって訂正や修正をするケースも多いです。Wordファイルや赤を入れた原稿のスキャンデータをメール等で送る場合と紙を郵送する場合があります。

自費出版の校正は著者校正と呼ばれる、著者が確認し進める方法をとる会社が多いです。理由はシンプルで自費出版費用を抑えるためでしょう。追加費用を支払うことで複数名の目を通す校正にも対応しているケースが多いです。

校正は何回までしてもらえる?

自費出版の場合、出版社によって校正に対応できる回数は異なります。たとえば、2回まで無料で、3回以降は有料というケースです。事前に校正を何回までしてもらえるのか確認しましょう。

校正のコツ

校正は完全に出版社任せにするのではなく、自分でも行うことで、校正する箇所を減らせます。そこで、自分で校正を上手く行うためのコツを紹介します。

文字サイズを変えて確認する

Word等で作成した文章であれば、フォントサイズを変更することは簡単にできるかと思います。フォントサイズを少し変えることで、改行位置が変わります。

改行位置が変わると文章を読むリズムにも差が生まれるため、見落としていた誤りを見つけられる場合があります。

紙に印刷して確認をする

パソコンで作成した文章を、紙に印刷して行う方法です。先の改行の話とも通ずる部分ですが見え方が変わることで誤りを発見できる場合があります。

直接紙に書き込みできる点もメリットです。パソコンで校正をするよりも、直感的に作業できる点は魅力でしょう。

モニターを凝視するよりも紙の方が目は疲れにくい点もメリットです。校正作業では、長時間文章を読む必要があるため、紙にプリントアウトして確認することをおすすめします。

文章をバラバラに読む

文章をまとめて流れで読んでしまうと誤字脱字などに違和感を覚えずに読めてしまうことが多いです。そこで、校正をするときには、単語ごとに区切る、あるいは最後から読んでみるなど、流れで読まない工夫をしましょう。そうすれば、誤りを見つけやすくなります。

声に出して確認をする

校正は単に目で見るだけではなくて、声に出して読んでみることをおすすめします。字面だけではなかなか誤りに気が付きにくく、誤字脱字を見逃すことが多いです。声に出して読むことで、誤りに気が付きやすくなります。

別の日に確認をする

完璧に校正をすることは基本的に不可能だと考えましょう。どんなに注意をしていても、誤りを見逃す可能性があります。完璧に校正できたと思っても、別の日に確認しましょう。

第三者に見てもらう

原稿を友人や家族などに読んでもらいましょう。内容を知らない人に読んでもらうことがおすすめです。そうすれば、自分では気が付かなかった文章の問題点がわかります。第三者の視点を入れることで、より完璧な校正ができるでしょう。

校正を専門業者に依頼する方法

校正を外注するならば、校正会社に依頼するという方法があります。インターネットを活用すれば、校正の依頼を受け付けている業者を見つけられるでしょう。

原稿の内容、文字数(ページ数)、希望する納期をまとめ相談します。メール等で相談を受け付けている会社が良いでしょう。

単価は会社によりバラバラで、目安として10万文字程度の書籍原稿の素読み校正で15万円~30万円程度を想定すると良いでしょう。
(誤り箇所のデータ修正は出版社が行う作業のため、上記の費用に含まれません。)

実際に校正を専門業者に任せたい場合、出版社経由で依頼することが最も一般的です。出版社自体が校正サービスを提供している場合や校正を含むプランを持っている場合もあります。

出版社経由での依頼や出版社が引き受けてくれる場合、窓口が統一される点がメリットです。

校正のしすぎによる注意点

校正を始めると何度も直す必要があります。読み返すたびに文章の問題点が見つかってしまうことが多いです。最終的には何が正しいのかわからなくなることもあります。校正にこだわりすぎるとキリがないため、どこかで区切りや割り切りをすることが大切です。

プロの作家が出した本でも、誤字が残るケースは存在します。そのため、自費出版をする際には、多少の誤りや間違いがあるのは当然と考えましょう。

完璧を目指しすぎず、合格点のとれる仕上がりを目指すと良いでしょう。

まとめ

自費出版をする際に校正はとても重要なプロセスとなります。校正をしっかりと行うことで、間違いの少ない本を出せるでしょう。出版社などの専門家に依頼すれば、質の高い校正を受けられます。